野性時代 vol.17 (2005 4) (17) KADOKAWA文芸MOOK 17
野生時代」…買うのは初めてだな。だいたい文芸誌買わないし。姫野カオルコの短編「卒業写真」が読みたいが為に買ってみた。筆者のインタビューもあり。来月「桃」という短編集が出るらしい。表題作はたぶんアンソロジーに入ってたやつだな。そのほかにも「ツ、イ、ラ、ク」の登場人物が出てくる短編があるらしい。すばらしいサービス精神ですね。ていうか「卒業写真」にも<長命中学>出てくるし。楽しみだな。しかしそのほかはあんまり読みたいものもなかったな。佐藤正午も書いてるけど連載みたいだから途中で読みたくないし。宮籐官九郎×しりあがり寿の「真夜中の弥次さん喜多さん」公開記念対談くらいか。
NANA―ナナ― 12 (りぼんマスコットコミックス)
NANA―ナナ― 12 (りぼんマスコットコミックス)』購入。雑誌で読んじゃってるから今さらだが。この巻の冒頭にある数年後のシーンが気になる。これからいったいどういうふうになるのかなぁ。

私が語りはじめた彼は(三浦しをん/新潮社)

私が語りはじめた彼は
浮気性で最終的には家族を捨てて他の女に走ったある大学教授。彼に関わらざるを得なかった人々を主人公にした連作短編集。
「彼」はあまり出てこない。「彼」の存在が引き起こした波紋の呪縛から逃れられない人々の物語である。こういう手法の小説ってけっこうあるなぁ。川上弘美『ニシノユキヒコの恋と冒険』や平安寿子『なんにもうまくいかないわ』(これは「彼女」だが)、ほかにも小池真理子とかの作品にもあったような…。
三浦しをんらしさがなりをひそめて、ただの上手い作品になってるかんじがする。これまで読んだ作品の中ではたぶん一番完成度が高くて上手いのだが、印象が薄いっていうか…。個人的にはこれまでのような個性的な作品が読みたいなぁ。