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☆無作為という行為が作為的であるように、不規則とは常に規則の中に内包されているものなのだ。
  それ、即ち"テクノ"である。



2018-06-14

今年も咲いたよヒメスイレン 2018

水が干上がりそうになったら満たしてあげる、って程度で、相変わらず何の手入れもしていないが、今年も咲いたよヒメスイレン。ついでにヒメダカも冬を越した模様。もしかすると、この時期に産卵しているのかもしれないが、あくまでも手は掛けずに、という方針。ボウフラは大きすぎて食べられないと思うが、卵くらいは食べてるのかなあ?

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2018-05-21

大原麗子がラベルの『麗の雫』(ウイスキー)を買ってみた

けど、飲んではいない(笑)。

一般的にウイスキーは、高級になるほどアルコール度数も高い傾向にある。700円を切るような安いウイスキーは、大抵が37度で、個人的には年間を通じてもあまり口にすることのないものだ。要するに、口にする前から、中身は大体想像できる。やけに水っぽくて、カラメルで色付けしたあれだ。だから、酒屋でこれを見つけた時、アルコール度数に不釣り合いなその価格に驚きもした。なにしろ、37度で1,000円(大特価らしい)もする。ただ、それでもかなり珍しいものだから、モノの話に一本買ってみようか、と相成ったわけだ。

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『麗の雫』。決して洗練されたデザインというワケじゃないが、インパクトは十分ある。

このウイスキーは「南アルプスワインアンドビバレッジ」というメーカーから販売されているもので、最近スーパーや量販店でみかける『蜂角鷹』(はちくま)もここの製品である。蜂角鷹は37度で、トリスやクリアブラック辺りと同じ安い価格帯にぶつけてきた商品で、要するに大した事のない酒、という事になる。そして、この『麗の雫』も37度。これはもう飲むまでもない、のである。つまり、この商品の強気の価格設定はラベルに対する付加価値であると言えよう。だから、開けないで飾っておくのが正しい。

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『蜂角鷹』(はちくま)。こちらは飲んでみたが、大体トリスっぽい(笑)。

因みに『麗の雫』の価格をネットで調べてみると、1,400円近い値段で売られていて、これは一般的な37度のウイスキーの倍近い。写真のライセンス料に幾らくらい掛かっているか、な〜んて考えるのは野暮というものだが、まあ、それも含めての価格という事なんだろう。それにしても、どの世界にもアイデアマンというやつがいるもんだ。
「すこし愛して、ながーく愛して」はサントリー・レッドのCMだったが、それは誰の頭からも永遠に消えないコピーなんだろう。可愛らしい女優さんだった。

2018-04-18

シリア・ポールの『夢で逢えたら VOX』にやっと逢えた。

生粋のナイアガラーである。と言いたいところだが、違う。んじゃあ、やっぱり『ロンバケ』から入ったクチ? と訊かれて、もちろん!と言いたいところだが、それも違う。自分でもはっきりとしないのだが、徐々にナイアガラの深淵に足を踏み入れて行ったというのが本当のところかもしれない。ナイアガラ関連のレコードやCDは、一部を除けば基本的に全てレアアイテムで、永らく廃盤であったアルバムがリイシューされたとしても、オリジナルと全く同じものが再発されることはまずないのである。実は、そういった希少性こそがナイアガラーの本質であったりもする。
シリア・ポールは自分にとっては、ちょっと年上のお姉さんどころか、そうとう年上の女性であるのだが、彼女が初代パンチガールニッポン放送のラジオ番組「ザ・パンチパンチパンチ」のパーソナリティで、"モコ・ビーバーオリーブ"のうちのオリーブシリア・ポール)であった事など、当時小学生であった自分にとっては全く知る由もなかった。ただ、自分がリアルタイムで体験したパンチガールパーソナリティのひとりが松田聖子であった事は、何か運命的なものを感じずにはいられない。
街中から「君は天然色」が流れていた頃の、土曜の昼下がり。この当時、お茶の水辺りの中古レコード屋と楽器屋を延々と渡り歩き、へとへとになって辿り着いたドーナッツ屋から流れる「ダイヤトーン・ポップス・ベスト10」を聴きながらお茶をするのが定番になっていた。この番組は彼女がパーソナリティを務めていたのだ。しかし、この時は自分の中で彼女とナイアガラは全く結び付いておらず、アルバム『夢で逢えたら』という作品すら知らずにいた。ただ、「夢で逢えたら」という曲の知識なんぞは全くなかったのにも関わらず、頭の中で流れるのは、オリジナルであるはずの吉田美奈子吉田保実妹)のバージョンではなく、必ずシリア・ポールのバージョンだったのは、一体どういうわけだったんだろう…?

