例によってTwitterで見かけたんだと思う。ノンフィクションで、とあるアパートで孤独死したある身元不明の女性、古い金庫に現金3400万円を残し、右手の指が全部なかった、住民票は無く、数十年ひっそりと住み続けたアパートの契約は別の人の名義で…等々。ふとしたきっかけで興味を抱いた新聞記者ふたりが、わずかに残された手掛かりから、警察も探偵もわからなかった彼女の身元をしらべはじめる。亡くなった彼女の人生がかすかに浮かび上がる…
とてもよかった。卒論を書いている学生さんにもすすめた。資料や聞き取りから、あるひとの人生を浮かび上がらせる、みたいなことは、勉強になるっていうか、こういうのをたくさん読んでるときっといいだろうなというか。
通勤電車で読む『読書と暴動』。じっさいに暴れている人の本はよい。
プッシー・ライオットというとロシアW杯でなんかグラウンドに乱入した人だっけ、ぐらいの印象で、しかし本を読んでみたらとてもよかった。
『ハロルド・ガーフィンケル』読んだ。ガーフィンケルを辿ってエスノメソドロジーがわかるというよい本。
エスノメソドロジーというのはやはりよくわかんないところがあるわけだけれど、むかし、めずらしく英語でロールズの長い序文を読んだり、この本の英語版のやつを読んだり(https://k-i-t.hatenablog.com/entry/20160112/p1)したときに、なぜかわかんないながら、あれ?エスノメソドロジーってふつうのことを言ってるんじゃないの?という感覚が一瞬、あって、まぁそれはたぶん一瞬だけだったかもなわけだけれど、つまり、ガーフィンケルがどんなふうに勉強してどんなふうにエスノメソドロジーに辿りついてどんなふうに研究をすすめていったかを辿ると、なんとなく、わかるかんじがしたわけである。前も書いたけど、たとえばガーフィンケルが若い頃、家業の商売のために「会計 accounting」の勉強をして家の手伝いをしたりしていたのが、シュッツの勉強をしたのよりずっと、後年のエスノメソドロジーに役に立ったとかなんとか。エスノメソドロジーっていう体系が抽象的にあるのではなくて、具体的にガーフィンケルがあれこれやっていくなかで形を成してきたものなんだというか。まぁ、例によってひとりでほにゃーっと読んだのでまぁさしあたり読めた以外のちゃんとしたところは読めてないかもなわけだけれど。翻訳が出るというので早々に注文して、届いたんでわーいっつってけっこうすぐ読んだ。やはり良い本だったと思います。
散髪をしたときには散髪をしたと書きますよ。
散髪をした。