1953年広島市生まれ。アン・タイラーに触発されて小説を書きはじめる ペンネームはas Anne Tyler(アン・タイラーのような)のもじりから。 1999年「素晴らしい一日」で第79回オール読物新人賞を受賞。 2001年、受賞作を含む書き下ろし作品集「素晴らしき一日」(文春文庫) 著書に「グッドラックららばい」(講談社)「もっと、わたしを」(幻冬舎) 「パートタイム・パートナー」(光文社文庫)「明日、月の上で」(徳間書店)など
2023年現在、ブログを始めたと伝えたときの反応ナンバーワンは「なんでブログ?オワコンじゃね?」である。今年何度言われたことか。まあ数人にしか言ってないし、繰り返し言ってくるのは家族なんだけど。 確かに、いまどこかに書いておきたいと思うなら断然noteだろう。さらに言うならいまは文章じゃなく写真、動画の時代らしい。やるならInstagram、youtube、TikTok、なんである。 じゃあなぜわたしはブログをやっているのか。振り返ると見えてきた。わたしは2000年代のブログの世界に憧れている。多分、この本の影響が強い。 恋愛嫌い (集英社文庫) 作者:平安寿子 集英社 Amazon 平安寿子…
世間的な幸せと、自分自身の幸せって、全然違うのになんでいつもごっちゃになっちゃうんだろう? こんな堂々巡りの悩みのループにはまりそうな時、繰り返し読んでいるのがこの「恋愛嫌い」です。 恋愛嫌い (集英社文庫) 作者:平安寿子 集英社 Amazon 2007年に小説すばるで連載されていたこの作品は、時事ネタも多いので正直だいぶ古い小説だとは思います。でも根本的な考え方というか、悩みの質としては変わっていないと思うんですよね〜。 人と付き合った経験がないわけじゃないけど…恋愛は苦手。そう思っている女性の、それぞれに感じた「違和感」に焦点を当てているのがこの作品の特徴です。 このまま流れにまかせた方…
大体は単調で長いであろう人生のなかで、一日くらいこんな日があったら面白い。今日は、かつて貸したお金を取り立てる一日を描いた「素晴らしい一日」をレビューしていきます。 素晴らしい一日 (文春文庫) 作者:平安 寿子 文藝春秋 Amazon この小説は6編からなる短編小説で、はじめの作品が表題の「素晴らしい一日」です。 勤務先が倒産、挙句に恋人まで雲隠れする。割と人生のどん底な30歳の主人公・幸恵は、一時付き合っていた男に20万円貸していたことを思い出し、取り立てに行くことを決意します。 取り立て先の"友郎”は憎めない男 別の人に借金を肩代わりしてもらう旅がスタート 仕方なく同行する先で見える人間…
小説「こっちへお入り」は、アラサーOLが落語に目覚め、日々の生活や周囲もひっくるめて少しずつ変化していく話。私も同じように目覚め、周囲が変わっていった経験があるので共感するものがあった。 主人公は32歳OL。仕事は大変なこともあるけどまあ何とか。彼氏もいるけどすごく幸せというわけでもない、という等身大の人物。 自治体の落語教室に通う友人に誘われて、落語の発表会を観るシーンから始まる。お世辞にも上手いとは言えない素人落語を観ながらも、なかには魅せる落語もできる人がいることに気が付く。流れで行った打ち上げで、上手い下手問わず生き生きと「次は何をやろうかね~!」と話す彼女たちをみて思わず「落語ってそ…
平安寿子著「人生の使い方」 日本放送出版協会(NHK出版) 気持ちがしんどかった時に、軽い気持ちで読むことができた本を紹介します。 タイトルに惹かれ、ふと手にとった本ですが、良かったです。人生の生きがい、ハリを求め、中年夫婦が、定年後の人生に備え、カルチャースクールでいろいろ試すことから物語は始まります。 旦那さんは明日の仕事をどうするかで胃の痛む思いをしていて、仕事で手一杯。最初は乗り気ではなかったが、次第に趣味探しをするように。 兄が脳梗塞で倒れ、一旦は呑気に趣味探しをしている場合ではないと中断するが、その兄のリハビリ生活をする中で、余暇や楽しみの必要性を再度実感します。再び、人生を楽しむ…
レッツゴー・ばーさん!:平安寿子著のレビューです。 感想・あらすじ ここ最近読んだ本のなかで一番震えた!? 最期の究極のロマンとは? レッツゴー・ばーさん! (単行本) 作者:平 安寿子 発売日: 2014/12/08 メディア: 単行本 感想・あらすじ ここ最近読んだ本のなかで一番震えた!? 意外でしょうが、ここ最近読んだ本で、一番怖かった本のように思える。ホラー本は本を閉じたら終わるけれど、この本は本を閉じたところから恐怖が始まる。しかも他人ごとではなく、自分の身にも将来必ず起こる。だからリアルに身震えしちゃいます。 本書は60歳になった独身女性・文子の「老い」にともない起こる様々な現象を…
まったく、もう!と思いながらも、人は互いに許容しあって生きているんだった。 主人公を通していろんなタイプのしょうがない人を見ていくうちに、そんな考えが自然と湧いてきた。 今日は、平安寿子著「しょうがない人」をレビューする。 しょうがない人 (中公文庫) 作者:平安寿子 中央公論新社 Amazon あらすじ たとえばこんな「しょうがないひと」 「しょうがない」というか、「しょうもない」というか、 あなたもわたしも「しょうがない人」 あらすじ なんだか自分ばっかり損してる気がする。面倒ごとに巻き込まれて割に合わない。こんなにわたしはちゃんとしてるのに!…とまではいかないまでも、こんな気持ちは結構浮…
