日本の緊急援助隊が救助開始「がれきの下に乳児が…」 [読売]

いよいよ活動開始したそうです。

中国の四川大地震を受け日本政府が派遣した国際緊急援助隊の第1陣31人は16日午後、四川省広元市青川県喬荘地区に到着、倒壊した病院宿舎で救助活動を開始した。

今回の地震で中国が外国の救助隊を受け入れたのは同援助隊が初めてで、大震災から既に5日が経過した絶望のふちでの救援活動に、現場では歓迎の声が響いた。

「もう5日もたっているのに」。国際緊急援助隊が作業を進める現場入り口には規制線がはられ、約30人の住人が作業の様子を見守った。現場一帯には腐臭が漂い、ティッシュペーパーで鼻を押さえた住民もいる。

「青川県漢方病院」の宿舎は、コンクリート造りの6階建てだが、中央部分が倒壊した。12人が生き埋めとなった現場からは、既に9人の遺体が中国の救助隊に収容された。だが、依然として出産休暇中の女性と生後70日の乳児とその母親(28)の3人が取り残されている。

建物は粉々に崩れ落ちた状態で、隊員らは、生き埋めになった人がはき出す二酸化炭素の検出器やファイバースコープを、6メートルにも積み上がったがれきの山のなかで使って、生存者の捜索を進めた。救助活動中、体に感じる余震が2度あり、二次災害に巻き込まれないよう注意を払いながらの作業を余儀なくされている。

今回の援助隊副団長の藤谷浩至さんは、「住民も水を差し入れてくれている。期待を肌で感じており、それに応えたい。16日は投光器を用意し、徹夜で作業を続ける」という。

既に現場で腐臭が漂っているような状況らしい。 あまりに被害が広域に及んでいて中国国内だけではとても手が回らない有様らしく、そこに海外からは初めての加勢となる日本の救助隊はかなり期待されているようですが… 何とか少しでも多くの人を救助出来ることを祈るばかりですね。

土砂崩れで湖、決壊の恐れ=中国四川省の衛星画像−宇宙機構 [時事]

昨日に続き「だいち」が災害観測を行なっているようです。 二次災害の危険性も。

宇宙航空研究開発機構は16日、陸域観測技術衛星「だいち」が同日午後1時5分ごろ(日本時間)に撮影した中国四川省成都北方の大規模な土砂崩れ現場の画像を公表した。3月31日に撮影した写真と比べると、山間の川がせき止められて湖のようになっているのが分かる。大雨などで決壊すると、2次災害の恐れがあるという。
土砂崩れ現場は震源の北東に当たり、成都の北約135キロ。撮影画像は各国の互助組織「国際災害チャーター」を通じ、中国に提供される。

大きい画像はこちらから

AVNIR-2による中国四川省で発生した地震に関する観測結果(2) [JAXA]

可視(AVNIR-2)で撮影した画像で、波長により色調補正されているようです。 多分、緑っぽいあたりが崩落した山肌で、青が河川を表しているのでしょう。 ちょっと見分けにくいですが。 NHKのニュースでは台湾の「フォルモサ2号」が観測したほぼ同じエリアの画像を使って報じてましたがw、この見方で見比べるとやはり整合性があります。 カラーなので解像度はほぼ同じのようですね。 どちらも川の流れがせき止められて上流の水かさがヤバイ事になっている様子がはっきり見て取れます。 これがもし決壊すると下流の市街地はさらに壊滅する事態になりますよ… やはりこれだけ広大だと衛星画像でもないと被害を把握しきれませんね。
国際災害チャーターでも「だいち」の画像が掲載され始めてますね。 何故か日本語版ではまだです。

GXロケット、開発費最大2100億円 抜本見直し必至 [朝日]

いやもう流石にこれは…

官民による共同開発が難航している中型の「GXロケット」の開発費総額が、最大で約2100億円と、当初計画を大幅に上回ることが明らかになった。開発主体の宇宙航空研究開発機構と民間のギャラクシーエクスプレス社が15日、計画を中間評価する宇宙開発委員会の小委員会に連名の試算を初めて提出した。

安くて国際競争力のある中型商用ロケットを目指したが、開発費が大型並みに膨れた。開発中止を含む抜本的な見直しが避けられない情勢になった。

試算によると、これから必要な開発費は、実証機2機の費用を含めて最大で約1400億円。米企業の既存品を最大限使い、米空軍の発射場を借りるなどコスト削減を徹底しても約800億円かかる。

当初計画では実証機抜きの開発費が450億円だった。だが、技術的理由で開発が難航、初号機の打ち上げ予定は目標の05年度から6年も遅れている。すでに官民あわせて約700億円を投じており、最終的には総額1500億〜2100億円になる見通し。単純比較はできないが、大型のH2Aの開発費は約1500億円(試験機含まず)、前身のH2は約2700億円(試験機2機を含む)。

02年度に開発が始まったGXは、米企業の既存品と宇宙機構が開発中の新型エンジンを使う。官民は開発継続の姿勢を崩さないが、委員からは「このコストで本当に商用になるのか」「さらに巨額の国費を投じる説明がつかない」などの意見が相次いだ。

マジヤバイですね。 LNG液化天然ガス)を燃料に使うエンジンの世界初の実用化が目玉ですが、燃焼不安定に悪戦苦闘しようやく技術的目途が立った頃には1段目に使うはずだったアメリカ製の機体の生産ラインが閉じてしまいまいた。 あくまで「GX」を通すとなると、LNG以外を最大限アメリカに依存してさらに800億円が必要という話らしい。 どれだけ安く収めても当初の3倍、H-IIA並みに膨らむ事になってしまうようです。
流石にもう引き際でしょうw いずれにしても低コストで事業参入を目指すGXとしては既に失敗ですし、そこへさらに不毛な予算をつぎ込むよりLNG推進の基礎研究に差し戻すか次期固体ロケットのオプションやテストペイロードで実験を進めるかした方が遥かに有意義だと思います…