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さて本題。遂に発売になったシリア・ポールの『夢で逢えたら VOX』であるが、内容はアナログLPが2枚、EPが2枚。CDが4枚と、ブックレットが付属する。
このうち、4枚のCD音源は以下の通りで、全て最新リマスターである。

DISC-1 1977 Original Album + Single (CBS SONY, Sound City & Freedom MIX)
DISC-2 ONKIO HAUS MIX
DISC-3 1986 Tamotsu Yoshida Re-MIX
DISC-4 Rarities (Live + Karaoke + Out Takes + CM)

ここでは、個々の音源や楽曲に対する詳しい解説はオミットするが、内容だけをざっと紹介してみる。

DISC-1はオリジナルのLPと同じもの。

DISC-2はオリジナルマスターが完成する前、ONKIO HAUSでミックスされたもの。大滝はこのミックスが気に入らず(音が重すぎるという理由)お蔵入りとなったもので、完全未発表である。

DISC-3は1987年ナイアガラ関連のアルバムがリイシューされた際に、吉田保によってリミックスされたバージョンだ。

DISC-4は1977年6月20日に渋谷公会堂で行われた「The First Niagara Tour」のライブ音源と、その他レア音源集である。

このうち、自分が最も聴きたかったのはDISC-3の87年発売の吉田保によるリミックス盤だ。というのも、この音源はレンタル店で借りたものをカセットにコピーしてよく聴いていたからだ。だが、カセットがダメになり、永らく聴けずにいたからである。その後、97年にリイシューされたCD(DISC-1と同じ音源)を聴いても何かピンと来なかったのは、やはりこの盤が自分の耳に一番馴染んでいたからだろう。この吉田保リミックスは、オリジナルに比べエコー深めで、当時の大滝=ウォール・オブ・サウンドというイメージを意識したものかもしれないが、大滝が一部作品において、ボーカルを極端に埋没させるような手法を取ったのに対し、もうちょっと、一般的に許容される範囲でミックスした感がある。大滝曰く、せっかくリイシュ−するのだからCDっぽい音にしたかった、のだそうだが、基本的にはリイシューのリストに絶対に載らないバージョンでもある(VOX等の企画盤を除く)。ただし、大滝吉田保に対しては絶対の信頼を寄せていたのもまた事実である。とりあえず、この盤が聴けて、長年の留飲が下がった思いだ。

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しかしこのボックス、いろいろと不満な点もある。例えば価格設定だが、何故か強気の2万円(税抜き)。にも拘わらず、LPのジャケットが貧弱だったり帯が再現されていなかったりする。ブックレットも内容的には良いが、作りは薄っぺらい中綴じ。やはり、ここはハードカバー堅牢装丁にしてほしかったところ。音源に対してはほぼ満足だが、3,000円(税抜き)の通常盤でこのボックスのDISC-1,2の本編+DISC-4のライブ全曲が聴けてしまうのもなんだかなあと思う。残りのDISC-3と各ボーナス曲、アナログ盤、そしてブックレットと化粧箱で計1万7千円と考えると、む〜ん、と唸ってしまう。まあ、アナログLPも重量盤なので値が張るのは確かだが、ここまでの価格差が出るとは思えない。コレクターズ・アイテムなんで、どうしても重箱の隅を突きたくなってしまうが、やはり2万という価格ならば、それなりのものを期待してしまうのは、至極あたりまえのことだと思うのだ。

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最後になるが、このアルバムとぜひ併せて聴いてもらいたいのが、前述のモコ・ビーバーオリーブの『わすれたいのに』である。内容はアメリカン・ガールズ・ポップスのカバーがメインで、これを聴けば、大滝がなぜ彼女をナイアガラ女性歌手として選んだのかがよく判る。

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因みに、近日、ユニバーサルから1枚千円という廉価でリイシューされるが(UPCY-9745 )、こちら(CDSOL-1760)はコロムビアから発売されたシングルを含む+7となっているので、注意が必要だ。

