日本の技術経営に異議あり
伊丹先生率いる技術経営を考える学生が書いたもの.
私が通っていた頃はソフトを書いてる人には
お目にかかれなかったが.
この本↓の3章には,ソフトウエア絡みのネタがある.
- 作者: 伊丹敬之,東京理科大学MOT研究会
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2009/11/03
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- クリック: 44回
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「第3章:設計思想をアウトソーシングするな」
かなり興味深く読ませてもらった.
著者の名前とProfileを確認してしまった..ははは..
どんな仕事して,どんな思想なのかって結構大切だと思っている.
管理してるだけのPM,コンサルタント.って
「まー言うてることはキレイなんだけど,ちょっと違う.っていうか納得しかねるよ.
お金の音が聞こえてるよ〜みたいな.」
ナニカ作ったことある人は,プレゼンはうまくなくても
うまく言葉に成らないけど,時々見え隠れする思想に,
納得できる/共感できるものがながれてるんだよーと思う.
ま,そんな訳で,ハタと思い立った.ウチにもいるじゃないか作ってるのが...
で,この本を読んだ夫に質問.
「オフショアってどうよ?あなたならやる?」と.
で,面白い意見が聞けた.
「普通は1回目で失敗してる.そもそも成功しない人のが多い.高尚な悩みじゃないか」と.
高尚な悩みとは,
「そのプロジェクト1発だけなら安上がりかもしれないけど,長期的には技術の蓄積がされないのでNG.
でも,そこまで考えが及んでいる人は,少ない.1回目で失敗してる.」
ということ.
オフショアするか?って質問には
「僕がやるなら.技術を手に入れる為にならやる.例えばインドでしかできないものがあるとかならだす.
自分とこでできるなら,自分の所でやるよ」という.
「オフショアって安くあげるためにするよね?その点についてはどう?」
「結果的に安くあがるならいいけど,意外に安くあがらない.」
そして,
ここ↓に,戻ってくる.
「Prj1発だけなら安上がりかもしれないけど,長期的にはNG.」
とまあ,こんな感じだ.
ちょっと,1歩引いた視点がなかなか興味深い.
私なら,
「金払ってアウトソーシング先を教育するなんて,そもそもやりたくネー!」
と,速攻拒否なんだが,
やってみてもいいっていうスタンスにたてるところが面白い.
仕事出す方が,金をちょーっとばかしケチったつもりが
最終的には安くあがらないっていうのは,
みんな経験してるところだろう.
コンサルと一緒にアウトソースも受け付けるところは多いが
どっちかっていうと
スゴいのが1人か2人であとは,ほとんど新人同然.
この新人がやるんだから,決まった期日に希望の物がでてくるなんて
そんなうまい話あるわけないよね.
日本人で一緒にプロジェクトルームにいたって
うまく行かないことの方が多いのにさーーっ.
ま,そんなわけで,ここに交渉術が重要になってくる.
しかし,上品に育った日本人はこういう交渉には非常に弱い.
結局負けちゃう.
そんなわけで,当初の要求通りのものに仕上げてもらうために余分に金を払うか,
結局自分たちでやってしまうか.
延々交渉してる間に,もう僕が作っちゃうよと思うんだそうだ.<-これは社内のアウトソース経験者に聞いた意見.
#確かにそーだ
アウトソース先に出す金で,
これだけの期間でこれだけのものを作って欲しい
と社内で募集した方が面白いんじゃないかと
思うんだけどね.
そもそも,オフショアが成功しないのはなぜか?
ソフト開発の細部を知らないエラい人達が,
別のナニカに取り憑かれてやりたがってるだけじゃね? <-毒吐き気味で.
とか,私は思ってしまうのだが.
さて,どうだろう.
- 作者: 伊丹敬之,東京理科大学MOT研究会
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社内に技術の蓄積といえば,これ↓かな.
- 作者: 常盤文克
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2004/03/12
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