20060205

以下の記事を読んだ。

  • 米国大手家電販売店であるBest Buyにはハイテク機器に関するサポートを提供するGeek Squadという組織がある。ここに所属する技術者はミュージシャン相手に仕事をすることも多い。ロックミュージックがどんどんテクノロジーに依存するにつれて、サポートのニーズも高まっているのだ。Geek Squadが派遣する技術者はU2やRolling Stonesといったロックバンドと一緒にツアーに参加し、ツアー途中で発生するトラブルに対応している。ロックスターに近づけるという魅力も大きい。場合によってはスタッフと一緒に打ち上げパーティーにまで参加することもある。以前パリス・ヒルトンの携帯電話が盗まれ内部のデータがネットに流出した事件が発生したが、この事件もロックスター達のセキュリティ意識を高めることになった。派遣される技術者もセキュリティ対策を行っている。

  • 企業の利益を見る方法として二つのデータがある。一つがSEC(FASB)基準で公開される利益であり、もう一つがIRSの基準に基づいて納税額を算出する際に用いられる利益である。後者は個別企業単位では公開されない。経済学者の間では、IRSの基準に基づいて算出される利益のほうが経営陣の裁量の幅が少ないことからより一貫性のある利益を見ることができるとする意見が多い。SEC向けではできる限り多額の利益を計上し、IRS向けでは節税のためにできる限り少ない利益を計上するという動機が企業側にはある。IRS向けに提出される利益を企業に公開させるのは公の利益にかなうものだと思われる。二つの利益が乖離していく様子を見ると、何かがおかしいことに早い段階で気づくからである。また節税の行き過ぎを防止することにもつながる。

  • Yahoo!やAOLが電子メールに料金を請求する仕組みを導入しようとしている。料金を払ってメールを送付する企業は、スパムフィルターを経由することなくユーザーのメールボックスに確実に届けられることになる。ユーザーも特別な印によりメールの正統性を確認することができるという仕組みである。しかし企業は新たなコスト負担となるので反対するところが多い。メールは送り手側にコスト負担が発生しないことがスパムメールの増加を招いており、送り手にコストを負担させることでスパムメールの減少が期待できる。ISPでもメールに限らす、オーディオやビデオの大容量ファイルを送信する場合に、送信側にコスト負担を求める動きも出ている。すべてのデータを公平に扱うというのがネットの基本であるが、料金により格差を設けることはワシントンでも議論の対象になっている。