ブログ版『ユーリの部屋』

2007年6月から11年半綴ったダイアリーのブログ化です

『婦人之友』11月号より

婦人之友2008年11月号第102巻第15号)は、「家計簿で不安を解消」「スケジュール管理」など、私の大好きな話題が満載で、おもしろく読みました。もっとも、家計簿もスケジュール管理も、学生時代からの延長ですから、今更という感じもしますが。しばらく前に、来年度用の家計簿と備忘録(赤ノート)を買い、早々と2009年が楽しみになってきました。(参照:2007年11月6日付「ユーリの部屋」)
それ以上に楽しかったのは、「手紙」に関する座談会です。池内紀氏、斎藤由香氏、渡辺都氏の三人が、それぞれ特徴のある手紙を持ち寄り、話し合う形式ですが、ここで少し、ご披露させていただきます。

友だちに会った後にすぐ「先日はご一緒させていただいて、有難うございました」とお手紙や葉書を書いたり、頂き物のお礼状にきれいな切手を貼ったり、いろいろなサンキューカードを用意するなど、楽しげで、きっと母たちが、最後の手紙世代かな、と思いながら見ています。(p.16)
僕はパソコンは一切使わない...そういう意味で相対的に価値が上がって来ているので、時代にずれた手紙派の方が、ひとつ書いた時の効果は大きいんじゃないかな。(p.19)
旅行番組を見るのではなく、実際に旅をしなさいと、中学から一人旅をさせていました。行く前にちゃんと計画を作らせて、経費を聞き、少し余分にお金を渡して、送り出す。実体験というのは、非常に強いんですよ。(p.21)
いろんな詩人の書簡集を読んで、しゃれた台詞を借りるんですよ。(p.21)
・クレヨンが好きで、ドイツのちょっと変わったものを使っています。色がやわらかいし、使い勝手がよく、黄色と赤、緑、黒、青の五色ぐらい自分の好きな色を持っていると、文章は数行だけでも形になる。上下に色をちょんと置くだけで、ずいぶんと面白いものができます。いまの新しいメディアは、新しいからみんなやるわけで、時代の先端をいっているようで、時代に呑み込まれているとも言える。反時代的というか、原始的なことをすると、案外トップになるのかもしれませんよ。(p.22)
当時は郵便事情が悪かったこともあって、なくなる可能性や、相手がなくすことを想定して、自分でもうひとつ書いているのです。だから旅を終える頃には、旅行記ができあがったわけです。(p.24)
今日は、父のおかしなはがきを一枚持って来たんです。(p.25)

いろいろに使える万能ハガキ

賀春
暑中、季節の変り目、寒中お見舞、
祝(悼)御誕生、合格、落第、
御成婚、御別居、御離婚

一層の御健勝をお祈り致します

北杜夫(臥床中)

(引用終)

上記の万能ハガキについては、何度読んでも笑ってしまいますね。笑える間は、たぶん、世の中大丈夫なのでしょう。

最後に、〆として、羽仁もと子氏の著作集「友への手紙」(1949年)から、「あたたかい心」を抜粋いたします。(pp.28-9)
人間はサタンの勢力と戦いつつ人間そのものの道をゆかなくてはならない。そこにはじめて神の助けがあるのだ
人の本心を呼びさまし、その心の目を覚まして、あらゆるものの真相を見ることができるようにするものは、ただ愛である。あらゆる力も聡明も、愛のなかでのみその働きをすることができ、その活動をすることによって、またまた無限に成長することができるのである
まず自分の心自分の家の中から清められなくてはならない。反対に不純な材料によってもやされる心の火は、どんな盛んな社会活動をつくり出しても、やがては燃え尽きる情火であることを忘れてはならない。

(引用終)