市民のための名古屋市会を! Ver.3.0

一人の名古屋市民が「地域委員会制度」「減税日本」に対する疑問をまとめるサイトです。(since 2011/3/3)

名古屋市地域委員会制度終了のお知らせ

追記(10月2日):本日行われた名古屋市会総務環境委員会の決算審議において、この問題が取り上げられ、自民党の丹羽委員がどうも当ブログのこの記事の事に言及されたようである。

 当ブログに掲載されたのと同等の資料要求が為され、後日決算審議にかけられるようである。
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 名古屋市において、河村たかし市長が後教授の指導の下、導入しようとした地域委員会につきまして、後教授の河村市政離脱以降、その制度設計、運営に様々な問題が指摘されてまいりました。それでも河村市長はそれらの問題に耳を貸さず、そもそも地域委員会とは「議事機関」である事も理解しないまま、児童福祉や高齢者福祉に資するものであるかの如く喧伝し、半ば強引に、無理なスケジュールも無視してモデル実施を強行してまいりました。
 そのような中で、有識者からは当初より危惧されていた問題がやはり発生したことになります。

 この問題を発生させたのは、河村市長を責任者とする名古屋市の行政に全般の問題があると思います。

 本日、ここでこの問題を可能な限り公表いたします。

 誤解の無いように予め申し上げますが、当ブログは、地域委員会制度の問題を指摘したいのであって、特定の個人や団体、企業を批判する意図は有りません。また事業内容について論評する気持ちもありません。

 また、地域予算によって行われた行事については、地域予算という公的資金の使途の在り方を、一般の市民が、十分な説明を受けることなく運営を任されれば、その運営に問題を内包する事は十分に予見できる事であり、問題が発生した場合、その運営、使途を行った当事者の責任よりも、そのような制度設計と管理の下、公的資金を支出した名古屋市、ひいては河村市長にその責任はあると思います。*1

 そういった意味で一部資料について、当ブログ掲載に当たり、市当局の情報公開からもう一歩踏み込んで個人名等を匿名化処理*2させていただいています。 *3

 この事実に触れてもまだ、地域委員会を続けますか?

 私は宣言させていただきます。河村流地域委員会は終了しました。

 そして、警告します。

 この制度的問題は放置されたままです。

 現在実施されている7地区においても、同様の問題は再発し得ます。

 32地区の予定が7地区になったのですから、名古屋市、各区の担当者、責任者は、より一層のきめ細かな地域委員会へのコミットをはかり、このような問題が再発しないように努める義務が有ります。

 この問題は9月5日の総務環境委員会で指摘されました。その模様はインターネットの録画では見ることが出来ません。
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 非公開の理由、及びその経緯は当ブログの9月16日記載「『男らしくない』湯川総務環境委員長」に記載して有ります。
市会9月定例会 - 市長のための市会ではなく、市民のための名古屋市会を! Ver.2.0

 そういえば、この経緯で書き漏らしたことが2つあります。
 ひとつは、自民党の副委員長が湯川委員長の対応が手に余ると判断し、藤田市議に相談したそうです。藤田市議が文面の訂正と必要の無い副委員長名の記載削除を求めると、湯川委員長は時計とメモ帳を広げて藤田市議の発言と発言時間をつぶさにメモろうとしたそうです。つまり、事の是非よりも藤田市議が自分を委員長ポストから引き摺り下ろす為に失言する事を待っているというような態度だったそうで、藤田市議はまともな話が出来ないと判断して減税日本ゴヤの浅井団長に同席を願い、話を続けたようです。

 この 「動画の公開中止を求める要請」は当初、湯川委員長が勝手に二人の副委員長の名前を列記したものなのですが、余語幹事長は私への説明に「湯川委員長は予め両副委員長に記載の同意を得ています」と答えました。これは他の証言とは異なります。

 話を戻します。

 その記事で「この議事録とは無関係に、事実関係の調査は行われており、近い内に詳細はご報告します。 」と述べた報告が本日の記事となります。私はどこかの市長とは違い、やると言った事はやります。

 最初のイメージは「行政文書一部公開決定通知書」です。今回の一連の文書は、この情報公開条例に基づいて得られたものです。(一部、独自にモザイク処理を施してあります)


また、各イメージはクリックされると拡大表示されます。














 次のイメージは「名古屋市千種区田代地域委員会歴史ふれあい音楽会事業補助金交付申請書」です。(以降、「名古屋市千種区田代地域委員会歴史ふれあい音楽会事業」を単に「歴史ふれあい音楽会」と記述します)


 千種区田代地域委員会では、23年度事業の一つをこの「歴史ふれあい音楽会」として、予算枠を100万円として、細部については提案者である丹羽委員を会長とする「歴史ふれあい音楽会実行委員会」に一任するとしたようです。









