先手の利

将棋電王トーナメントの先後はランダムで決定とのことでした。
今後のルール改善点のアンケートで私は予選上位が先手で良いのでは。
と答えておきました。


http://d.hatena.ne.jp/yaneurao/20131106
ここで書かれていますが、
Ponanzaで解析した結果初期局面で先手+70点というのは興味深い結果ですね。
では私は別の視点から。
今回、決勝トーナメント進出の12ソフトの先手、後手の結果を色々まとめました。

決勝先手勝率 電王戦出場ソフト先手率 電王戦出場ソフト決勝先手率
73% 63% 71%
電王戦出場 ソフト名 予選先手数(勝ち数) 予選後手数(勝ち数) 決勝先手数(勝ち数) 決勝後手数(勝ち数) 先手率(決勝先手率)
ponanza 4(4) 4(4) 0(0) 3(3) 36%(0%)
ツツカナ 4(3) 4(4) 3(2) 0(0) 64%(100%)
YSS 4(3) 4(1.5) 3(3) 1(0) 58%(75%)
やねうら王 7(4) 1(1) 2(1) 1(0) 82%(67%)
習甦 5(4) 3(0) 4(3) 0(0) 75%(100%)
Apery 4(3) 4(1) 1(1) 3(1) 42%(25%)
Bonanza 5(3) 3(3) 0(0) 2(0) 50%(0%)
AWAKE 3(1.5) 5(3) 1(1) 2(0) 36%(33%)
Selene 4(2) 4(2) 0(0) 1(0) 44%(0%)
K-Shogi 2(2) 6(2) 1(0) 0(0) 33%(100%)
N4S 5(3) 3(1) 0(0) 1(0) 56%(0%)
Calamity 4(2) 4(2) 0(0) 1(0) 44%(0%)


千日手局は、予選は0.5勝扱い。
決勝は指し直し局の先後は無視して、千日手局の先後のままとしました。


対局数が少なくて統計的にはあまり意味がないのかも知れませんが、
とりあえず以下の結果が得られました。


・決勝先手勝率が67%とプロに比べてかなり高い。
・電王戦出場ソフトは先手を多くとった。決勝に限ると71%。
・特にやねうら王の先手率は驚異的。


先手だから勝ったのか、強いソフトがたまたま先手だったのかは、
数多くの対局をしない限りはっきりとは分かりませんが、
私は先手の利はかなりあると感じています。


Ponanzaが先手率がかなり低いにも関わらず、
全勝優勝したというのは本当にすごいことだと思いますが、
実際はどこかで負ける可能性もかなりあったと思います。


予選全勝でもトーナメントで後手を引いて負けてしまっては
かわいそうに思いますので、次回将棋電王トーナメントでは予選の結果を先後に反映させて頂けると嬉しいです。


※一部表に間違いがあり、訂正しました。(12/16)