わ鉄の いい はなし

ちょっと いい はなしだ。







わたらせ渓谷鉄道 路線図
(グーグル 航空 写真)
わたらせ渓谷鉄道 路線図 (グーグル 航空 写真)

群馬県に わたらせ渓谷鉄道って いう 三セクの 鉄道が ある。JR 両毛線と 接続する 桐生 (きりゅう)を 発し、渡良瀬川 (わたらせがわ) ぞいに やまおくに わけいって いく、単線 非電化、延長 44.1キロの ローカル線だ。全線の 末端がわ 6分の 1ほどは 栃木県に はいりこみ、銅山で 有名だった 足尾と つぎの 間藤 (まとう)で 終点と なる。


以前に 議論された、群馬県や 沿線の 自治体からの 支援を うける 方策で ある 「群馬型上下分離方式」が 採用に いたったのか どうか たしかめれとらんだけど、こんな 人家も まばらな たにあいを はしる 鉄道の 経営が くるしく ない はずも なく、駅 構内や トイレの そうじも 「ふるさと 駅長」と いう なの ボランティアに おう。


わたらせ渓谷鉄道の 中心駅 大間々 (おおまま)の 列車 本数 (平日)】
桐生 いき = 1日 18本
間藤 いき = 1日 11本 (最終便だけは 足尾 どまり)


こんかい 紹介するのは、受験も ひかえる 高校生の みで、水沼駅の ふるさと 駅長を つとめる 船越礼子さんだ。毎日の 塾 がよいの かたわら、週 2回 以上は、トイレ そうじなどに はげむと いう。



駅長は 女子高生 〜わ鉄 水沼駅〜

わたらせ渓谷鉄道 (※ 以下、「わ鉄」と 略称)の 水沼駅で 夜間、ボランティア 駅長 「ふるさと 駅長」に 変身する 女子高生が おる。作業は 10分から 20分だけど、週 2、3回、トイレや 駅 構内の 清掃 作業を する。「おさない ころから なれしたしんだ 沿線の 魅力を おおくの ひとに もっと しって もらいたい」。受験生との 「二足の わらじ」を はく 女子高生 駅長は、あきの 行楽 シーズンを まえに きあい じゅうぶんだ。


わ鉄は 約 1年 半 まえ、駅員が おらん 無人駅の 沿線 住民から 公募する 「ふるさと 駅長」と なづけた ボランティア 駅長の 制度を はじめた。







水沼駅 ホームを そうじする
船越礼子さん (あさひ)
水沼駅 ホームを そうじする 船越礼子さん (あさひ)

水沼駅の いまの ふるさと 駅長は、桐生女子高校 3年の 船越礼子さん 17才。おなじ 高校の 卓球部の 先輩の あとを つぎ、ことし 6月に 2代めの ふるさと 駅長に なった。沿線に ある 12の 無人駅で 活躍する ふるさと 駅長の なかでは 最年少。


受験 勉強で いそがしく なった 先輩に かわり、1年 ほど まえから 平日の 駅長 業務を ひきうけとったけど、先輩が この はる、群馬 県外の 大学に 進学し じもとを はなれた ため、後継者と して しらはの やが たった。「やって みたら」。小学校 時代から 書道を おそわっとる 駅 ちかくの 習字 教室の 先生に すすめられた。「ほかに ひきうけてが おらんなら」。先生の ひとことに せなかを おされた。


有人駅と ちがい、列車の 運行 管理や 改札 業務などは せん。ただ、無人で よごれがちに なる 駅の 公衆 トイレの 清掃は 重要な 任務だ。この ほか、駅 構内に おちとる たばこの すいがらなどを ひろって まわったり、まちあいしつを はいたり。


3年生に なって 大学 受験の ため、ほぼ 毎日 塾 がよいを つづけとる。それでも、でむかえの ははに みまもられながら、週に 最低 2回は トイレ そうじなどを かかさん。駅に 併設し 夜間も 営業する 水沼駅 温泉センターの 神山登 社長 60才は 「学業との 両立の なかで、駅長を つづけるのは なかなか たいへんな はず」と はなす。


インターネットで 駅長と して がんばる 船越礼子さんを しった 群馬県 出身の ひとから、この なつやすみに 「これからも がんばって」と 図書 カードが とどいた。温泉センターの 職員から のみものの さしいれを うける ことも しばしばだ。「必要と されとる」。その 感覚が どこか うれしい。


通学や 塾 がよいの ため、水沼−桐生間で 連日の ように わ鉄の ディーゼル車を 利用する。船越さんは 「車窓から みえる さくらや 紅葉は ほんとうに きれい。ちいさい ときから すきだった 沿線の うつくしさを すこしでも おおくの ひとに しって もらう ためにも、できる ところまで がんばりたい」。


(辻森尚仁)


こう いう 苦労を いとわん ひとたちの おかげで、わ鉄って いう 公共 交通 機関の 運行が なりたっとるだな。




(さんこう)