2018-03-10

YesのSACD『サード・アルバム』を聴く

以前『海洋地形学の物語』のSACDの記事を書いたんだが、そのSACDの希少性(要するに限定盤)に危機感を覚え、結局『こわれもの』『危機』『リレイヤー』も購入したんだが、音質的にはイマイチの感があった。まあ、いくらSACDが超高音質だからといっても、リマスタリングが上手くなかったり、そもそも、マスターテープの状態が悪かったり、録音状態が悪かったりすれば、当たり前だが、それ以上の音にはならないのだ。以前にもちょっと書いたと思うが、例えば『危機』の場合なら、冒頭のボコボコというノイズや音像が左右にぶれる現象なんかは2001年リマスターにも存在するが、2003年リマスター(RHINO)には存在しない。マルチマザーに遡って手を入れていないのであれば、マスターテープに違いがあると考えられる。70年代頃は、レコードが全世界一斉に発売されることはなく、オリジナルのマスターをコピーしたものが各国のレコード会社に送られ、独自にカッティングが施されたりしていたので、こういった音の違いはよくあった。高音質を謳うレコードには、原盤を輸入したり、直接マスターテープを借り受けたりして製作されたものもあった。また、カッティングの技量によっても音質は大きく左右されたのが現実で、溝同士が接近しすぎて針飛びを起こしたり、レベルがオーバーしてノイズが発生したり、逆にレベルが極端に小さかったり、そういうのは各国ごとに、あったり無かったりした。したがって、CD化の際に一番重要なのは、そのマスターテープの出処であったり、状態であったりするわけで、「オリジナルマスターをついに発見!」なんてのがリイシューの際の一番のウリになるわけだ。

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さて本題。このイエスの『サード・アルバム』は『海洋地形学の物語』と同じく、知ってはいるが持ってないシリーズの1枚である。ただ、このアルバム、知ってはいる、のは曲だけで、オリジナルを聴いたことが無かった。なぜ曲だけなら知っているのかというと、これらの曲は2曲を除いて、全てライブアルバムの『イエスソングス』に収録されていたからで、こっちはアルバム(LP)を所有していたため、耳タコだった。しかし、再現性の高さに定評があった彼らの演奏も、やはりライブとなれば大なり小なり違いはあって、もちろん、アドリブなんかも入れてくるわけだ。だが、ここでの一番重要な点は、メンバーに違いがあるという事だろう。まず、『サード・アルバム』ではドラマーがビル・ブラッフォードだが、『イエスソングス』ではアラン・ホワイトだ(一部ブラッフォードの演奏も収録)。そして、キーボードは前者がトニー・ケイ、後者がリック・ウェイクマンとなる。特にこのキーボードの交代劇は重要で、言うまでもなく、リックの存在無くしてイエスサウンドは語れないくらい、彼はイエスにとって特別大きな存在だった。定説では、トニーはハモンドの音に固執しており、また、右手でしか弾けなかった(左はコードだけという意味か?)ため、クビにしたらしい。イエスの大看板であるキーボードサウンドはやはりリックと共にもたらされたものだった。実際にこのアルバムのキーボードはお世辞にも上手いとは言えないし、シンセの音はもちろん入っていないので、例えば「スターシップ・トゥルーパー」なんか、あの特有の煌びやかな派手さが全くない。キーボードハモンドと生ピアノでが主体で、ほぼ全てでバッキングに回っているのだ。実は、このアルバムで初めてスティーブ・ハウが加入し、一般的にはこのアルバムからイエスプログレバンドになったと言われている(以前はサイケとかアートロック)。だからこのアルバムのオリジナル・タイトルが『The Yes Album』というのも十分うなずける。

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見開きジャケットなんだが、何故かセンターに超特大のトニー・ケイがレイアウト。意味がよく判らんなあw

イエスファンでもこのアルバムを所有している人は少なそうだが、言うまでもなく名曲揃いである。ただし、ド派手なキーボードやアレンジを期待すると肩透かしを食らう。ここではあくまでもバッキング主体のおとなしいそれがあるだけだ。まあ、苦行とまではいわないが、それもまた、趣があってよろしい、と思えるのはファンだけなのかもしれない。

2017-12-08

ウイスキーに合うアルバム No.14 - ジュリアン・レノン 『フォトグラフ・スマイル』(1998)

