『ほうかご探偵隊』倉知淳

読みました。今まで読んだミステリーランドの中でいちばん、青い鳥文庫に入っていても違和感がない作品。こういうこまっしゃくれたこという子いるよねー。ていうか自分自身が難しい言葉とか使いたがる子だったわけですけれども。謎とその解決もごくごく穏当、倉知淳っぽいチープさもあって良いですね。もはや欠かせない唐沢なをきの絵も何のひねりもなく学校を描いているだけで、素直でよろしいです。

ほうかご探偵隊 (ミステリーランド)

ほうかご探偵隊 (ミステリーランド)

『禁じられた楽園』恩田陸

読みました。あー、怖かったー。こんな怖い話だとは知らなかったので余計に。『六番目の小夜子』の劇のシーン、あれを10倍怖くした感じ。腑に落ちない点もあるんですが、個人的に恩田陸作品の中ではかなり好きなほうです。装丁は何となく耽美なにおいがしますが、そんなこともなくはないかな、……あれ?インスタレーションとかそういう現代芸術に興味がある人は読んでみるとおもしろいかも。

禁じられた楽園

禁じられた楽園

『鏡姉妹の飛ぶ教室』佐藤友哉

読みました。佐藤先生待望の新刊ですよ。ちなみにWEB連載はPDFで読むのがしんどいので3回くらいで諦めた口です。連載なので、味わって読んだり前後の関係を考えたりしながら読むものではありません。次どうなんの?ってページをめくる手が止まらないくらいのモチベーションを用意してからとりかかりましょう。『フリッカー式』と『エナメルを塗った魂の比重』のことを覚えている人はより楽しめると思います。うん。普通に、わーグローい、佐奈ちゃんがんばれー、しまったうっかり感動してしまった……、とか思いながら読みました。楽しかったです。

鏡姉妹の飛ぶ教室 (講談社ノベルス)

鏡姉妹の飛ぶ教室 (講談社ノベルス)

『メシアの処方箋』機本伸司

読みました。ヒマラヤの奥から何か出てきたー、の序盤はともかく、メシアを実際につくる計画の段になると化学なんてとんでもない生物すら授業とってただけの理科音痴にはちょっと厳しかった。それから終盤に向かって登場人物が増えていくんですが、名前だけでキャラが立ってない人が多いので読んでてよくわからなくなってくる。でもラストはおもしろかったですよ。ああ、そういうところに落とすのかー、って思いました。あと、主人公かわいそうすぎです。ここまで影の薄い、使われるだけの主人公がかつていただろうか。あとあと、この表紙絵は何かが間違っている気がします。

メシアの処方箋

メシアの処方箋