ピンポンパンポーン♪

立ち見の方もたくさん。
今月も有難く行ってきました。


又吉直樹主催
『実験の夜 Vol.12』

又吉さん登場とともに後ろの画面には大きく「100」の数字が映し出される。
又吉さんが話していると何やら数字が1つずつ減っていくよう。
今回で11回目?と話していると、12回目だとお客さんに訂正される。
本来ならば13回目だけど『太宰ナイト』があったため12回目。


今回のゲストは、しずる村上さん・パンサー向井さんのお2人。
しかし、2人の紹介は何故か
ポニーテールズの文田くん(向井さん)とループタイズの…(村上さん)


後ろの数字が気になる2人に何だと思うか聞いてみると、だいたい分かりますと。
2人の紹介のように、又吉さんがボケたら数字が減っていくよう。
2013年1回目の今回、又吉さんはこの一時間の間に
100個ボケるという相当の覚悟でやってきた模様。
変なところで減ったりしつつ、お客さんも納得の数字の減り方だと、
「おぉ!」と拍手する客席に、またしても村上さんから
又吉さんを甘やかしすぎだと注意を受ける。
「100ってことは、1分1個じゃ60個しかいきませんよ。」と言われ
「でも、僕ひとりじゃないんで、ゆっくりトークしましょう。」と椅子が運びだされる。


トークテーマ
「2013年。またはそれ以外。」


又吉さんは年を重ねるごとに涙もろくなった。
まだそんなに涙もろくないという向井さんが27歳だと聞き、驚く32歳2名。
本人は涙もろいと言ってはいるが、後輩の2人は又吉さんが泣いてるの見たことない。
テレビで感動するVTRを見ていても、泣き虫の相方とは違って、
又吉さんはヨリ目で見ているので、それが伝わっていなしらしい。


そんな又吉さんはこの間、阿佐ヶ谷にライブを観に行ったそう。
50人くらいしか入らないようなライブハウス?で、すごく好きな方が出演するというので
又吉だとバレて雰囲気を壊したくないという思いから
今回は、ニット帽に眼鏡・マスクという完璧な変装で挑んだ。
いつも滝廉太郎眼鏡への信頼感のあまり
それで変装が完璧だと思っている又吉さんを知っている向井さんは
その恰好を聞いて「又吉さんにしてはだいぶしっかり変装してますね」と。
その変装をしつつ、勢い余って前から2列目の席に着席。


そのライブは何組か出演してトップバッターがなかなか濃いキャラクターの方だった。
客席から登場し、お客さんをいじりたおしていき、
「この30分後悔させますよ〜」とどこかで聞いたことあるくまださんばりの言葉を残す。
しかし、くまださんを真似しているわけではなのが分かる人だそう。
段々とその人の面白さがツボにはまってきた又吉さんは
熱をこめた大きく強い拍手を贈る。
唄い始めると『イタイイタリア人』『イランイラン人』みたいな
冗談のような曲名の歌を唄っていたのに
最後『夢』という曲になったら、ガチの青春ソング。
そのふり幅と、あまりの曲の良さに又吉さん思わず号泣してしまった。
あまりの泣きぶりに隣の方に見られるほど。


ライブ終わり、本人たちがCDを売っていたらしく、
もちろん一組目の方のCDを購入しようと、その方のところへ。
定価500円で売っていて「買って頂けるのなら100円でいいです!」
と謙虚に言ってもらったのに、又吉さんは欲しいという気持ちを伝えたかったのか
何故か「1000円でいいです。」と言って怖がらせてしまう。


又吉さんと同い年の村上さんも涙もろい。
superjuniorの中で歌の上手い3人組のライブを武道館に観に行った。
最後にファンの方からのプレゼントが映る映像が流され
それをじっくり見ようと体育座りしているメンバーたち。
その様子を見ていた村上さんは入り込んで「いいファン持ってるなぁ…」
とsuperjunior目線で見てしまい、号泣してしまった。




そんな今年からまたしても驚くべきことを始めたと発表しはじめる又吉さん。
なんと……エレキギター
しかも、ギブソンレスポール
しかし、裏のスタッフさんには又吉さんがやるはずがないとボケにカウントされ
数字が一個減ってしまう。


買った理由を聞くと、ずっと好きでライブにも通っていたある方と
対談したことがきっかけだそう。*1
対談終わりに飲もうという話になり、その方とライターさん、又吉さんの3人でお店へ。
そこで「又吉くんはギブソンレスポールを持ってないとおかしい。」
と言われたそうで。お値段約22万円。
それを買えるかの心配より「アンプに繋ぐコードが500円くらいだけど買える?」
とそこの心配をしてくれる憧れの方。
翌日、早速そのギブソンを購入したそう。


