インタビュー : 加山久夫・松沢資料館館長

 賀川豊彦とはどんな人物だったのか、今、賀川の思想や業績を知るのはどんな意味があるのか、献身100年記念事業東京プロジェクト事務局長を務める加山久夫・賀川豊彦記念松沢資料館館長に話を聞いた。
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 ―賀川の人物像は?
 「今で言うところのマルチ人間で、一つの分野を極めて一生を終えたのとは違う。知的関心のおう盛な人だったが、常に実践と結びついていた。日本人の知識人としてユニークな存在だった。
 米国での評価が高かったのも、実践を重んじ社会に貢献する点で,欧米人の方が共感的に彼を理解する文化をもっているからだと思う。キリスト教の枠組みの中でも、伝統的な牧師像からはみ出し、教会に閉じこもらずに、キリスト教社会倫理の実践に関心があった。

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