戦後風俗あれこれ

昭和館で ≪希望を追いかけて フロリダ州立大学所蔵写真展≫ を見ました.撮影者のオリバー・L・オースティンJr. は「戦後まもない昭和21年(1946)9月から25年2月まで、GHQ(連合国総司令部)の天然資源局野生動物課長として日本に滞在した鳥類学者」だそうです.鳥類の調査をおこなうかたわら,日本のあちこちの風俗なども撮影しており,そのうち70点ほどを今回は展示しています.都心の光景も今とはずいぶん違います.現・東京宝塚劇場が「アーニー・パイル劇場」と称されていたり,帝国ホテルは「インペリアル・ホテル」となっています.人々の衣服なんかにも,敗戦後の状況をおもわせるところが多々あります.撮影地を地図上に示したり,現在の同地域の写真を添えたりもしていますが,どこで撮影したのか特定できない写真もあるようです.また,昭和館の収蔵品なのでしょうか,当時の衣服や自転車やミシンなどを「参考展示」しています.それにしても,うさんくさい事態が頻出している今,「過去」を検証するための貴重な資料を残しておいてくれたことに,感謝の念を禁じえません.