 丹羽地域委員会委員(実行委員会会長)が想定した「事業内容」が次のイメージ「歴史ふれあい音楽会事業計画書」から窺えます。

 「日泰寺において(略)住民参加型のコンサートを開催することで住民同士の交流を図る」となっています。そして補助申請額(地域予算申請額)が961,420円と中身も具体的に決定したようです。











 次のイメージは当日のチラシです。結局、日泰寺における開催はかないませんでした。千種区内の歴史的な建物、場所で住民とふれあう音楽会を開催するという主旨から、千種区が城山八幡宮と交渉し、会場提供を得る事ができたようです。ここでも別の問題が発生しましたが、それは後ほど述べます。
 チラシを見ると、大きくは2組の演奏家が出演した事が窺われます。その内のひとつが「西崎●●子バンド」です。









 次のイメージは「歴史ふれあい音楽会事業報告書」となります。
 同文書を見ると「会場の都合により開催内容の確定が遅れた」というのは、当初希望していた日泰寺から城山八幡宮への会場変更に伴うもののようです。そのため「広報のための期間としては充分ではなかった」と報告されています。こういった実施時期のスケジュールのタイトさは、このモデル実施における他の地域委員会でも聞かれる事です。
 更に不運な事に、当日は天候に恵まれず、参加者は70人となったようです。

 総事業費は862,500円となっています。

 実は、総務環境委員会における審議では、この70人についても演奏者の家族や関係者も含まれた人数で、純粋な観客はもっと少ないという指摘があったと報告されています。

 70人が報告の通りとしても、事業費が86万円という事になると、観客一人当たり1万円の経費がかかったイベントという事になるのですが。・・・当ブログでは先に述べたように、事業の中身については論評を差し控えます。


 次のイメージは「歴史ふれあい音楽会事業 収支決算書」となります。
 予算の大部分が「音響設備費等」であることは明白です。


















 次のイメージはその「音響設備費等」の中身となる領収書の一部です。ここに278,000円の支出を受取っている「株式会社K―●●●」という会社が有ります。この「出演料」が先ほどのチラシにあった「西崎●●子バンド」の出演料だそうです。













 次に「歴史ふれあい音楽会実行委員会」と千種区が連名で城山八幡宮に会場使用の申請をした文書案があります(本文は、捺印後城山八幡宮に提出されたので、同一の文面を文案として保存しておいたもののようです)

 申請者欄に実行委員会会長の丹羽さんの名前が見えます。












 この文章に対応するのが「施設境内使用申請について(ご回答)」とされた城山八幡宮宮司よりの返答です。

 ここで、赤線の部分を読むより先に、この文章の宛て先にご注目ください。


 千種区長と「歴史ふれあい音楽会実行委員会委員長 西崎●●子様」となっていますね。

 委員長は地域委員でもある丹羽さんで、この西崎●●子さんという名前は、当日の出演者ではないですか。城山八幡宮さん、おっちょこちょい。

 ・・・・じゃあないんです。

 この地域委員である丹羽さんが、芸名、西崎●●子さんなんです。

 同一人物なんです。


 つまり、ご自分が出演されるイベントを、ご自分が地域委員として提案されて、地域予算を支出されて、出演料として受領されているのです。

 ただ、これが法的にどうであるかは当ブログは判断いたしません。

 この事実の提示に留めます。

 この丹羽さんが、単に出演料を目的として地域委員に立候補されたとも推測はしません、純粋に、自分たちの音楽を、地元の歴史ある建物で演奏して、地元の人に歴史を感じてもらうというお気持ちからイベントを提案され、そのイベントの正当な対価として出演料を受け取られることはあるかとは思います。

 ただ、李下に冠を正さず、このような公金の支出はとかく誤解を産みやすいので現在は本当に慎重にされており、このような「ストレート」な事例は余り無い。また、こういった公共性の高いイベントにおける出演料といったものの「相場観」としても、いささか如何かという意見はあるようです。
 ただ、丹羽さん自身がそういった情報に触れる機会が得られぬまま、地域委員会のモデル実施という窮屈なスケジュールで慌てて実行してしまったという背景も窺い知れます。

 そして、そのような場合、そういった公金の支出の責任は、一に市長にあるのがこの地域委員会制度であり、市当局も議会も介在できません。そういった制度設計なのです。

 ですので、河村市長にすべての問題と責任があるというのが、当ブログの主張するところで有ります。


 次に、これも総務環境委員会で指摘されたところでは有りますが、この城山八幡宮より出された「施設境内使用申請について(ご回答)」という文書についての問題。

 この「5.使用条件」の「5)開演にあたり千種区長・開催者側・出演者・来場者は神社指導による参拝行事を行う事。」とあります。


 この文言のままでは、市の主催するイベントの来場者に「参拝行事」が義務付けられる事になります。結局、区との交渉の結果、参拝を行ったのは責任者の千種区長と実行委員長の丹羽さんのお二人だったようです。

