法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『アニメじゃん!』

アニメ番組を見ていた少女の前に、アニメヒロインが飛び出してくる。ヒロインにふりまわされ、主人公や別番組のアニメヒーローは現実に飛び出た敵と戦う羽目になるが……


NHK教育の子供向けバラエティ番組『天才てれびくんMAX』の子供声優オーディション企画「こえたまごっ!」の最終回で放映された短編アニメ。監督は入江泰浩で、『鋼の錬金術師』を監督したとのアオリあり*1。番組中では絵コンテも一部紹介された*2。制作会社は天てれアニメ『ヒゲぴよ』と同じキネマシトラス
さほど作画枚数は多くないが、ていねいな日常芝居からアクションまで見せ場が多い。ヒロインが登場シーンで尻を突き出す格好だったり表情がくるくる変わったり、ヒーローはアメコミタッチな影がつく場面が多くて違うアニメのキャラクターということが強調されていたり、主人公は微妙にダサい格好だったり、それぞれのキャラクター性も映像としてわかりやすい。
アニメを演じるということを作中に取り込んだオチでショートショートとしても楽しめた。メタオチの伏線として、作中のテレビ番組で実写が用いられている描写も面白い。
子供達の演技も、中学生ばかりだったが大きな問題は感じなかった。番組で指導されている姿を見て、視聴側としても思い入れが生まれ、声優の苦労をおもんばかっているためもあるだろうが、少なくとも棒読みではない。


演技指導やアフレコの風景は、やはり体育会系な雰囲気がある。ただし、さすがに手を出すような場面はないし、要求する水準も対処の方法論もはっきり示されるので、見ていて嫌悪感はない。
実感ある声の演技を行うために全身で演技させてそれを記憶させるあたりは知識としてあったが、力をこめた演技をするため手を押しあわせて腹に力が入る状態で声を出させるという手法には目から鱗

*1:しかし番組で使われた映像は水嶋精二監督版。

*2:気づいたのが一足遅く、録画は間に合わなかった。