インプット-アウトプットという言葉がある。優れたものを生み出すためには、優れたものを吸収する必要があるとう意味なんだが、僕等バンドマンは、プロ、アマに限らず、優れた音楽、或いはそれに付随するアート等の様々な事象咀嚼・吸収して、新しい何かを生み出している。自分の場合、ビートルズの血を直接輸血されたようなものなんだが、だからといって、必ずしも同じような何かを生み出せるとは限らない。そこには、途切れる事のない情熱と、ある程度のポテンシャルが必要だからだ。さて、世の中には、このポテンシャル=本物の血を受け継いだ人間が少なからずいるわけだが、逆に、そのポテンシャルを十分生かしきれない場合も多々ある。
ジョン・レノンは、その死後(特にヨーコのせいで)殉教者みたいな扱いになってしまったけれど、個人的には稀代のロッカーという認識でしかない。そりゃ、言うまでもなく天才だけどさ、あくまでも、ロックンローラーとして位置付けたいのだ。だから、あんまり血の事は言いたくはないんだけれど、ただ、冒頭でどうしても書いておきたかったのは、このアルバムを聴いた瞬間、どうしても血を意識せずにはいられないほどの衝撃を受けたという事なんだ。

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ジュリアン・レノン『フォトグラフ・スマイル』"PHOTOGRAPH SMILE"(1998)。鉛色の暗雲が立ち込める泣き出しそうな空と、襟元を伝って入り込んでくる北風に思わず首をすくめ、それでも前に向かって歩いていく、そんなアルバムだ。けれども、何か心が休まるのは、そこにジョンの影を感じるからで、もちろん、ジュリアン・レノンというアーティストにとっては不幸なの事なのかもしれないけど、それは、本人が、ジョンの子として生まれた時からずっと背負い、葛藤してきた事で、それに対し、真正面から向き合った時に生まれたのがこのアルバムなんだと思う。

このアルバムはアイラのモルト辺りを甞めながら聴くのが最高だと思う。
01.「Day After Day」。1曲目から、ジョンに生き写しの歌声に思わず涙腺が緩む。そして、全編に亘るビートルズ的(ジョージ・マーティン的)なアレンジに頭がクラクラする。

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05.「I Don't Wanna Know」は初期ビートルズを髣髴とさせる曲で、世間的にジョンの息子としてしか評価されない彼の屈折したひとつの回答なのかもしれない。あぁ、そうだよ、こんなの朝飯前さと言っている様だ。このPVパロディ、というよりもそれ以上に脱線していてるが、なんとなく、単なるアイロニーや悪ふざけとして片付ける事が出来ない。

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11.「And She Cries」。彼はデミニッシュ系のコードをよく使うんだけど、それが、何やらジョージの曲っぽく聴こえてしまう。もちろん、ジョージの様に声域の狭さをカバーするためってものじゃなく、なんとなく手癖ってかんじではあるんだけど、そこに極上のコーラスやら、スライドギターやらがかぶさって来ると、ジョージになっちゃう。彼がその辺りも十分吸収しているのかは判らないけど、少なくとも音楽を生業として選んだのだから、その可能性はあるだろう。

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このアルバムの日本盤にはボーナストラックが2曲追加されていて、そのうちの1曲が 15.「Don't Let Me Down」 だ。タイトルはそのものズバリの真っ向勝負だけど、曲調はスローバラードで、そして、打ちのめされそうになる。

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そして、もう1曲がラストとなる、16.「I Need You」。ちょっとジョージの「Something」の様ではあるが、救われる。動画が見つからなかったので、今回紹介した4曲が気になった方は是非アルバムを手に入れてほしい。

彼が実際にジョンに会ったのは、人生で数回だったらしいが、その時でさえ、ジョンは畏れの対象であったという。彼は最後まで父の愛情を受ける事はなかったのだ。その父と同じ道を選んだ理由は判らないが、その資質を決して上手くコントロールして来たとは思えない。それは、偉大なる父を持った子の宿命の様なものかもしれない。なにしろ、このアルバムを聴くにしたって、ジョンの顔が思い浮かばないというわけには行かないのだから。

そうして、僕は、37年前に凶弾に斃れたあの日の、新聞の見出しを思い浮かべる。世界が震えたのだ、心の底から。

2017-10-28

人は歯を食いしばって生きてはならない…らしいっすよ

人には、なくて七癖なんて言葉があるくらい、自覚している、していないに関わらず、いろんな癖を持っているもんだ。まあ、人に迷惑をかけるようなものでなけりゃ、あんまり気にしなくてもいいんだが、そうとも言えないような癖も実際にはあって、まさか、そういうものが自分を苦しめるとは思わなかったなあ…。