 しかし、それでも区長が公務として「参拝行事」を行ったということになると、いささか問題ではないかと思います。

 委員会の答弁では、ここでもやはりタイトなスケジュールの中、地域委員会の行事を実現化させなくてはならないというプレッシャーと、日泰寺に断られ、ここで断られたら実行できなくなるなるのではという危惧から、こういった条件を飲んだというような説明が有りました。議事録が公開されるか、審議の録画が再公開された際には、この辺にもご注目ください。

 行政の宗教との関わりについてもこれ以上は当ブログは追求しません。

 地域予算の執行に再度論点を戻します。
 私はこの事例自体の合法、違法は判断いたしません。

 ただ、このような事例が、名古屋のあちらこちらで発生するとしたら、非常に問題であろうと考えます。後教授の制度設計ではこの部分に「安全弁」が据え付けられて居ましたが、後教授が撤退するとともに、その「安全弁」も制度から消えました。河村市長はそれに気が付かないまま実施のみを焦った為に、当局も充分な注意を払う事ができず、地域委員はそういった問題を知る由もなく、このような事例が発生してしまったわけです。

 予算執行したのは河村市長であり、責任は河村市長だけにあります。

 そして、現在実施されている7地区についても、似たような事例は発生し得ます。区や市の職員のきめ細かな介在が必要です。

 地域自治で必要とされているのは担い手です。学区連絡協議会、区政協力委員制度は高齢化が問題とされています。大都市部の共通の悩みである「人口は増えても、住民は減っている」という問題も顕在化しています。すべて担い手、執行機関の問題です。ここで議事機関としての地域委員会や、300万円の予算を決定する為に150万円の選挙費用がかかるような地域予算は必要ありません(その選挙費用もまとめて学区に補助金として配布したほうが有効でしょう)

 これをもって宣言します。

 河村市長の三大公約の一つである地域委員会、
 河村市長が「民主主義のつくしんぼう」と言われ、言われながらも最近、トンとフォローが無い、フォローが無いために、そのつくしんぼう自体が立ち枯れそうになっていましたが、この事例が決定的です。

 河村流地域委員会は「無理」です。

 地域委員会問題はこれにて終了いたしました。

 ご苦労様でした、解散!


追伸:
 9月20日の総務環境委員会は、この件も含めて冒頭ナニカがあるらしいので注目です。


解散!



追記(9月20日):当初「日泰寺」を「日秦寺」と表記して居りましたが指摘を受けたので修正いたします。

名古屋市:地域委員の会社に出演料…モデル事業の演奏会

 河村たかし名古屋市長の3大公約の一つ、地域委員会のモデル事業として11年10月に開催されたコンサートを巡り、地域委員の女性音楽家のバンドが出演し、女性経営の会社に出演料27万円が振り込まれていたことが4日分かった。市は地域委員が事業で利益を得るのは不適切として、同様の行為を禁止するマニュアルを策定した。

 4日の市議会総務環境委員会で取り上げられ、委員から批判が相次ぎ、市総務局は「誤解を招いたのは申し訳ない。制度上の不備は改善したい」と答弁した。

 コンサートには歌手2人のほか、地域委員の女性が率いるバンドも出演した。市は地域委予算から実行委に事業費86万円を支払い、実行委から女性の会社に27万円が振り込まれた。市によると、女性は自らの出演料を受け取らず、バンドメンバーの旅費や出演料に充てたという。

 市の地域委は、学区ごとに選挙で選ばれた住民と地域団体推薦の住民が委員になり、地元の課題について市の予算の使い道を決めている。
(毎日新聞 2012年10月05日 02時07分)

http://mainichi.jp/select/news/20121005k0000m040123000c.html


*1:地域委員会の地域予算は、議会や第三者機関の承認を必要としない市長の専権事項となっている。

*2:モザイク処理

*3:ここに掲載した資料は、誰でも、名古屋市西庁舎1Fの市民情報窓口の「行政文書公開請求書」に「平成23年度地域委員会千種区田代地域委員会における『歴史ふれあい音楽会』事業に関わる、請求書、領収書、実施状況のわかるパンフレット、報告書等、及び城山八幡宮千種区役所の間で取り交わされた文書(契約書)」を請求すると記述すれば手に入れることが出来ます。あ、コピー実費の負担も要ります。これが大変だ。文書1枚10円なので私の今回の場合、160円でした。