じゃぽブログ

公益財団法人日本伝統文化振興財団のスタッフが綴る、旬な話題、出来事、気になるあれこれ。

「いとみち」

三味線を弾く女の子の表紙にひかれて、「いとみち」(越谷オサム著、新潮文庫)を読みました。

極度の人見知りを直したいと、思い切ってメイドカフェでアルバイトを始めた女子高校生、いとちゃんが様々な人に出会い、成長していく物語・・・ですが、バイト先のメイドカフェがあるのは秋葉原ではなく青森市弘前の高校に五能線で通学するという津軽が舞台の、ライトノベル系の楽しい青春小説です。
いとの祖母のハツエは津軽三味線の名人で、なぜかロックギタリスト、ヴァン・ヘイレンの大ファン。「いと」も小さいころから三味線に親しんできましたが、あることがきっかけで距離をおくようになってしまい・・・。
「いとみち」は三味線をよく弾く人の左の人さし指の爪の先に、弦とこすれてできるミゾのことをいいますが、同時に「糸(=三味線)の道」でもあります。
このお話には津軽三味線が活躍するすてきな結末が用意されています。読むときっと津軽三味線が聞きたくなります。

CD「古典芸能ベストセレクション」シリーズの「津軽三味線」は、明治生まれの高橋竹山、木田林松栄など伝説の名人から現在活躍中の30代の演奏家まで、選りすぐりの30曲がCD2枚に収められています。
一口に津軽三味線といっても、それぞれに違った味わいがあります。ぜひ好きな演奏家、好きな曲をみつけてみてください。
じゃぽ音っと作品情報:古典芸能ベストセレクション 名手・名曲・名演集「津軽三味線」(2枚組)

(Y)