昨日のエントリーの補足。
虹色ディップスイッチ―ファミコン業界クエスト (Login Books)
- 作者: 堀井雄二
- 出版社/メーカー: ビジネス・アスキー
- 発売日: 1990/04
- メディア: 単行本
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戦闘の様子は画面内のウィンドウに文字で表記される。プレイヤーは、その文章から、戦闘の様子を自分の頭の中でイメージし、さらにダメージを表す数字に一喜一憂できなくてはならない。
力の強さ、すばやさ、武器や防具を身につけたときの攻撃力、守備力などキャラクターの各種ステータスも、数字で表現される。
そして、レベルが上がり、それらの数字が少しずつ増えてゆくことに喜びを見いだせないようでは、このゲームを楽しむことはできない。
パソコンのユーザーなら、そんなことはとっくの昔にできている。だからこそ、ここまでRPGが流行したのであろう。
しかし、それと同じことを、ファミコンのユーザーに期待していいのか?(pp.26-27)
この、『ドラゴンクエスト』には、それがない。自分でいきなりどうしていいのかわからなくなってしまうらしい。
レベルをあげるという概念も理解できないのであろう。
「これじゃダメだ!」
スタッフ一同集まり、何度も会議がもたれた。
そして、でてきた結果が、今キミたちが手にしているであろう、その完成バージョンである。
スタート地点は王様のまえ。まずゲーム目的が明確にされる。
そして、王の部屋にドアをつけ、ある程度コマンドの使用法を理解しない限り、そこを脱出できないようにしたのだ。
たぶん子供達は、そこから出ようとして、ガムシャラになんでもやってみるだろう。そして脱出できたときは、コマンドの使用法がわかっているというわけ。
さらに、最初のレベルは、たった七ポイントの経験値で上がるようにした。おまけに死んでも、ゴールドが半分になるだけで、ゲームオーバーにならない。イヤでもレベルが上がる。(pp.31-32)
(強調部は私によるもの)
初出は「ログインの1989年7月号」と書いてあるが、多分「1986年」の誤植だと思う。
ここを読む限りでは、システムを理解してもらう(レベル上げが楽しいことを分かって貰う)ために、経験値が減らないようにしたのが主眼に思える。
ただ、本書の他の部分では「RPGで物語を」という発言もあるので、どこかでそこも意識するようになったのも事実だろう。ただ、最初からそれを狙っていたというのは後付けではないか?