ブログ版『ユーリの部屋』

2007年6月から11年半綴ったダイアリーのブログ化です

ハーマン・カーンの遺言

昨日のコメント欄(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20131125)に書いた『超大国日本の挑戦』(1970年)を読み始めたが、悲喜こもごも。題目から、著者のハーマン・カーンという人はとんでもない大ぼら吹きかと思ったが、懐かしい昭和時代が案外詳しく政治社会学的に論述されていて、とても興味深い。未来学者とのことだが(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20120314)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20131026)、予測は外れているものも目立つ。しかし、当て外れよりも、外部から見た一つの方向性を大胆に示してくださったという点では、今では何ともありがたい著作。最近は何でも電子上のやり取りだし、本も手軽なスタイルがはやりなので、何事も軽く扱われてしまう傾向にあるが、この本の装丁はしっかりとした厚手の紙の箱入り。ダイヤモンド社の出版なので、大学の霞を食べているような抽象的な思索ではなく、非常に具体的だ。
実は私、小学校4年頃から、日経新聞医学書のみならず(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20071107)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20080301)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20091221)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20121021)、自宅にあったダイヤモンド社の本も片っ端から読める範囲で読んでいた(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20080105)。父が都市銀行の管理職だったので、ダイヤモンド社やプレジデント社のような本が、両親が学生時代に使ったという英語(英英辞典)やフランス語やドイツ語の辞書類や岩波文庫の文学シリーズ(日本文学、英文学、独文学、仏文学)などと一緒に書棚に並んでいた。今のしょぼい暮らしでは考えられないような、子どもにしては生意気な「知的」生活。
国文学科出身で伝統文化に誇りを持っている割には、このように部分的に西洋志向の基盤がある上に、マレーシアのようなムスリム多数派国での勤務およびリサーチ経験があるために、「マーク」氏とも対等に喧嘩しながら何とか続くのだろうし(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/archive?word=%BC%E8%A4%EA%B0%B7%A4%A4%C3%ED%B0%D5%A5%DE%A1%BC%A5%AF)、ここまで何とかやってこられたのだろう。

ところで、「マーク」氏から寄せられる言葉を自分に対する考察課題だといつも受け止めているが、最近の言葉では(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20131124)、「なぜほとんど常に、左派は重要な地位で優勢であるのか」を考えている。とりあえずの結論としては、「思想上の影響を与えて他者をコントロールして、世の中を変えたいという欲望があるから」というのが私の答え。