Magic the Gathering 復帰のヒント(2)

自分の持ってるカードでデッキを組んで対戦する遊び方(構築戦/Constructed)と、未開封のブースターを開けてその場でデッキを組んで対戦する(限定戦/Limited)方法がある。その昔は、いわゆる構築戦がほとんどだった気がするけど、今では紙のカードでやる大会でも限定戦は多いらしい。

構築戦(Constructed)で遊ぶ

構築戦は、カードをある程度集めてデッキを組む必要があるので、初期投資が必要になる。今だと bot からシングルカードを買ってピンポイントにカードを集めることもできるので、デッキによっては数千円程度で組める。流行りのデッキを組もうとすると数万円かかったりする。

構築戦の場合は、使えるカードが決まっている。Magic Online でよくプレイされているフォーマット(使えるカードの範囲を決めたもの)はスタンダード(Standard)、エクステンデッド(Extended)。2011/5 からモダン(Modern)というフォーマットが追加されて,これもそこそこやってる人がいる.

スタンダード/Standard

最もプレイ人口が多いフォーマット

基本セット(Magic 2012)+二つのエキスパンションブロックのカードを使っていい。2011年10月時点のでは、Magic 2012,ミラディンの傷跡,ミラディン包囲戦,新たなるファイレクシア,イニストラードのカードが使える。来年1月,5月になると,さらに新しいエキスパンションが発売されてそれも使えるようになるはず.

Magic 2012 というセットは「基本セット」と呼ばれるカードセットで,年に1回あたらしいセットが出る.来年の 7 月になると,おそらく Magic 2013 という次のセットが出ることになる.そのとき,基本セットのカードはいつも半分くらいは次のセットにも採録されるので,Magic 2012 のカードはある程度買っても来年以降も使える可能性が高いと言える.

一方で、来年の 10 月に次のブロックのエキスパンションが発売されると、ミラディンの傷跡のカードは使えなくなる。こちらはカード再録の可能性は低いので、カードを買っても来年の10月以降にはスタンダードではほぼ使えなくなると思っていい。ただし、後述のエクステンデッドでは当分使えるはず。イニストラードのカードは,方針がかわらなければ 2013 年の 10 月までは使えるはず.

いずれにしろ、6,7 つのカードセットのカードを使うので、カードテキストを読むだけでもなかなか大変。このフォーマットに手を出すならば,

  • まずは Magic 2012 のカードでデッキを組んで対戦してみる.
  • それから,組んだデッキにイニストラード(または最新のエキスパンション)のカードでよさそうなものを追加してみる.
  • さらに対戦している中で,相手がつかってるミラディンの傷跡ブロックのカードでいいと思ったものをチェックする.

というような感じでやると,カードを覚える手間が少なくて済むのではないかとおもう.

最初は知らないカードを使われまくって負けまくるけど、カードがわかってきて、自分のデッキに取り入れていけば、それなりに勝てるようになる.だんだん強いカードが何かがわかってきて,その情報をもとに自分のデッキを改良して勝てるようになってくると,俄然おもしろくなる.

エクステンデッド/Extended,モダン/Modern,クラシック/Classic

Magic Online では、スタンダードに次いでプレイ人口が多いのがエクステンデッド。その次にモダン,クラシックがつづく(と思う).

エクステンデッドは Magic 2010, 10th Edition, 9th Edition と、6つのエクスパンションブロックのカードがつかえる。ものすごくカードプールが広いので、復帰組にはなかなか敷居が高い。復帰して数年たてば、自然とカードの知識も資産も増えてるので、参戦できるようになるやも。

モダンはエクステンデッドとクラシックの中間くらいのフォーマット.8th 以降の全てのカードが使えるフォーマットで,エクステンデッドのようなローテンションはない.

クラシックは、発売されているあらゆるカードが使える。これもカードプールが広すぎて、復帰組が手を出すのは正直しんどい。まあ、勝ち負けにこだわらずにやるなら問題ないと思うけど。

ブロック構築/Constructed Block

ひとつのエキスパンションブロックのカードだけが使えるというフォーマット。今(2011/10)だと最新のイニストラードのブロック構築デッキがメインだけど、イベントによってはミラディンの傷跡ブロック構築とか、昔のブロック構築もないではない。

このフォーマットはカードプールが狭いので、カードを読むのはそんなに辛くない。ただ、基本セットが入ってなく、やや癖のあるカードが多くて扱いが難しい(ことが多い)という欠点はある。実際、前回復帰しようとしたときは「時のらせん/Time Spiral」ブロックのときだったんだけど、とりわけ奇抜なカードが多いブロックで、カードテキストを理解するだけでも辛くて挫折した経緯がある。

