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今週のバクマンと読者の代弁?
新妻先生のアシスタント君、面白い。
いるいる! みたいな。良くも悪くも、なタイプの典型なので、この新キャラが「良く」と「悪く」のどちらかはまだわかりませんが。
いかにも等身大のキャラという感じで、それにつられて新妻エイジも「モンスターのような天才」から「等身大の親しみやすい天才」*1に格下げされてますね。
で、今回のバクマンは、この新キャラを通して「読者と編集部の間にある距離感」が上手く描かれていた気がして、これは作中では新しい視点が入ったな、と。
あのアシスタントくらい、「人気の出るジャンプ漫画の描き方」を読者視点で考えることに人生費やしているなら、新連載の三週目くらいから「打ち切られるかどうか」は原因も含めてほぼ見抜けてしまうし(あの連載もあの連載もあの連載もだ!)、本人が言うように「このくらいの分析はできて当たり前」と思いたいレベルなのですが、
編集部はそんなネームを平気で通すし、原因も一向に改善しようともしない。
……という、「読者の声が現場に届かない感」と「編集者の作者ほったらかし感」がなんか良く出てました。
ここ最近は「編集者もマジメに連載を考えてるんですよ」という編集部サイドにスポットを当てる展開でしたが、やはりジャンプ編集部に対して「打ち切りの原因がよくわからないままネームを通すことを是とする人達」という評価を大場つぐみは下している、のか……? みたいな。
漫画好きのジャンプ読者になるほど「成功の王道(人気の法則)」をかっちり自分の中に持つことができるので、あのアシスタントのように改善点を数え上げられるのですが、基本的に今の編集者っていうのはそういう法則を作りたがらないものなのかもしれませんね。それ(=法則に縛りつけない、バクチに懸ける)も一理あるとは思いますが……。
ちなみにここでアシスタント君に共感するのは「漫画好きが良いと思うような漫画は面白くない」と自覚した上で、「(自分はその漫画好きだけど)漫画好きじゃなくても面白い漫画の方がいいに決まってる」とちゃんとわかってる所ですね。しかもそういう漫画が好きだと思ってるし、そういうジャンプになってほしいと思っている。
この「人気の出る漫画が好き」「漫画好きの好みじゃなくて人の心に訴える漫画の方がいい」ってのはアンケート主義でも商業主義でもなくって、理想的なジャンプ読者のスタンスだと思いますね。*2
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追記
更に彼のバランス感覚がいいのは、「ジャンプで成功する漫画(これから作ろうとしているエイジの漫画)」と「ジャンプでは成功できないが人の心に訴える漫画(サイコーたちの漫画)」と「漫画好きが凄いと思うだけの漫画(エイジの四話目)」をキチンと分けられている所ですね。
エイジの絵が一般受けすること自体は認めているみたいですが、「それだけでは不十分」という相対的な審美眼を持ってるあたり、一面的な価値観だけを信奉するのではなく、複数の「良い漫画の基準」を肯定した上で「ジャンプならこうやるべき」「そうでない漫画は他の雑誌に載るべき」というルールを作り上げているんだという、気の細かい性格を窺わせます。
マジメですよね。