以前、向井さんもギターを買って、その足で劇場に行ったことがあった。
買ったばかりのギターを裏において舞台に出て、出番が終わり戻ると、
そこにはマーカーで「黒夢」と書かれた向井さんのギターが。
芸人さんがいるだけあって、向井さんの買いたてのギターに落書きをしていた。
黒夢はいいバンドだけど、その「黒夢」と書かれたギターは持ち歩けない。
なので、絶対に劇場や芸人のいるところにギターはもってこないほうがいいですよと
向井さんに教えてもらう。


コードも何もわからないけども、かき鳴らしたくなった又吉さんは
夜中に誰にも会わなそうな場所のスタジオを予約した。
スタジオの入り口を入るやいなや、初心者感を払拭するため
「へぇ何時までやってるんや…」みたいな顔をして
「いっつも来てますけど…」感を出しまくる又吉さん。


しかし予約した部屋は受付の目の前の1番のお部屋だった。
「いっつもきてます感」をバリバリに出してるわりに
全くの初心者マークの又吉さんは部屋の防音扉の開け方すら分からない。
始めドアノブをぐっと下に押してみて開かず、もっかいあげてみると開いたようで。
下に押したのは勿論分からなかったからなのに、
「いつもこうしてるんです。ゲン担ぎです。」みたいな雰囲気を醸し出すことに。
しかし、防音なのでもう一枚扉がある。
そこで続いては「焦ってませんよ。」アピールのために
ここで携帯のメールチェックという技に出ます。
そんなあれこれがありながら、何とか無事、部屋の中に入ることに成功。


しかし、受付の目の前の部屋なのでまだまだ気が抜けず、
受付から見えるドアについた窓をスッと横切ったり、
見えない位置でアンプをマジマジ見たりと初心者満載の行動をしていた。
いざ音量を最大にしてギターを鳴らしてみると、ものすごく気持ちよかったそう。
中学生がお昼休みに、ほうきをギターに見立てるみたいな感じになりながら、
かなり満喫したようでした。


そんな又吉さんの行動を聞いて、なんで「初めてなんですよ〜」じゃダメなんですかと
面白くなりつつ、不思議そうな2人。
村上さんからすれば又吉さんの行動は「それ全部、奇行ですよ。」
しかし、ここで村上さんの口から予期せぬ言葉が飛び出し又吉さん愕然とすることに。
それは「監視カメラとか部屋にも付いてますよ。」
なので、スタジオのスタッフの間で話題になってるはずだと。行動とか真似されてる。
遅番から早番の子に交代する時に絶対「さっき又吉がきてさ〜」
と録画されてた監視カメラの映像を見られてるはずだと言われ
監視カメラのことなんて微塵も頭になかった又吉さんは恥ずかしくなる。



と話し、ここで20分ほどが過ぎたものの、未だ「84」くらい。
このままでは100行きそうにないと焦った又吉さんは「装置」があると袖のほうへ。
その「装置」とやらを確認し一言「これかぁ…」「スケッチブックありますか?」と聞き、
手に見慣れたスケッチブックをもって再び登場。
徐にスケッチブックをトークテーマがのっていた台に置くと、
突然「ダダンっ!」と太鼓の音が鳴り電気が消え、
又吉さんがスポットライトに照らされる。
スケッチブックをめくるとそこには
「こんな仮面ライダーはいやだ」
トークを放り出し、あまりの展開に困惑する村上さんと向井さん。


仮面ライダー父」
仮面ライダーボーイフレンド」
などなど、多くの仮面ライダーが繰り出され、ここでかなりの数を稼ぐことに成功する。


続いての「装置」は、パイプ椅子とマイクのよう。
これを見て「装置って全部アナログなんだよな。」と村上さん。
今度は「ピンポンパンポーン♪」とデパートなどでの迷子アナウンスの音が鳴り
又「最近ループタイ似合ってきたな。
  でも、ループタイ似合ってますよって顔になってるで。」
「ピンポンパンポーン♪」
村上さん思わぬところで辱めを受ける。


またしてもチャイムが鳴り、続いては向井さんに
「最近、若い女の子に人気があるらしいな。前から仲良かったよな。」と。
前から仲良かったよなを二度言うくらいに強調。
最近は又吉さんのところに向井さんのことを教えてほしいという取材が多いそう。


この「装置」。思いついたときは迷子のアナウンス風をやろうと思ったが、
スケッチブックの準備に時間をとられ考える時間がなかった。
スタッフさんがせっかく用意してくれたので「できません」とも言えず、
見切り発車してしまった。


