グレッグ・イーガン "Crystal Nights"

Interzone #215 掲載

主人公はホリエモンのようなIT猛者で、0ー3歳児専用SNSなどで儲けた資金を使い、フォトニック結晶を使った超高密度三次元集積回路を開発する。これをそのまま市場に投入せず、この計算機資源を使って人工生命をシミュレートし、そいつを進化させて知性を持たせ、さらに進化させてもっと高性能のCPUを開発させてIT業界で覇権を握ろうとする。
第一線の研究者を研究リーダーにスカウトしようとするが、進化させるには意識を持ったAIをどんどん淘汰させねばならず、そんなのは良心が許さない、と拒否される。代わりに口が達者でハッタリで投資を集め業界を渡り歩いてきた男を雇ってプロジェクトは始まる。
で、なんだかんだで意識を持った生命が誕生。淘汰圧をかけるためいろいろ天変地異を起こしたり。絶滅しちゃったらバックアップから始めたりと色々ひどいことをしてだんだん知性も進化。途中でモーゼとかキリストみたいな奴を選んで(世界のデバグ用テストコマンドを使わせて)向こうの様子を報告させるようにしたり。
その後、CPUを開発させるためにこの「創造主」はある変化を種族に強制。種族の命運を賭けてCPUを開発させる。
「シンギュラリティ、とかいうけど、Geek に分かりやすい話にすると結局こういうことちゃうん?」みたいな話にも思える。いろんなものに対する Geek 視点からの皮肉にあふれた作品。ここでいう Geek とは手を動かして計算したりコード組んだりしないと概念を納得しないハードGeek
,,ねたばれ:別の意味の特異点は越えていく。「創造主がアホやから進化がでけへん!」