k-takahashi's blog

個人雑記用

クルーグマン:恒星系間貿易の理論

 なんか、大人気になっているエントリー。
正しいかどうかを判断できるだけの素養はないのだけれど、読んだ限りでは「なるほどな」と思った。


 トラベラーでは、宇宙船を購入するときにローンを組むことができる。価格の20%が現金払い、残りの80%を40年で返却するのが標準である。よくある貿易船だと価格が大体40MCr(Mは100万。1Crは、まあ1$です)。20%は8MCrで、さすがにこれをPCが用意するのは難しいのですが、除隊恩典で貰う場合が多い。
 残りの80%については、毎月価格の240分の1を40年間にわたって返済します。毎月13万Cr強ですね。この借金返済に苦労するというのがトラベラーの基本パターンの一つです。


 ところで、昔、「帝国の首都と辺境とでローン金利が同じなのはいいのか?」という議論があったのですが、「これは帝国が政策として統一しているものだから」という理屈でその時は押し切りました。 通貨が同じだから金利は同じなのではないかという話もあったのですが、当時はあまりピンとこなかったので。


 ところが、上記の記事を読んだらちゃんと書いてありました。

恒星系間貿易の第二基本定理:もし知性体がおなじ慣性系にある二つの惑星において債権を所有するなら、競争により二つの惑星での利子率は均等化する。

クルーグマン:恒星系間貿易の理論 - P.E.S.

銀行から見ればローンは債権です。帝国首都と辺境星系とは同じ慣性系に属しますし、通貨も共通ですから、当時のGDWスタッフの決定は正しかったんですね。失礼しました。


 と思ったのですが、考えてみるとトラベラーの最初の「宇宙船」の項目が出版されたのは1977年。上記のクルーグマン教授の論文は1978年だから、GDWの方が先? 
ゲーム処理の都合がたまたま当たっていただけなわけですが、ちょっと感心した。
(でも、"FAR TRADER"*1の追加ルールでは、ローン金利は首都と辺境では差を付けてあったな。まあ、債権自体が異なるということなんだろうけど。)

*1:

Far Trader: Profit and Pitfalls Among the Stars (Gurps Traveller)

Far Trader: Profit and Pitfalls Among the Stars (Gurps Traveller)