話は半年くらい前に遡る。ある日、歯を磨こうとコップの水を口に含んだ時、右上の奥歯がなんとなく沁みた…。まあ、その時はそれほど気にしなかったんだが、数週間か経つうちに冷たい水だけじゃなく、熱いお茶なんかも沁みるようになってきた。でもまだ「あれ、これって"知覚過敏"ってやつかな?まっいいいか」くらいの認識…この時はね。しかし、である。そのうち、ちょっと堅い、そう、煎餅くらいの食べ物に難儀するようになってきた。冷たい熱いはまだしも、堅いものにも難儀するようになると、日常的にも気になってしかたがない。しかし、これはまだ序の口。そのうちに、とんかつくらいの堅さの肉にも(文字通り)閉口するようになる。こうなると、もう、ご飯が全然おいしくない! さすがに歯医者に行かねば…なんて考えてもまだ行かないのが人の常というもの。ところが、症状はさらに悪化して、もう、普段、何も口にしていない状態でもかなり痛い、のである。こうなると、知覚過敏どころか、かなり重症の虫歯かなんかを疑うようになる。ところが、デンタルミラーと手鏡を駆使して、顎が外れるんじゃないかってくらい頑張って探ってみても、虫歯らしきものは見当たらない。そうこうしてるうちに、今度はその痛みが伝染するかの如く広がって、前歯の裏や左上の奥歯まで痛み出して、最終的にはもう上の歯全部が痛い。こうなってからようやく、泣き付く位の勢いで歯医者に駆け込んで、先生、何とかして下さい!となる。

さて、診察台の上で馬鹿みたいに、いや、カバみたいに口をポカーンと空けていると、先生が開口一番こう言ったのだ。虫歯じゃないねえ、と。そうなんです、自分でもよく見たんですけど、虫歯じゃないんです。ひょっとして、歯の根っこが腐って神経がやられてるとか、菌が繁殖して脳に入り込んで悪さをしてるとか、そういうんじゃないんですか!と叫ぼうと思った瞬間に先生はこう言った。曰く、ひょっとして、歯をくいしばって生活してませんか?と。先生、そりゃ、オレだっていい歳なんだから、人生、歯を食いしばって、一生懸命生きてますよ! と言うと、先生は半笑いで、ちがうちがう、そうじゃない…といい、詳しい説明を始めたのだった。

ここからが本題ね。まず、人は口を閉じた時は、舌の先が上の前歯の付け根に軽く接しているのだそうだ。この状態の時、上の歯と下の歯は、ギリギリで接していないのだ。もしも、舌が下の歯の前歯に接しているのなら、高確率で上下全ての歯が接しているのだそうだ。普通、というか、正しい状態というのは常に上下の歯は接しておらず、一日のうち、接しているのはわずか20〜30分程度(食事も含む)なのだそうだ。上下が常に接している場合、歯の表面のエナメル質が削れ、更には歯そのものにかなりの負荷がかかるため、歯全体、そして、歯の根、歯茎と、全てに対して悪影響を与えるのだそうだ。この症状を「くいしばり」といって、大抵の人は気付かないうちに、日常的にかなりの負荷をかけていて、これが知覚過敏の原因となっているのだそうだ。思い当たる節はありませんか、と問われてふと気づく。顔を洗う時、タオルを絞る時、歯を磨く時、チャリンコこぐ時、掃除する時、わんこにボールを投げる時、…etc,etc、もう、かなりの頻度で歯をくいしばっているのだ。先生はカルテを見ると、自分が毎年1〜2回必ず義歯や詰め物を壊してここに訪れている事を指摘。これはくいしばりの典型的な症状で、負荷によってこれらを破壊してしまうのだ。このまま症状が進めば、歯周病を併発したり、歯そのものが割れてしまう事もあるのだとか。恐ろしい事に、既に自分には歯周病の兆候が見られたのだ。更に、知覚過敏の主な原因として、日常的にスポーツドリンクを摂る事が挙げられる。これは、近年の熱中症対策のため、水分をこまめに補給するという予防策が徹底的に周知されたことが、逆に仇となったらしいのだ。つまり、口の中が糖分や酸味料により常に酸性化してしまい、これによってエナメル質が溶けるのだそうだ。また、ビタミンCのタブレットの様な強酸性のものを日常的に摂取していると、簡単に歯が溶けてしまうそうで、かなり危険らしい。また、耳の痛い話だが、長時間による飲酒も危険なのだとか。

