ある未来,"貴族"が支配する世界の物語.
ライトノベルでは珍しい(かもしれない)本格的な
ディストピア小説.
インパクトある世界の表現に何より強く魅かれた.吸血鬼やクローンといった SF,ファンタジーのガジェットを織り交ぜた暴力的で強烈な世界観が何ともいえず魅力的.その世界観のじらすような,ちらつかせるような見せ方も並みの作家と一線を画す印象.
木村航はこれがはじめてだけど面白かった.今回はほぼ一冊を費やしての「プロローグ」といった趣ではあったものの,それでこれだけ魅せてくれるんだから,話が動き始めるであろう続編にはかなりの期待が出来ると思う.楽しみ.