法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『デジモンクロスウォーズ 悪のデスジェネラルと七つの王国』第37話 弟よ、なぜ?! 敵ジェネラル・ユウの悪夢

今週も高橋晃作画監督スタジオダブが要求するアニメーター作業量はおかしい。両作品を見ている視聴者としては、せっかくキャラクターデザインに抜擢された『スイートプリキュア♪』に専念させてほしいのだが。
原画は基本的にスタジオダブ勢だが、冨田与四一が相当量を担当していたと思われる。特にネネが登場するカットは全般的に艶やかな作画が楽しめた。少し間違うとフリーキーになりかねないほど肉感的なプロポーションも美しい。しばらく表舞台から退場していたリリスモンも色々な意味で大活躍*1えんどうてつやシリーズディレクターがコンテを担当した回だけあって、力が入っていた。


脚本もシリーズ構成の三条陸。ネネが敵に回った弟と再会して真意を知る重要な話を、過去に登場した仲間たちに再び出番を与えつつ、アクションにも見所を用意していた。
特に、過去にキリハが敵に洗脳された場面を思い出し、その経験と比較することで今度の弟は洗脳されておらず、幼児の無邪気さで戦いをゲームととらえていると確信する展開が素晴らしい。ただ敵に人質がいるという構造を超え、物語に葛藤が生まれ、こえるべき障害も高くなる。同時に、今回の結末で早くもネネが精神的に立ち直って、自らの目標を再確認したところも前向きでよかった。
あと、この場所に弟が存在していて、敵側にメリットが感じられなかったことにも、ちゃんと以前の邂逅描写をふまえた理由があって、地味にていねいな作りがいい。

*1:こちらのデフォルメ表情多い丸っこい作画は、たぶん大塚健原画だろう。かつて東映でキャラクターデザインした『金色のガッシュベル!』で明かされた担当カットと絵柄が似ている。twitterを見たが、言及はなし。

『バトルスピリッツ ブレイヴ』第34話 女王陛下の守護者(ガーディアン) 突破せよ、アーケランサー!

物語は、互いに女王を崇拝する忠臣であるがゆえ、真意をたしかめようとバトルを行うオーソドックスな内容。ただそれだけに終わらず、バローネが押しかけてきたことで女王を玉座から退ける口実を奸臣が手に入れるというひねりも入っていて、政治劇として重層的に楽しむこともできた。
カードバトルについては、防御にすぐれたデッキ同士で戦っているため、膠着状態が長い。膠着状態が長いと強いカードを多く登場させる展開にも繋げやすいのだが、残念ながら多彩な新カードが登場することはなかった。敵の強さは充分にアニメ作品として表現されていたとは思うが、どちらが勝つか明らかなので、バトル自体は今一つな感想。

『スイートプリキュア♪』第14話 アワワワ〜!ミューズ対ミューズ、本物はどっちニャ?

稲上晃作画監督。前回の作画監督は『ハートキャッチプリキュア!』だったので絵柄の癖が出ていなかったが、今回は口を真一文字にむすんだ奏の表情で『ふたりはプリキュア』を思い出す。
今回はキャラクターの輪郭を強弱がない太い描線で作画するカットも良い意味で目立っていた。同時に、この作品の序盤に感じたリアリティある映像は薄れてしまってもいることは残念でもあるが。


物語では、サブタイトルで展開を明かしているも同然な偽キュアミューズよりも、キュアミューズを探して校内放送に乱入する主人公が楽しかった。学園物において、校内放送はジャックされるためにある。
海岸の岩場という舞台を活かして、姿が見えたり見えなかったりするアクションは良かったが、キュアミューズの正体探しとしては繋ぎ話かな。セイレーンのことを知っている描写があったので、これが伏線になるかもしれないといった程度。