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この日行った治療は、歯石を取っただけ。後は、常に舌の先を上の前歯の付け根に触れるようにして日常を過ごす事。そして、シュミテクトの試供品を1本渡されて、これで毎日磨いてくださいとのこと。あ、ここの先生、シュミテクトのCMに出てたんだよね。得したわw

さて、それから2週間、痛みは殆どなくなり、沁みる、という事は100%なくなった。そして、思わず歯をくいしばりそうになると、舌の先を上の前歯の付け根にくっつけている自分がいるのだ。ただね、この前、ライブハウスのセッションに参加してさ、録画したビデオを後で見たら、完全にくいしばってドラム叩いてましたww 本当の原因はこれだったのね、という歯無し…いや、話でした。

2017-10-04

ビートルズ『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』の50周年記念盤を聴く(その2)

ビートルズサージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』の50周年記念盤。購入した"スーパー・デラックス・ボックス・セット"では、2CD版のDisc-2「コンプリート・アーリー・テイク」が、2枚(Disc-2〜3)に拡充されている。

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[Disc-2 コンプリート・アーリー・テイク]
2CD版ではSgtの収録順+「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー」「ペニー・レイン」という順番だが、このボックス・セットでは、録音された順(時系列)での収録で、まだSgtのコンセプトが発案される以前に録音された「ストロベリー〜」からのスタートとなる。

3.ストロベリー・フィールズ・フォーエバー(Take-7)
完成版の前半部分に相当するテイクの全編。今回のストロベリー関連は、海賊盤で散々出回ったもので、もう出尽くした感がある。

4.ストロベリー・フィールズ・フォーエバー(Take-26)
完成版の後半部分に相当するテイクの全編。このテイクはジョンのボーカル入りだが、リダクションされた為、管弦楽器の音量と鮮度が大幅に落ちている。確かにエキセントリックなジョンのボーカルは魅力的だが、リダクション前(Take-25)の管弦楽器+逆行展開のシンバル+リンゴのヘヴィー極まりないドラムのみで構成された圧倒的な存在感には叶わない。

5.ストロベリー・フィールズ・フォーエバー(ステレオ・ミックス 2015)
『1+』のプロモ・クリップからのCD化だが、これの一体どこがアーリー・テイクなんだ??こんなもん要らないから、それなら代わりにTake-25を収録しろよ、と言いたい。要するに、最終形を提示したかったって事なんだろうけど、誰も2015年のミックスを(特にこのディスクで)聴きたいなんて思わない。こういった独りよがり選択が、物事をつまらなくしていると思うのだが。

13.ア・デイ・イン・ザ・ライフ(ハムド・ラスト・コード Take-8.9.10.&11)
完成版のコーダ部分はピアノコードだが、それが採用される前の案が、このハミング版だった。ビートルズバイブルとも言える書籍、「レコーディング・セッション」によれば、1965年2月10日、オーケストラのレコーディングが終わった後、友人達(少なくとも女性ひとりを含む)とでレコーディングされたという記述がある。その中には、ミック・ジャガーキース・リチャーズ、女性はパティやマリアンヌ・フェイスフル等の名前が見受けられるが、残念ながら誰が参加したのかの記述はない。

18.グッドモーニンググッドモーニング(Take-8)
ビートルズのデビュー以降に製作されたレコード(特にアルバム)は、それ以前の、ライブ演奏の再現を前提として作られたそれと違って、アルバム自体がひとつの完成された作品として認識されるようになった。そして、レコーディング技術の発達とともに、ライブでの演奏が難しい曲が多くなっていったのも、また事実であった。ただ、楽曲は必ずライブでの再現が可能でなくてはならない、という足枷が外れ、それ以外の音楽的な可能性が一気に解放されたともいえる。ビートルズで言えば、『リボルバー』辺りから演奏不可能な曲が増えて行ったのだが、それは、ビートルズの曲は、演奏不可能な部分も重要な構成要素であるということを意味していた。だから、もしも、こういったアンソロジー的な作品集を作るのであれば、演奏以外の音(SE等)を取り上げないのは、いかにも不十分で、聴く者は納得がいかない、のである。
さて、この曲はそんなSEが幅を利かしている代表曲であり、かつ、生演奏の醍醐味も楽しめるといったお得な一曲といえるだろう。だからこそ、この演奏部分だけでなく、SE部分もきっちりと収録してほしかった。もちろん、この手のブート盤は広く出回っており、しかもそれがまた超高音質だったりするのだが。