1日「1にんじんと1孫子」を始めてしばらく経った。 1日1区切りずつ、両方とも読み進めるというもの。 風呂で本を読むことが日々のお楽しみなんだけど、最近はちょっと趣向を変えて遊んでいる。 今までは20代前半の頃読んだ小説(江國香織、よしもとばなな、平安寿子など)の再読が中心だった。昔は感傷的な世界にどっっっぷり浸かっており、生きるのもさぞ辛かったろうと読み返しながら思う。 わたしはどうやら少し鈍感になれたようで、ずっとこの系統を再読してたら自家中毒を起こしそうになった。感傷的すぎるのは今の自分によくない。 長くなったけどそんなわけで、「1にんじんと1孫子」にたどり着いた。今日は2書を選んだきっ…
複数のエッセイを並行読みしていたら、立て続けに「年をとって言葉が出てこなくなった」という話が目に入った。まず固有名詞から出てこなくなる、らしい。 文章を書く仕事をしている人でもそうなんだから、わたしもそのうち言葉を失う時がくるのだろう。 でももう、きてるっちゃきてる。あ、あの話読みたいな…あのシーン…なんだっけ…… 読み返したい作品の、名前が出てこない。 books-limelight.com 前にもあって、その後も何回かあったけど記事にはしてなかった。もはやこれすらネタにして、思い出したらうれしーーー!ってことも記事にしちゃえばいいんだ。 ちなみに今回のおぼろげな記憶はこんな感じ。 主人公の…
ひとり部屋のその後 自分の部屋があると 何がいいか ポケモンが繋がらない 2階は繋がりにくいらしい スマホが原因?? 老後の1人部屋の為に 快適には、速暖の暖房が必要 ひとり部屋のその後 前回夫と寝室を別々にして 自分の部屋ができたこの続きです。 ecomadonna.hatenablog.com孫たちと池袋のポケモンセンターへ行って来ました(^o^) 自分の部屋があると 何がいいか ★睡眠不足がなくなる★寝ながらテレビが観られる★夜中に目が覚めても 気兼ね無しに、好きな事が出来る★物が分散されて、リビングがスッキリする★なんだか 癒やされる良いことずくめ かなり 快適けれども........…
なんだかアクセス数が見たこともない数値になっています。コンビニ人間のレビューをはてなで取り上げてもらったんですね。新たに読者になってくださる方もいて、嬉しいです。ありがとうございます…! もうこんなことないと思うので、スクショしました この読書ブログも50記事を超えたし、このブログは自分がどんな風に本を選んでどんなことを思ったのか。備忘録の本棚のように使うことを目的としていたりもするので、今日は今までレビューした記事を振り返りながら紹介するようなまとめ記事を作ってみようと思います。 今日くくってみるテーマは、「好きな作家、気になる作家」です。どうも、自分の嗜好が未だによくわからないんですよね。…
図書館のなかのジュリービギナーJULIEファンの“はるはる”が、沢田研二様に関する(図書館で借りた)書籍を、ジュリーに著しく偏った観点で語る読書メモです(一般的な書評とは異なることをご了承ください) ジュリー度:★★★★(5段階) 平安寿子著「あなたがパラダイス」朝日新聞社,2007年,1600円+税 ジュリー初心者の私がツイッターのジュリークラスター界隈に棲んでから現在進行形で思っているのが「先輩ファンの皆さまがやけに可愛い」ということ。 つぶやく内容が可愛いし、時折写真がアップされるグッズや身の回り品・ファッションも可愛い。行動も可愛いし、ジュリー様への愛情表現も一途で可愛い。 ううむ。な…
使用する資料 作家の読書道: 出演作家一覧 | WEB本の雑誌 結論001-101回、156ー255回、青空文庫、なし。001-050回、寺田寅彦、なし。 海音寺潮五郎、寺村輝夫、寺山修司、金閣寺、あり、15分+60分+15分=90分、かかった。 ○又吉直樹(1980年うまれ) ・青空文庫 1件(7) ・古本 2件(5) ・インターネット 0件 ・映画 1件(1, ) ・テレビ 0件 ・寺(田寅彦) 0件(いちおう、作業量をへらすため「マンガ」と「アニメ」は除外、「映画」にいれておく) 又吉:僕、だいたい2回か3回は普通に読みます。いちばん読み返したのは『人間失格』と芥川の『戯作三昧』とかかな…
最近、昔読んだ本を思い出しては読み返しています。ひとつ、10年前くらいに読んだきりで名前を思い出せない小説があって困っています。 おぼろげな記憶ではこんな話です。 働く女性が主人公。年齢は30〜40代で、失恋したか、他に思うところがあったかでマンションを探す話。内見に行ったのは神楽坂の小さなマンションで、日当たりが悪くてどことなく寂しい印象の家だった。だけど主人公はその部屋に自分と重なるものがある気がして、好条件じゃないし安くもないその物件の購入を決める。最後、西日が差し込む新居で、これがわたしらしさだ…という雰囲気で終わる。 結構詳細に思い出せるのに!!(記憶違いかもだけど)肝心の小説の題名…
家という商品は、食べ物や服や靴とは大きく異なります。自分のものにしようと思えば、普通は20年、30年という長期ローンを組まなければならないほど、お金がかかります。その結果、働いて稼ぐお金のうち、かなりの部分がローンに吸い上げられることになります。ローンの返済に四苦八苦することを余儀なくさせられるのが、家の取得なのです。つまるところ、「人は生涯の大半を家と引き換えにする」わけです。それだけではありません。たとえ多くの資金を費やして手に入れたとしても、同じ家には永遠に住むことはできません。家は、年数が経てばそれだけ劣化していきます。いつの日か、補修(リフォーム)をしたり、リノベーションをしたり、解…