漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

許されればこそ

■ニンジンを食べない4歳の女の子に向って、「田原俊彦も一生懸命『NINJIN娘』を歌ってるんだから、好き嫌いせずニンジン食べなさい」とその子のおじいさんが言った、というラジオの投稿に軽いショックを受ける。おじいさん…。おじいさんが田原俊彦…。もうそんな時代なのか。

■「増刊漂流」は、ひとつのテーマについて、こんな感じで(↓)スタッフがあれこれ書いている。今回のテーマは「右」。訪問先と漂着に来てる子、賛助会員には配布済み。まだ少し余ってます。欲しい方に差し上げます。

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■高校2年生の女の子がひとりで自宅で出産。生れたばかりの子を殺害したとして逮捕された。ときどきこういう事件が起きて、いつもいつも本当に可哀想でならない。17歳の子がどれだけ怖かったことだろう。どうしてそんなに孤立してるのか。ありきたりな言い方だが、絶望がそこに見える。

■「どうしよう。助けて」と言っていいんだと子供はもっと知らねばならないし、助けてもらえるんだと知らねばならない。だから、大人はちゃんとそう教えなくちゃならないし、助けなくちゃいけない。誰かに相談してれば、なんて言うのは簡単だけれど、そのためには子供のしたことを許す社会じゃなきゃいけなくて、許してもらえないと思った子供は相談することさえ出来なくて、ひとり突っ走った結果、取り返しのつかないところまで行ってしまう。気づかない周りを責めるのは容易いが、同じ轍を踏まない保障は全然ない。

■ガーガー糾弾する方がよっぽど楽で、許すのは胆力がいる。でも、叱るのも諭すのも全部、「許す」を含んでるものだと思うんだよ、本来。