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[Disc-3 コンプリート・アーリー・テイク]
10.ウィズイン・ユー、ウィズアウト・ユー(Take-1)、11.(ジョージ・コーチング・ザ・ミュージシャンズ)
インド音楽については正直詳しくはないので、録音装置が生まれる前まで、インド音楽がどのように継承されていたのかは知らない。当然ながら、西洋音楽楽典を当て嵌めてその音楽を語ったりすることは多分難しいだろう。それは、日本の雅楽や、或いは三味線や琴と同じように、楽譜で表記できない表現技法が多すぎるからだ。例えば、日本でいうところの"ちんとんしゃん"みたいな教え方が、インド楽器にもあるのかはわからないが、ジョージのインド楽器奏者に教えるときの"ダマタ〜ニ、ニガ〜ガ"な〜んて摩訶不思議な言葉を聞けるだけでも、ファンとしては悶絶ものなのである。

12.シーズ・リーヴィング・ホーム(Take-1) 13.(Take-6)
ポールが都合の付かないジョージ・マーティンに無断で、勝手にマイク・リーンダーにスコアを依頼してしまったという、いわく付きの曲である。ここでは、マーティンがどうしても気に入らなかったチェロの一節を削除する前のインストを聴くことが出来る。何千何万回と聴いてきた曲の、聴きなれないこの一節が、頭に不意打ちを喰らわす。そもそもアウトテイクに嵌るってのは、そういう不意打ちの虜になるという事であり、それは、何千何万回と聴いていないと訪れない一瞬なのだろう。

14.ウィズ・ア・リトル・ヘルプ・フロム・マイ・フレンズ(Take-2)
初めて買ったビートルズのブート盤は映画『レット・イット・ビー』関連で、恐らく、アビーロード・スタジオ方面ではなく、映画関係の方面から出回ったと思われるもので、所々に映画の信号が入っていてかなり劣悪な音質だったと記憶している。ただ、聴いたことのない音源に大いに胸ときめかせたのはたしかなんだが、そのへっぽこな演奏ぶりにずいぶんと落胆した記憶もある。もしかして、ビートルズって下手なんじゃないの?と。もちろん、曲完成前のリハ音源だし、まあ、バンドで曲を固めていく作業ってのは、大体あんなものなんだが、中学生の耳にはちょいと理解できなかった。要するに、完成前から完璧なはずと思い込んでいたわけだ。このテイクもかなりへっぽこなんだが、その一番の理由は、特徴的なあのポールのベースが入っていないから。自分はこの曲を聴くときは、リンゴのメインのメロディーとジョージ等のコーラス、そしてポールのベースラインが完璧に頭の中で3次元構造となって記憶されており、それをなぞりながら楽しんでいるのだ。バンドや多重録音の経験がない人にとっては、優れた楽曲も、こうやって骨となる部分から作られていくんだという判り易い見本となるテイクだろう。

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[Disc-4 モノ・アルバム&ボーナス・トラック]
ここでは、モノとステレオ・ミックスの違いは解説しないが、モノ・アルバムは09リマスターとは違うものが使われている様だ。また、インナー・グルーヴ(一番最後のテープの切り張りで作られたSE)はリピートせずに1回で終わる仕様だ。
ボートラは各種モノ・ミックスが収録され、これらは初出となるものが多い。19.ペニー・レインはキャピトルのプロモ盤モノ・ミックスだが、最後にトランペットリフレインされている。昔、『レアリティーズ』というレコードステレオ版が収録されて話題になったが、実はその時は単にリフレイン部分を切り張りしただけのまがい物だったらしい。こちらは多分本物だろう。

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[Disc-5、6 ブルーレイDVD]

こちらは、映像作品と、高音質ファイルによるアルバム(Disc-1)全曲となっている。映像作品はリストアされた『Sgt』のメイキングと『1+』に収録された「ア・デイ〜」「ストロベリー〜」「ペニー・レイン」の4kリストア版だ。画質は、DVDブルーレイの足元にも及ばないのは言うまでもない。音声ファイルの方はDVD盤が…

DTS 5.1
Dolby Didital 5.1
LPCM Stereoで、

ブルーレイ盤は…

DTS HD Master Audio 5.1
Dolby True HD 5.1
High Resolution audio in 96KHz/24bit LPCM Stereo

で収録されている。

以上、この項完。