Dr. Orwell and Mr. Blair 1994年
- Animal Farm と Nineteen Eighty-Four を台本にして George Orwell の伝記を小説風にアレンジしたもの。突っ込みはさほど鋭くないが、Orwell 先生について浅く広くつまみ食いできるところがよい
- 農場の所有者 Jones に Alex という息子がいて、Mr. Jones が農場から消えたあとに Orwell 先生がその農場を訪れ、Alex と交流を持ちながら Animal Farm を書いたという設定(あくまでもフィクション)
- タイトルは Dr. Jekyll and Mr. Hyde (『ジキル博士とハイド氏』)をパロったもの。年上の友達のような存在だった Eric Blair と、自分の父親について嘘を書いた George Orwell について Alex の視点で書かれた話
- Animal Farm が Jonathan Swift の『ガリバー旅行記』の影響を受けているとは、言われてみればそうだ。とくに意識したことがなかった
- Orwell 先生の国粋主義者的な面は嫌だな。よくそこらへんいる、イングランド人であることの優越感に浸って、大した根拠もないのに外国人嫌いなオヤジそのもの
- A Clergyman's Daughter を読んだとき、いまひとつテーマがピンボケてるような気がした、その心がわかった。きっとテーマは「貧困の実態」を語るっちゅーことだったんだろうけど、Orwell 先生は政治的風刺が効いているものが素晴らしいんであって、それがない小説はいまひとつなんだ
- この David Caute という人はサルトル先生の追っかけかなんかか
- 本書は絶版なので、モノの貸し借りにだらしない人には絶対に貸さない
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ジョージ・オーウェル 『動物農場』 『1984年』