(続報)エド・ミリバンド党首では労働党の政権奪還は難しい

労働党ウォッチャーではないので、、、この話題はそろそろ終わりにしたいのですが、こう大事なニュースが入ってくると、なんとなく書きかけたネタを放置してしまっている気がするので、続きを書きます。なお、私は保守党でインターンをしているとはいえ、このブログではあくまでも、一般情報源で入手可能な情報で、客観的にストーリーを再構築しています。守秘性の観点からも、それから、中立性の観点からも。とはいえ、私が日々接するニュースも、ややバイアスがかかっていて、中立性が損なわれていることは、容易に想像されます。なるべく、労働党員のブロガーの情報も意識してみるようにしたいと思います。

さて、本日の続報ですが、Independent紙およびGuardian紙によると、現在はネット企業の起業家としてビジネスを運営している、労働党の前eキャンペーン・マネージャーのLuke Bozier氏が、労働党から保守党にくら替えすることを宣言しました。Bozier氏は6年前にまだブレア氏が首相だった頃に労働党で働き始めた方です。eキャンペーン・マネージャーというのは、党本部のスタッフの一員として、労働党から給料をもらって仕事をしていたということです。ボランティアで党の活動を手伝っていた、というのとはレベルが異なり、かなりコミットメントです。その方が、労働党の支持を取りやめるに留まらず、保守党にくら替えをする、とまで宣言しました。彼は労働党はもはや’Party of Aspiration’(志の高い政党)ではなく、ミリバンド党首のリーダーシップは’disaster’(とんだ災難)だと述べています。より詳しくは、以下のようにくら替えの理由を述べています。

‘Labour has a vacuum of policy and a vacuum of vision. Even if Ed Miliband had a policy and a vision, he is clearly unable to communicate it or connect with he electorate in any meaningful way’「(拙訳)労働党には政策とビジョンのブラックホールがある。たとえエド・ミリバンド氏が政策とビジョンを持っていたとしても、それを意味のある形で伝えたり、有権者につないだりすることが、彼には明らかにできない」

‘The Labour Party today is not the Labour Party I joined six years ago when Tony Blair was leader. ’「(拙訳)今日の労働党は、トニー・ブレア氏が党首だった6年前に私が入党した労働党ではない」

‘Blair and New Labour had the reforming zeal to radically change our public services. It was a pro-aspiration, pro-business party, which made sense to me and to the country. The party has moved so far away from it that I no longer wish to be a part of it. At the same time, Cameron's policies have picked up that reforming zeal and are continuing in the spirit of Blair, so I have decided to join the Conservatives ’「(拙訳)ブレア氏と(彼の掲げた路線である)ニュー・レイバーは我々の公共サービスを改革する熱意があった。志を高く持つことを奨励し、ビジネスを奨励する政党であり、私にとってもこの国にとっても納得のいくものだった。労働とはこれまでに、その位置からかなり遠ざかり、もはや、私がその一分であることを望まない政党になってしまった。同時に、キャメロン氏の政策は、改革への熱意を継承し、ブレア氏の掲げた政策を継続している。だから私は保守党に入党することに決めた」

‘This is not about following power. Cameron has picked up the torch [on reform] that brought me into politics. I think you should put your country before party loyalty’「(拙訳)別に権力を追い求めているわけではない。キャメロン氏は、私を政治の世界へと導いたトーチを引き継いでいる。私はこの国の利益を政党に対する忠誠心よりも優先させるべきだと思う」

それを受け保守党は、Bozier氏が保守党に入党したことを、以下の保守党本部のツイートで確認しています。ちなみに、CCHQというのはConservative Campaign Headquartersのことで保守党本部のことです。

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さて、どうなるのでしょうか…。先日ご紹介したWilliam Hillの賭け相場では、エド・ミリバンド氏の総選挙前の党首辞任のオッズは2倍にまで下がっています。「辞任しない」のオッズは1.73倍で、そろそろ、オッズが逆転しそうです…。次のエントリは違う話題について書きます。