今回も3D映画『STAND BY ME ドラえもん』の映像と主題歌をつかった特別OP。
本編は原作をほぼ忠実にアニメ化した2本立て。どちらも作画は整っていて安定していたが、もう少し遊びがほしかったかな。後半に未来へ行く直前の動きが良かったくらい。
「石ころぼうし」は原作初期から。姿が見えなくなるのではなく、存在が認識されなくなるという設定の面白さを、きちんと映像化していた。話しかけられても触られても気づかず、しかしバカにされたりしていることは意識できてしまうというビジュアルのシュールさが楽しい*1。
原作初期らしい余韻を断ち切るようなオチもそのまま。やや尺を短めにしたことで、描写を足し引きせずにすんだ。
「のび太のおよめさん」は、未来に行って結婚相手を確認しようとする。2005年のリニューアル直後にもアニメ化されていたが、今回は3D映画の題材に通じるエピソードということで再アニメ化されたのだろう。
前半で尺を節約したかわり、余裕のある語り口でアニメ化。しかし無理にアレンジすることなく、原作では登場しないレギュラーキャラクターの未来図をはしばしに入れつつ、展開は原作から逸脱しない。原作の別エピソード「しずちゃんをとりもどせ」の設定を引用することで、より作品世界を強固にしている。ジャイアンなど、いかにもガキ大将が成長したかのような言動で、ノビスケとのやりとりに違和感なし。
さらに8月7日ののび太誕生日SPをかねて、しずちゃんとの繋がりをアニメオリジナルで入れている。これも未来パートで描いたことを現代パートで再現することで、きちんと原作部分となじみ、物語全体のまとまりもいい。