でも、この感じが気に入った又吉さん。
その体勢のまま、もしもの時にと携帯を持ってきたとポッケから携帯を出す。
ガラケーの方。
普段、又吉さんが思っていることをメモってあるものがあり、
それを一言ネタのように読むことに。
エッセイなどの元になるものもあるとのことで、
それは、きっと皆さん嬉しいですよと村上さん。
雨が嫌だという自分に対し、心の広さをアピールする人に黙れ!と言ったり、
間違って届いた卒業文集からアメフトマンになる話などいろいろ披露しておりました。
結構、いろいろなネタがたまっているようです。
「これだけで1時間いけそうやな。」と思うくらいの楽しさだったよう。


しかし、まだ安心できないのか、今度はスケッチブック数冊を持って登場。
まず「そうだ!京都へ行こう!」のようなキャッチフレーズを考えてきた。
「Never岐阜up!」
「7回目の京都より○○。」
「沖縄と北海道を足して2で割った○○。」
のように、結構ネガティブキャンペーンを実施。


続いて「鬼は外。福は内。」って他の言葉にも聞こえませんか?ということで、
そこからの言葉遊び。
「叔父はヅラ。」から叔父叔母祖母祖父の大いなる家族関係が明らかに。


このスケッチブックネタ。
あまりの完成度に「R1出れそうなくらいガチで面白いやつ、つくってこないでください。」
と言われるも、これでは無理やと又吉さん。
昨晩、寝ないで頑張ったそう。それでも間に合わず、開演前まで頑張っていた。
初めは手書きでやっていたのだが、その後パソコンで作業。
なので、「鬼は外。」のスケッチブック2冊は又吉さんの手書きでした。


ここで数字もついに「2」に。
しかし、心配性の又吉さんは、もうひとつコントをつくってきていた。
残り2なので、このコント全体で面白かったら1つ数字を減らして欲しいとお願いして、
台本をその場で村上さんと向井さんに渡し、眼鏡も支給される。
舞台は「鬼ごろしに続く、日本酒の第二弾のタイトルを考えている会議」
なんで時間あったのに、練習させてくれないんですかとクレームをうけつつ、スタート。
鬼ごろし」では気持ちや情緒が伝わらないということから、
とんでもないタイトルのお酒が誕生する。


見事やりきった3人。村上さんはとても楽しんだよう。
会議っぽくしてと言われると、足を組む皆さん。
又吉さんは、たくましい後輩2人に「そんなスキルあったんや。」と感心する。
中でも難しかったのは、ツッコミの向井さん。
流れを読みながら、きちんとツッコんでいく姿に先輩2人、大感心。


そして、ここでついにラスト「1」!
さぁここで大スターのスペシャルゲストの登場です!
と大いに期待感を抱かされ、盛り上がる会場に登場したのは


……



……



……



ロシアンモンキーすーなか。
しかし、思った以上にウェルカムな客席に
「みなさんついにおかしくなりましたか?」と村上さん。


ここで「一発やらせて!一発やらせて!」と懇願し、すーなか渾身のギャグを披露。
客電が消えた客席でも、唯一すーなかにだけには
お客さんが肩が震えるくらい笑っているのが分かったと言います。
このたった数分だけのために呼ばれた中須さん。
7時から入ってボケを練習していたそう。


そんな賑やいだ雰囲気の中、終演の時間となりました。
次回は2/27(水)とのことです。





最後の最後に大好きなすーなか氏の登場で浮かれてしまいました。
肩を揺らして笑っていたのは、わたしです…


今回は又吉さんが、だいぶリラックスしていたように見えました。
信頼できる頼もしい後輩2人と一緒で、家かなと思うくらいの腰かけ方。
村上さんを眺めていたら、すべてに大笑いするのではなく、
冷静な目線でしっかり見ているところもあって、
又吉さんの言動を見ながら、いろいろ考えているようにも見えました。
又吉さんと一緒に何かするのがとても楽しそう。
一方の向井さんも、いつものように肩を揺らしながらとても楽しそうで
でもツッコミやらせると、バシっと決めるという…ねぇ。


今回このライブは又吉さんの頭ん中を覗き見するライブなんだなぁと思いました。
寝ないで頑張るって、どれだけなんでしょう。
そんな意気込みでやってくれているのだと思うと、有難いばかりです。


携帯メモなど、まだ粗削りな種みたいなものを今回見て
これがいつか大きく化けたりするのだろうかと思うと不思議な気持ちです。
又吉さんが底知れないのはきっと…
予想だにしない「えっ?」と思うようないくつもの姿を持っているからで
その中に今年はギターが加わると。
想定内とそうじゃない部分が面白く交わった人なんだなと思いました。


今回も又吉さん村上さん向井さんそしてすーなか。
楽しい時間でした。ありがとうございます。
この日の素敵な偶然と素敵な出逢いにも感謝。


長いところ、今年もすみません…
ありがとうございました。

*1:『別冊スぺシャVOL.8』対談相手はZAZEN向井さん