- 作者: 長谷川寿一,長谷川真理子
- 出版社/メーカー: 東京大学出版会
- 発売日: 2000/04/01
- メディア: 単行本
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いくつかメモ。どれも基本的なことだが、すぐに混乱してしまう。
- ある行動が遺伝的に一対一で決定されていることはきわめてまれで、行動はなにがしかの程度、遺伝的な影響を受けていると言う方がずっと実情に即している。
- 現状がなぜそうなっているのかの科学的説明を与えることは、そのままでよいのだという価値判断とは別の作業である。人間は猫のように夜目はきかないが、人間は夜に物を見ようとすべきではないと考える人がいないのと同じ。
- 進化とは遺伝子の変化のこと。個体の色や模様が変化しても遺伝子の変化に基づいたものではなければ、それは進化ではない。
- 自然淘汰のプロセス。
- 1.生物には生き残るよりも多くの子が生まれる。
- 2.生物の固体には、同じ種に属していても様々な変異が見られる。
- 3.変異の中には、生存や繁殖に影響を及ぼすものがある。
- 4.そのような変異の中には、親から子に遺伝するものがある。
- 自然淘汰は、ランダムに生じてくるさまざまな変異を材料にして、たまたまそのときの状況に有利なものを拾い出す結果を生み出す。つまりあらかじめ想定された目的は存在しない。
「種の保存」という考えは間違っていると授業でさんざん話していても結構な数の学生はテストで回答してくるという。直観的に受け入れやすいのかもしれない。