美術品といってもいい

国際基督教大学博物館湯浅八郎記念館で ≪携帯の形・ひらく弁当箱≫ を見ました.「弁当箱」ということばには(わたくしひとりの感覚かもしれないんですが)どこか卑近なニュアンスがあって,高級なものではないようにおもっていたのですけど,この展示で考えをあらためました.漆塗りをほどこして蒔絵や螺鈿で装飾するなど,美術品といってもいいようなものがあります.さまざまなうつわを入子細工のようにして収めるなど,構造の面でもすぐれた工夫が見られます.同時に展示されている浮世絵の,芝居小屋を描いたものには,劇場内で飲食しているひとたちがいて,弁当箱というものがひろく行き渡っていたことがわかります.たかが弁当箱,されど弁当箱とでもいったらいいでしょうか,おもしろく拝見しました.