犬村小六 『とある飛空士への恋歌2』 (ガガガ文庫)

とある飛空士への恋歌 2 (ガガガ文庫)

とある飛空士への恋歌 2 (ガガガ文庫)

でもせめていまは、たわいない希望を語ってみたい。

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空飛ぶ島イスラ."空の果て"を目指して旅立った島に建てられたカドケス高等学校飛空科での,カルエルたちの屈託のない学生生活と,その後に訪れるであろう暗雲の兆し.
ベタベタで甘甘な学生生活に費やしきった一冊.『とある飛空士への追憶』と重なる夜のシーンはファンへのサービス,かな.キャッキャウフフを存分に描きながら,頑なだったカルエルが柔軟に周囲に目を向けるようになったり,クレアがカルエルの正体にうすうす気づいたりと,一冊に詰め込んだ展開はかなり性急.この分だと完結まで案外長引かない,のかな? 個人的には,学校以外で生活するイスラの人々の様子など,島のスケールが分かる描写がもっと欲しかった.1 巻で説明したつもりなのかもしれないけど,せっかく用意した魅力的な舞台,端から端まで描けるだけ描ききらなきゃ勿体ないと思うんだ.