フェスティバル/トーキョー09春「転校生」 (再見)


3月27日(金)に、東京芸術劇場 中ホールで、

「転校生」
(平田オリザ 作、飴屋法水 演出)

を見た。前日の26日(http://d.hatena.ne.jp/kamuro/20090328/p1)に引き続いての「転校生」観劇。


午後7時開演。

27日の夜は、当初は、浜田山あたりでの観劇を予定していたが、昼の「ムサシ」の上演時間が3時間半を超えるということで、とても開演に間に合わないので、充分間に合う「転校生」を当日券で見ることにした。

S席とA席がありますというので、A席にしてみた。前日は、4列目の席だったが前のお客さんが被って舞台が見づらかったのと、29日の公演ではまた前方の座席を買ってあるので、いちど後方から俯瞰的に見たいとも思ったので。(そもそも、チケットぴあなどでは、A席の扱いはなかった)

この作品は、客席通路での演技が多いので、後方の席からのほうが、キャストの出入りや通路の使い方が視認出来て、いい。

部活をイメージしたようなオープニングのシーンで、楽器の音がするのは、あれはじっさいに舞台上手側で生徒のひとりが吹いていたのか、と。前日の観劇では、死角に入っていて気づかなかった。

26日のステージで、紅林ちゃんがカバンの中身をぶちまけたのがハプニングだったことがはっきり確認出来た。「ねこにゃんぼぅ」を持っている生徒は、なごみちゃんというのだね。「和」と書いてなごみというのかな。

パンダの映像が、けっこう面白い。前日に見たときは、特段に可笑しいとも思わなかったのだが・・・哺乳ビンでミルクを飲んでいるパンダとか、パン食い競争みたいなことしてるパンダが、妙に可笑しい。

エンディングのクレジットによると、「転校生」は72歳だ。


さて、27日(金)は、終演後、10分程度の休憩を挟んで、ポストパフォーマンストークがあった。ポストパフォーマンストークは、約30分。

出演は、舞台下手側から、宮城聰(SPAC芸術総監督)、平田オリザ(作)、飴屋法水(演出)の3氏。

冒頭の胎児の映像は、演出家のお子さんのもので、その飴屋法水氏の言によれば、出演者の高校生たちは、演出家から見ると娘世代、「転校生」は母親にあたる年齢、じっさいの氏の娘さん(の胎児のときの映像)と、演出家を含めて4世代ということを意識したとのことだ。


それにしても、(私のような)商業演劇の観客にとっては、この「ポストパフォーマンストーク」という言葉は、耳慣れないもので、いったいこの仰々しいカタカナ言葉は何なのだ?と思う。

近年は、商業演劇でも、個人客を重視するようになったのか、ミュージカルなどで、ファンサービスや集客のテコ入れのために、終演後に似たようなイベントを行なうことが増えているが、たいていは「トークショー」とでもいうのではないか。また、その出演も、劇作家や演出家ではなく、キャストであることが多い。そんな大劇場の芝居とは異なり、この手の演劇というのは、役者よりも作家や演出家のほうに比重があるのだなぁ、とつくづく思った。先月に見た「グランド・フィナーレ」のアフタートークでも、俳優は出て来なくて、作家や演出家によるものだった。商業演劇では、だれが脚本を書き、演出をしているのかについて、観客は、あまり気に留めていないであろう。一部のスター的演出家が手がける場合以外は、演出家の名前など意識せずに、だれが演じるかに関心を持って舞台を見る。
両者のちがいが、終演後の企画のあり方に特徴的に表れていると分かったのも、面白かった。

            • -

[追記]
3月29日の観劇については、↓

http://d.hatena.ne.jp/kamuro/20090401/p2