シネサルの「映画のブログ」

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 『乳母車』 ★★★

1956年、日本(日活)、モノクロ、1:1.33、110分、日本語
【監督】田坂具隆【原作】石坂洋次郎
【出演】芦川いづみ石原裕次郎新珠三千代宇野重吉、山根寿子、中原早苗、他
2013/11/16(土)鑑賞、NHK-BSプレミアム放映
<ストーリー>
 鎌倉に住む会社の常務の次郎(宇野)の娘ゆみ子(芦川)は、都内の九品仏に父の愛人のとも子(新珠)を住まわせている家があり、母のたま子(山根)もそれを知らないふりをしている方が有利だと考えていることを知った。
 ゆみ子が内緒でとも子の家を訪ね、彼女とその弟宗男(石原)と話して好意を抱いたが、宗男が散歩に連れて行った父ととも子の間に出来た女の子の乳母車を、宗男が昼寝している間に家に戻したので、宗男との仲が一時険悪になった。
 子供の存在を知らなかったたま子は、裕福な人妻の座を捨てて家を出てバーを経営すると決め、それを知ったとも子も次郎と別れて、自力で働きながら子供を育てることにした。
 子供のことを心配したゆみ子と宗男は、3人を集めて解決策を話し合ったが、子供を犠牲にしないことでは合意したが、それぞれの生き方をしていくことになった。
 ゆみ子と宗男が両親に成りすまして子供を健康優良児コンテストに参加させて商品の乳母車をもらい、電話で知らせを受けた3人も祝福した。
<感想>
 1960年代頃までは、女の幸せはいい旦那の奥さんになることだけみたいな映画が通用していた日本において、1956年に女の自立までも描いている本作は、時代の一歩先どころか二歩先ぐらい先をいっていたと言えるだろう。
 各自が真剣に自分や他者のことを考えるストーリーで、浮ついた感じがないのが良い。