闘茶(闘茶〜tea fight〜)

《闘茶》香川照之戸田恵梨香、周渝民(ヴィック・チョウ)、張鈞甯(チャン・チュンニン)、曾志偉(エリック・ツァン)、金士傑(ジン・シージェ)、細田よしひこほんこん 
王也文(ワン・イェミン):監督 英語字幕


美希子(戸田恵梨香)の家は京都の老舗お茶屋。父の圭(香川照之)は店を閉めてしまって、飲んだくれている駄目オヤジ。「黒金茶の呪い」だと言って、お茶に関わってはいけないと娘に言い続けている。美希子は父に内緒でお茶を習い、「黒金茶の呪い」を探りに台湾に留学しようと考えていた・・・。


始まりは少しだけ先を期待させるが、だんだんとまつまらなくなる。なんだか漫画のような物語に映像はただただ物語を追っていくだけ。画面も美しくないし、CGもいただけない。最初のアニメーションのところが一番面白かったりして(アレ?)。主役の戸田恵梨香も周渝民もいまひとつで、結局、香川照之の物語になっている。「台湾と日本で何か映画は出来ないか?若手を使って」でも若手だけでは弱い、では演技派を。日本から香川照之、台湾から金士傑(ただし日本語を話す部分は吹き替え)というところか。曾志偉はあまり活躍しないので、彼である必要も感じられないが。


父親をなんとかしたいという娘の心は分からないではないが(それでもかなり無理がある)、大学生にもなる娘が父親がかっこいいといって抱きついたりするだろうか。そんなところもいただけない。


つくづくこういう合作映画は難しいと思う。これまでもさまざまな合作映画が撮られている。少し前なら常盤貴子×張國榮レスリー・チャン)《星月童話(もういちど逢いたくて/星月童話)》(1999)、少し近いところでは渡部篤郎×徐静蕾(シュー・ジンレイ)《最後の恋、初めての恋》(2003)、《恋愛地図(アバウト・ラブ関於愛)》(2004)、宮崎あおい×イ・ジュンギ初雪の恋 ヴァージン・スノー》(2006)。合作の仕方はそれぞれ異なると思うが、どれも映画の出来はいまいち。この中で唯一面白いと思ったのは《恋愛地図》の加瀬亮と茫曉萱(メイビス・ファン)のパートぐらい。


映画は作り事でいいのだが、その作り事の嘘の世界観を信じさせてくれさえすればいい。嘘の物語をリアリティを持って提示してくれれば自然と物語に入っていけるし、演技の仕方も言語も異なる出演者が必然を持って画面に登場してくることになる。そこが一番難しいところなのだろうけど。
2008.8.15@The Grand Cinema(夏日國際電影節)


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