『死想図書館のリヴルブランシェ III』(折口良乃)

コスプレ表紙も定番となってきました、の第三巻。
でも帯は自重した方がいいと思った!
思いっきり帯下に描かれてる人たちは……ご愁傷様?
あと、これはわりと正直な話、髪を下ろすとリヴルがリヴルに見えません。
愛が足りないとかそういうわけではないと思いたい。
……と、どうでもいい話から入りましたが。
いや、今回は非常によかったと思います。
前回は、どうにも『主賓客』を出すための『喫茶養生記』(要は新キャラのためだけ)だったのが否めない展開でしたが、今回はメインストーリーとアリスの絡みが綺麗に。
キモはやはり裁判シーン。
「なかったこと」にはしない、というスタンスで話が進んでいく以上、どこかで決着をつけるべきそれに、正しい/正しくないはさておいて、きっぱりと解答を出してくれたのが好印象。
というか諸々あって非常に盛り上がるシーンで、おいおいこれ真ん中で入れちゃっていいの、的な。
それだけに、後半の展開はシンにしろユズキにしろ、複数冊かけてもっとじっくりやれば……というのが惜しいところ。
個々のエピソードはいいだけに、せめてユズキだけでもここまでにもうちょっと何か見せられていれば……
ただそれでも、留まること/進むことの選択は、この場に留まるためにすら走らねばならず、前に進むにはさらに速く走らねばならない、というアリスのエピソードとあいまって、感慨深いものがありました。


とにかくもう、惜しい点がぽつぽつとはあったのですが、それ以上にストーリーと舞台の融合がきっちりと絡み合い、これまで一番の展開でした。
先の展開をみると、この調子でメンバーが増えていくことになりそうですが、影の薄くなるキャラが出ないように進んでくれればなあ、と。
……でもこれ、どうやったら終わるのかしらん?