夏の美術鑑賞第3弾、奈良および神戸へ

 高校時代の友人OKUMUと奈良と神戸へ行ってきました。なぜに?奈良?というところがあると思うんですが、奈良にちゃんと観光に行くとなると小学校の奈良遠足以来ということで、大人となった今改めて奈良を訪れてみると何か新しい発見があるのかもしれない???という気持ちもあり奈良へと出かけました。また、神戸は今年、兵庫県立美術館にて「水木しげる」展が開催されるということで決定しました(実は、私は水木先生の作品が昔から好きで、中学校時代は「妖怪画談」という本が流行ったこともあり、この画談シリーズは4冊持っていたり、他にも数冊水木先生関連の本を持っていたりします。)

奈良へ大仏・春日大社見物

 平城京遷都1300年祭が行われている奈良へ行くのに、なぜに、メイン会場の平城京跡をはずして大仏と春日大社なのか???それは、この猛暑の中、あの影の無い広い会場を歩いていくのはつらいという現実的な判断からだったんですが、しかし、この春日大社と大仏殿を見て回るこのコースもかなり暑く厳しいコースでした(笑)。
 まずは、近鉄奈良駅から春日大社へ移動しました。小学校以来、春日大社は訪れたことが無く、「こんなところだったのかぁ」というのが印象でした。非常に由緒正しい神社なんですが、最近京都方面で色々な寺社を訪れる機会があったためか、正直、格別の感動と言うのはありませんでした。
 続いて、東大寺に移動して大仏を拝観してきました。まずは、南大門をくぐり大仏殿に向ったのですが、この南大門、私のイメージ以上に大きく(正確には、これほど大きかったのか?!ということです。過去の記憶はそれほどあいまいなんですね)、その中に安置されている、「あ・うん」のそれぞれの像の見事さは圧巻でした。やはり、東大寺の南大門は他のお寺の門とは異質な大きく鎌倉彫刻の最高傑作といえる「あ・うん」の像が見れる点から群を抜いていると感じました。その後、大仏殿へ進み大仏を拝観しました。で、その大仏を見る前に、驚いたのは大仏殿の建物自体の彫刻のすばらしさ!こんな凄い彫刻が施されていたのか!という重厚な彫刻が、屋根のせり出し部分に施されているのは過去の記憶に無かったのでやはり小さいときは何も見てなかったんだなーと妙に感心しました。肝心の大仏ですが、これまた、私の従来のイメージとは違い、温和な顔であり、また、その大きさと大仏鋳造当時に多くの犠牲者を出してまで、国家の安泰を願い大仏を鋳造したという歴史を思うと、小さいときとは違う新たな人をひきつける魅力を感じることができて、見に来て良かったと思いました。

兵庫県立美術館「水木しげる・妖怪図鑑」展

 奈良を後にして、阪神なんば線を利用し奈良から直通で今度は神戸方面へ移動して、本日のメイン「水木しげる・妖怪図鑑」展を見てきました。
 最初に観想を言いますと、私が、水木先生の漫画が好きである点を差し引いても「非常に良かったです」。
 原画が88枚と、参考資料としての江戸時代の浮世絵などの妖怪画や子供も大人も楽しめる実寸大の妖怪の模型(前に立つと口からシュッと空気が勢いよく出てきたり、私自身思わず「うぉ!」と声を出してしまいました。)があったりと誰もが楽しめる内容となっていました。
 また、今回初めて鬼太郎や以前に読んだことがある「妖怪画談」などの妖怪画の原画を見ることが出来たのですが、懐かしさというのもありましたが、漫画というジャンルを超えた極めて精密な描写がすばらしく、また、当時の困窮時代のある種の「このクソ!」というような力強さも伝わってきました。興味深かったのは半分に切れてしまったりしてたのか?セロテープで補修してるものも多数あったりしました(そのセロテープも色が黄色に変色しており、かなり前に張られたものがよくわかりました。それゆえに、リアル感が凄く伝わってきました)。
 さて、本展覧会で特に思ったのは、1つ目に、水木先生はこれだけの全国の妖怪の情報をよく集められたなーという点です。上は北海道から下は沖縄まで本当に全国各地から様々な妖怪が紹介されていました。2つ目に、江戸時代の妖怪画を見て感じたのは、当時の人々の発想力の豊かさと独創性です。やはり、当時の人々の方が自然に添って生活していたため感受性という点では優れていたのかもしれません。3つ目に、妖怪画には女性が多いという点。女性という強い存在が古今東西関係無く現れているんでしょうか?
 来場者は当日は平日の金曜の夕方ということで少なめかな???と思っていたのですが、ナンノナンノ、下はちびっ子から上はご老人夫婦にいたるまで本当に幅広い来館者が詰め掛けていました。まぁ、ドラマの影響もあるんでしょうが、それでも、やはり水木先生の生き様と鬼太郎などのキャラクター達、そしてなによりも妖怪という本当は眼に見えない存在が年齢を問わず人を惹きつけるんだろうと納得しました。

その他の感想

 さて、今回のその他の感想ですが、この夏の暑い時期の奈良などへの盆地へ出かける際は必ず帽子は当然のこととして、日傘が非常に有効であるというのが今回よくわかりました。
 また、阪神なんば線を利用して奈良から神戸へ移動したんですが、これも明らかに行動範囲が広くなり便利であることを実感しました。なにより座ったまま乗り換えなしで神戸方面へいけるのは楽チンです。
 反省点とすれば、夕食に食べた中華で小籠包を注文した際に「こちらの酢醤油をかけてお召し上がりください」との店員さんからの案内がああり、テーブルにも「おいしい小籠包の食べ方」という案内の絵が置かれており、その絵に描かれたとおりの形のポットから酢醤油と思いお皿に注いだものが妙に色が薄くて「これホントに酢醤油か???」と味を見てみたら「お茶」だったというのは誰も見ていないとはいえ、恥ずかしかったですね。ちなみに、よく見たら、横に大きな字で「酢醤油」と書かれた容器がありました(笑)。