『羊をめぐる冒険』村上春樹

何度目かわからない再読。自分でも何でこんなにこの小説が好きなのかがわからないのですが好きすぎて困ります。読んでると高校の図書室とかそんなことをいろいろ思い出して、嗚呼ノスタルジック……、なのです。しかしこれは、子供の頃好きだったけど今食べてみたら大して美味しくもなかった、という駄菓子のような懐かしさに支えられた小説ではありません。もちろん。今読んでも大変おもしろいし、以前は読めていなかった様々な仕掛けに気づくのでむしろおもしろさ倍増です。年をとるのは決して悪いことではないですよ。ね。

羊をめぐる冒険 (上) (講談社文庫)

羊をめぐる冒険 (上) (講談社文庫)

羊をめぐる冒険 (下) (講談社文庫)

羊をめぐる冒険 (下) (講談社文庫)

『誰か―Somebody』宮部みゆき

考えてみれば宮部みゆき読むのって『模倣犯』以来?というくらい久しぶり。あとあじがわるい、という評判は聞き及んでおりましたが、これはなあ……。ほんとうに「後味が悪い」です。何だかんだ言って悪意からは遠い安全圏にいる主人公なので、君は品行方正だし運もいいよね、と思ってしまってちょっと苛々します。「苦い」のは嫌いじゃないけど、これは砂を噛まされたみたいな話でした。

誰か ----Somebody

誰か ----Somebody

『超妹大戦シスマゲドン 1』古橋秀之

くっっっっっだらねええええええええ。カッコいいよフルハシ。

超妹大戦シスマゲドン (1) (ファミ通文庫)

超妹大戦シスマゲドン (1) (ファミ通文庫)

「おれはミサイル」秋山瑞人

2003年に星雲賞日本短編部門を受賞した作品。京都の方にSFマガジンのコピーを送っていただきました。ありがとうございます。いや、これがもう、素晴らしい……。秋山瑞人に久々に触れたせいもあるかもなのですが、泣きそうになってしまいました。戦闘機とミサイルの話で、人間は出てきません。素晴らしい。ミサイルがかわいい。素晴らしい。
SFマガジン 2002年2月号・5月号所収)