選挙が終わって

萩生田光一氏(自由民主党衆議院議員)、竹中治堅氏(政策研究大学院大学教授)、五野井郁夫氏(高千穂大学准教授)。

本日のプライムニュースの出演者は、正直なところ不勉強な自分には、あまり馴染みのない方々でしたが、とても能力の高い方々だと、感心しながら見ていました。
三者三様、それぞれの立場からしっかりした考えを持たれ、考え方の違いによる主張の差にイラッとすることなく、ああ、こういう考え方もあるかもしれないなと、意見の差を認め合いながらもお互いの思考を確認し合い、また高めあっているのが見ていて分りますし、自分の思考にも良い影響を与えていると感じられる貴重な時間でした。

三方とも、率直で、冷静で、固定観念にとらわれない聡明さを感じさせます。見終わった後も、とても後味の良いものでした。
報道番組を見た後に清冽な感覚が残るというのは、とても稀なことです。反町さんと八木さんの人柄がにじみ出る話の進め方の好感度の良さもあるかと思いますが、映像番組でも、書物でも、他の人の聡明さに触れる時にはとても快感を感じます。

さて、萩生田氏と言うと教育関係、歴史問題でしっかりした主張をされる方位の印象しか持っていませんでしたが、今日の放送を見て、自民党には立派な人がいるものだと感心しました。下村氏ともに安倍氏の側近というのも頷けます。政治家には叡智と人間性が重要だとつくづく思います。
また、マスコミ等報道関係者は、政治家の人間性や叡智を受けて、これらがにじみ出るような切り口からの質問や報道を行わないので、皮相な内容になってしまいがちに思います。
空疎な報道は、報道する側が空疎であるために生じる場合が少なくありません。そうした報道に常時触れている私達も、劣化傾向になってしまうのも無理のないことだと思います。


また、萩生田氏が面白いことを言っていました。
自民党が思想的に純化していっているようだがという問題提起に対して、

従前の自民党は、もともと改憲を旨とする人達の集まりであったのに、その目的が政権を維持するための政党となり、本来考え方の違う人でも選挙に通りそうだからという理由で党が推薦したりするようになった。
そのため、本来結党の目的とは違った、全く別な政党に属していてもおかしくない国会議員も混在するようになったというのです。自民党の中に与党的な一派や野党的な一派が共生していて、政党による政権交代ではなく、自民党の中の派閥の闘争により、政権交代と同じような力学が働いていたということのようです。

現在でも、維新やみんなの党等でも、本当にその政党に属しているのが不思議な国会議員も多い。要は当選しさえすれば、どこの政党でも良く、衆議院でも参議院でも良い、といった国会議員が実に多いというと、他の出席者も頷いていました。こうしたことは、政治を目の当たりで眺めている人ではないと判りにくいことに思います。

今後、自民党が政策を前面に押し出していく政党を志向することで、そうした国会議員は炙り出され淘汰されていくのではないかとみているようでした。

政策立案・遂行能力、人間性等が、やっと政治の世界でも日の目を見そうです。