なお、Casual Play でのプレイ人口はかなり少ない。トーナメント戦はそれなりにやられてるようで、Tournament Practice ではそこそこプレイされている。

Pauper

コモンカードなら何でも使えるというフォーマット。カードプールがかなり広いけど、クラシックに比べるとカードは集めやすい。しかし,古いカードはなかなか手に入りにくいというのはクラシックと同じ.また,イベントで勝とうと思ったらそれなりの出費は覚悟する必要あり.なお,プレイ人口はかなり少ない。

限定戦/リミテッド(Limited)で遊ぶ

限定戦という言い回しは日本語でもあまり見かけず、日本でも普通にリミテッドとか呼ばれるようなので、以後はリミテッドと書くことにする。

リミテッドは「シールド戦」と「ドラフト戦」の二つがある。やるたびにパックを開けることになるので、やればやるほど金はかかる。シールドなら6パック(約24ドル=2400円くらい)、ドラフトでも3パック(約12ドル=1200円)くらいかかる。

ただし、リミテッドで遊ぶ場合は賞品付きのイベントへの参加という形でしか事実上できない。イベントだと最低でも4戦くらいはする必要があるため、3〜4時間くらいはまとまった時間が必要になる(途中棄権はできる)。一方で、イベントで上位に入賞すれば賞品が手に入り、収支をプラスにできる可能性もある。また手に入ったカードを売り払うことで、出費を結果的に抑える(場合によっては黒字にする)こともできる。

昔は League という1ヶ月間かけてやる大会があって、それに参加すれば1ヶ月3000円くらいでかなり遊べたんだけど、今はその機能が実装されてない(メニューだけは存在している)。

シールド戦

ブースターを6つ開けて、その場で即席のデッキを作って対戦する。最初に20分ほどデッキを作る時間があり、そのあとはだいたい1時間ごとに1マッチ(先に2勝したほうが勝ち)ずつ、4マッチやる。つまり、4時間くらいはかかるということ。

どの種類のブースターを開けるかは、イベントによって決まっている。イベントに参加する場合は、自分で指定のブースターを用意してから参加する必要がある。また、参加費が 2~3 ドル(=200〜300円ほど)別にかかる。大きな大会だと、参加費がもっと高いこともある。

大抵は4戦して、勝利数に応じて賞品がもらえる。4マッチのうち 2 回勝てば、3ブースターくらい手に入る。3勝すれば6パックもらえるので、元が取れる(参加費は除くとして)。賞品の数や分配ルールはイベントによって違う。過去のイベントの結果を見る限り、2 勝以上できる人が全体の 2/3 くらい、3勝以上できるのが 1/3 くらい、4勝できるのは 10~15 人に一人くらいの比率。

ドラフト戦

Magic Online では 8 人ドラフトというのが基本らしい。8 人がそれぞれ 3 パックずつ持ってきて、一斉にパックをあけて1枚だけカードを選んだら、残りを隣の人に渡す。隣の人からパックが回ってきたら、また一枚だけカードをとってまた隣の人に渡す、というのを45回(3パック分)繰り返し、自分が取ったカードでデッキを組んで戦うというもの。

私はやったことがないので、あまり良く知らない。いずれにしろ、これもパックを買ってやるので、やるたびに金がかかる。カジュアルではほとんどやられてないので、やるならイベント参加ということになる。

シールドと同じで、イベントの賞品を売ったりカードを売ったりすることで、参加費の元が取れる可能性はある。8人ドラフトの場合、賞品は 4-3-2-2 (1位が4パック、2位が3パック、3,4位が2パックの意味)か 8-4 のことが多いようなので、単純に賞品で元を取ろうと思ったら8人中2位までに入る必要がある。実際にはイベントチケット代もあるので、4-3-2-2 だと2位では賞品だけでは元がとれないけど。

トーナメントに出る or カジュアルで遊ぶ

リミテッドはカジュアルではほとんどプレイされてないので、リミテッドをやるならイベントへの参加が前提になる。構築戦ではカジュアルでもプレイヤーが大量にいるので、イベントに参加しなくても遊べる。とりあえずスタンダードのデッキを組めば、対戦相手に困ることはまずない。

構築戦でもイベントはあるし、賞品が結構高額だったりするので、腕さえあれば黒字にできるんだと思う。私はできないけど。