GLP

圏央道狭山日高インター周辺を走っていると、インター裏のアームの長いクレーンの姿が必ず視界に入ります。これは、日高市の2箇所に進出してきた物流会社GLPの建設中の工事です。


GLPと言う会社については、何も知識がありませんでした。シンガポール証券取引所に上場と言うことで、日高市にもいよいよ外資進出かという印象でした。
案内に拠ると、「2010年10月にシンガポール証券取引所へ上場し、先進的物流施設のリーディングプロバイダーとして、日本、中国及びブラジルの77都市において約2,800万平方メートルのポートフォリオを持ち、およそ800社に効率的な物流ネットワークを提供」とあります。
日本法人はGLP株式会社で2009年設立「日本の主要な物流拠点を網羅する都市で、87物件・総延床面積約390万平方メートルの物流施設を所有・運営、高機能かつ環境にも配慮した物流施設を提供」とあります。
ただ単に、倉庫だけ輸送だけという旧来の物流ではなく、土地とそこに建設する倉庫と倉庫に付随する物流の様々な高機能及び全体的に運用するノウハウ、これら全体を投資とみてそこからの投資収益を示し、土地や箱物を提供してもらうあるいは自社開発し顧客にその機能を切り売りし収益の源泉を確保する、という仕組みかな、と思います。業種的に投資会社で、投資と物流を一緒にしたような会社のようです。
GLP株式会社は、社員93人で金融機関からの借り入れは何と約1兆5000億円、これだけの資金を投入して、岡山等の中国地方、大阪、名古屋、関東の主要物流ルートに続々と建設しています。日高市だけかと思って調べたら、とんでもない、圏央道、環状道路に沿って建設拠点がありました。しかも、日高市の規模は下から数えた方が早い程の大規模施設ばかりです。
このニュースに接したときまず頭に浮かんだのは、外資系と言うことで、彼らにとっての適地とはどんな基準で選ばれたのか、という興味でした。
・土地の安さ。これは日高市の最大の売り物であることは常識です。1分1秒が流通コストに関わるからインター直結が理想で、田木はほぼそれに近い。マスタープランでの土地利用方針は工業地です。
・もう1箇所、土地がさらに安くて、インターに道路一本の至近、24時間稼働も可能で大型トラックに発着が容易(と想像)。これが上鹿山のごみ旧焼却場近くの場所。土地の性質は山林。周辺に人家がない場所です。
固定資産税の税収があがって、雇用は800人くらいと言われています。企業誘致を掲げる市長にとっては、正に理想的な案件、さらに誘致を勧めたいと日頃いろいろな所で発信していますが、適地がない。GLPの場合も、飯能市と境界が接する所で、飯能市境界付近の工業地はこれでほぼ満杯、後は農業振興地域の指定を解除して、田んぼと畑とヤマを工業地にするしかありません。このことについても、市長は権限が市にあれば、と言っています。GLP級のお眼鏡に適う土地は限られていて、市としては、工業地に変えたい土地の目論見はすでにあると思います。
しかし、です。税収があがるといっても、上がった分は確実に交付税の削減になり、努力は国に吸い上げられてしまうことは確実。企業誘致という錦の御旗の価値についても常に検証が必用と思います。

マルチテナント型物流施設開発
所  在:埼玉県日高市
敷地面積:20,866? (6,312坪)
延床面積:43,194? (13,066坪)
竣  工:2015年12月予定

立地メリット 圏央道「狭山日高」IC及び国道16号が至近、広域配送、埼玉西部へのエリア配送の両方に対応可能な好立地。強固な地盤に位置し、BCP上優れた立地。
最寄ICと距離 圏央道「狭山日高」IC隣接
最寄駅と距離 JR川越線「武蔵高萩」駅 約3.7km
物件概要 敷地面積 ?(坪) 20,866? (6,312坪)
延床面積 ?(坪) 43,194? (13,066坪)
建物構造/階数 プレキャストコンクリート造・免震構造 / 地上4階建
竣工 2015年12月予定
設備内容 免震サンドイッチパネル、片面車路、非常用発電機、CASBEE、スローフ