あうとわ~ど・ばうんど

Other Aspects

いろんなところでEric Dolphyが盛り上がっているようだ(自分の周辺だけ?)。それに影響されて(笑)久々にドルフィーの「Other Aspects」を聴いた。以前聴いたときより、意外にフツーに聴けたので驚いた。
全5曲41分。1曲目が1962年、2-4曲目が60年11月、5曲目が60年7月、ドルフィーの私家盤録音。最後のヨーロッパ楽旅に行く前に、(しばらくアメリカに帰らないつもりで)友人に「発表するな」と託し、結局ドルフィーは急死してしまうのだが、死後20年以上経って発掘され(なんかカフカみたいな話)、87年にBlueNoteから発売された。が、その後再発された様子がないようだ。
1曲目「Jim Crow」。これが、このアルバムのハイライト(だと思う)。ドルフィーがアルト、バスクラ、フルートを駆使。オペラ風の前衛ヴォーカル、ピアノ、ベース、パーカッションと現代音楽的セッションを繰り広げる。メンバーはUnknownなのだが、ピアノだけが最近判明。なんとボブ・ジェームスなんだそうな(キャリア初期に、フリージャズに手を染めたことがあるという)。コレクティヴ・インプロっぽい前半から、中盤では曲演奏になるが、これ聴くと、未完成ながら既に「Out To Lunch」の萌芽があって、興味深い。
2-4曲目はジャズ作法に則っていて聴きやすい。2、4曲目「Inner Flight」はドルフィーのフルート・ソロ。「Last Date」の『You Don't Know What Love Is』の前奏を想起させるというか、ツー・ファイヴっぽいフレーズが頻出する。3曲目は「Dolphy'n」、アルトとベースのデュオ(ロン・カーターとクレジットされているが、個人的には違うような気もするけど…どうなんだろう)。たぶん、スタンダードのコード進行使ってると思う(曲は分からない。誰か耳のいい人教えて)。
5曲目「Improvisations and Tukras」、これがよく分からない。録音時期としては「Outward Bound」と「Out There」の間(!)。ドルフィーのフルート、Gina Lalliとかいうタブラとスキャット、Roger Masonとかいうタンブーラとのトリオ。ドルフィーが繰り返すメロディーに乗って、タブラ女が「ディゲラデグリ、ディゲラデグリ、タッタッタ」などと歌う。という、なんだかなー、の世界。たぶん、ドルフィーなりにインド音楽を消化しようとしたんではないかなと思う。
このアルバムは未完成な演奏の集まりなのだが、そもそもドルフィー自体が「未完成」なミュージシャンといえる。だが、その「未完成」ということも、すべてに向かって開かれているような感じがして、ドルフィーの魅力の一つなんだと思う。