未来のいつか/hyoshiokの日記

hyoshiokの日々思うことをあれやこれや

第55回カーネル読書会

というわけで、http://ylug.jpカーネル読書会を開催しました。今回のお題はaccelerated KNOPPIXというCDROMブートでおなじみのKNOPPIXの起動を高速化するというお話。大変面白かった。
高速化のアイデアは起動時のブートイメージのprofilingを取って、そうするとどのブロックにいつアクセスにいくかというのがわかるので、そのアクセス順にCDROMをブロック配置するという方法である。そうするとCDROMのアクセスは完全な順アクセスになるので、ほぼCDROMの読み込みスピードの限界値まででるという。
http://www.alpha.co.jp/ac-knoppix/
90秒近くかかったCDROMの読み込み時間が20秒前後になるというのは圧巻である。プロファイルしてチューニングするという王道中の王道のチューニング手法である。
今後はKDEとかXの起動とか重たいものをいかに軽量化するのが課題になる。やっぱ省メモリがチューニングの鍵になりそうではある。ソフトウェア高速化の定量化というのは非常に重要だというのを実感したお話であった。勉強になりました。丹さんどうもありがとうございました。
小幡さんのiPod ShuffleKNOPPIXを入れるという話も面白かったっす。みんなわけのわからないことをしているよなぁと思った。

開発基盤WG成果報告書

http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20051116/224718/

 独立行政法人情報処理推進機構(IPA)は11月16日,オープンソース・ソフトウエアの性能や信頼性の評価と,障害解析手順書や支援ツールなどを公開した。障害解析手順書はカーネルやアプリ,ネットワークなどの障害解析方法について300ページ以上にわたり解説。PostgreSQLMySQLクラスタJBossLinuxカーネルの検証やツール整備も実施,「PostgreSQL 8.1は8.0より1.5倍速い」などの結果が得られた。

下記に成果報告書があるので読め〜
http://www.ipa.go.jp/software/open/forum/development/download/051115/OS-cpu.pdf
LKML(Linux Kernel Mailing List)でのやりとりを付録に付けておいたのでそこだけでも読んでね。

コミュニティからの指摘に一つ一つ答えていくことによってコードがどんどんシンプルになり一般性を持っていくプロセスを体感した。ソフトウェアバザールモデルの強さを実感した瞬間であった。ネットワークの向こう側にいるLinux Kernel Hackersによる peer reviewが機能しているということを感じた。メールに対するすばやい反応、特に一日に何通もやりとりするというのは片手間ではできない。コードをすばやく修正して頻繁にリリース。それを繰り返すことがバザールモデルの本質だということを実感した。

開発基盤WGのホームページは下記だ。参考にしてほしい。
http://www.ipa.go.jp/software/open/forum/development/index.html