- 作者: 佐和隆光
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1982/02/22
- メディア: 新書
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科学という衣をまとい、客観的なイメージを持つものの、経済学は社会構造に大きな影響を受けており、生まれた社会から切り離して論じることは出来ないという。経済学が目指している自然科学でさえ、そこからは抜け出すことが出来ないのだから、社会そのものを扱う経済学ではなおさらである。
アメリカでは経済学が立派な社会制度として確立されているという。なぜ自動車メーカーのGMが社内にエコノミストと呼ばれるようなポジションを抱えているのか、だいぶ前より不思議には思っていた。しかしこの本を読んで少し疑問が解けたような気がする。会社経営や政策立案に当たっては、正当性を主張するための論拠として経済学を用いることが社会全体で合意されているからだ。日本ではそこまで進んでいないかもしれないが、必ずしも米国のやり方が正しいという訳ではないのだが。