魚沼市〜奥只見湖〜安ヶ森林道〜帰宅

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さて朝8時に魚沼を出発。国道352を奥只見湖へ向かっていく。途中で「駒の湯」という温泉へと向かう分岐点があり、ここからが悪名高い、二輪車通行禁止区間だ。地図はこちら


ここから奥只見湖へと向かう途中の枝折峠までは、通行時間規制がかかっていて、午前中は新潟→福島方向の一方通行、午後からその逆になるとのことだ。この道は、蛇行が延々と続くのが特徴だ。

 

蛇行が多いので、視界はけっこう開けていて、ブラインドコーナーがあんまりない。一方通行だということもあり、快調にペースを上げて行く。これはバイクだったらいかにも楽しいだろう。
と、一方通行のはずなのに、対向車線から車が来た。奥只見湖にある山荘に泊まっていた人なのかな。

紅葉はまだで、緑色ときどき黄色、まれに赤、って感じの状態だ。

 

そのためもあり、あまり観光客はいない。これで天気がよかったら、紅葉でなくても充分気持ち良かったろうに、どんよりと曇っていて残念だ。



充分走りを堪能したところで、ようやく奥只見湖に到着した。

 

ここでは、無国籍な感じといえば聞こえがいいが、端的に言えばキテレツな形の遊覧船が湖面を動いている。

 

道の脇には樹が茂っていて、あまり湖面が見えることはないので、湖を味わいたければこちらを利用するほうがよいんじゃないでしょうか。

途中で何本も、山からの湧き水が小川となって、道路の上を横切っていく。なかには道路脇が池みたいになっちゃっているところもある。

 

 

 

普通は水は道路の下を通すもんだろうに、そのまんま道の上を流してしまう豪快さに笑った。「大雨時には通行禁止」とか標識が出てるんだが、その前に水は下を通せよ!
3カ所目くらいまでは珍しくて写真を撮っていたのだが、その後は慣れて来てしまってそのまま通り抜けてしまった。7カ所くらいあったかな。

ここで二輪通行禁止区間は終了だ。


天気がイマイチなのは残念だが、なかなか楽しい道であった。
ちょうどここに、銀山坑跡というのがあった。沢を50mほどさかのぼって行く。トレッキングシューズを履いてきて正解だった。

  

中に入ろうと、おもむろにペンライトを取り出してみたのだが、電池ぎれしていてガッカリ。15メートルほど奥まで入れるらしいが、まっくらでなにも見えないので、5メートルくらいでギブアップした。惜しいことをした。

さらに国道352を福島側に向かって行く。こちら側は木々がかなり黄色になっていた。黄色、ときどき緑、ときどき赤って感じだ。ここは「樹海ライン」という名前が付いた道で、関東人の僕は、つい富士樹海の鬱蒼とした暗い雰囲気を想像してしまうのだが、そんなことはない気分よい道だった。途中で通行止めになり折り返すことになるが、バイクで走ってみる価値ある道だと思う。
…と思っていたのだが、尾瀬に近づいてくると、霧に覆われたのか雲の中に入ったのか、どんよりとした白いもやに一面が包まれてしまった。

 

  

ここまで来たなら、普通ならここで当然、尾瀬に立ち寄るところなのだろうが、そうしないのが僕らしいところだ。一人で観光地っぽいところに行くと、気が滅入るのは予測できるし。



ここで蕎麦屋の集落があるので食事にする。地図に載っていた「開山」という店に入る。この店の駐車場は空いてたし。

 

この店に限らず、この近辺は、つなぎを一切使わない「裁ちそば」が名物らしいので、当然それを頼む。


このようにお椀に入れられて運ばれてくる。こういうスタイルは初めて見た。壁に貼ってある煽り文句を読むと、香りが自慢なのでぜひ最初の一口はつゆにつけずに食ってくれとのこと。言われなくてもいつも僕はそうしてますよ〜。
そしてその最初の一口の印象はたいへんグッド。腹が減ってたからというのを差し引いても文句なく好みのうまさだ。つゆをつけなくても成立しちゃうような、そばっぷり溢れる蕎麦が好きなのだ。つなぎは使ってないとのことだが、食感はつるつるシコシコしている。
つゆにつけて食べると、なんとも甘辛い。味醂とかの甘さじゃなくて、ほんとに砂糖の甘さなんじゃないかなあ。ここまで甘辛いのは初めてだ。でも蕎麦は力強いので負けることはない。でもちょっとしかつゆはつけずに食ったけど。
薬味として、唐辛子かなにかをあえた高菜?よくわからん?があって、それを少し入れたら、これがまた味の方向性に広がりが出てイケた。

そば団子っていうのも頼んでみた。


そば粉+もちにきな粉をまぶしたものだ。これまた僕の好みからするとちょっと甘いのだが、これはこれでかなりうまい。メニューの写真で見た印象よりでかくて、腹が満杯になってしまった。
きっとこのあたりはどこ行ってもうまいだろうから、もう一軒行ってみようと思ってたんだが。



この近くから分岐する林道を通って南下しようと計画していたのだが、その前に、その道沿いにある温泉に入ることにする。「燧の湯」という硫黄泉で、ほんのりと漂う硫黄の香りが気分いい。露天も解放感があっていい。ていうか女湯は知らないが、男湯は温泉の前の公園から覗けるんじゃないかと思った。
塩素で消毒をしているらしいのだが、昨日のゆ〜パークと違い、全く気づかなかった。ここもまたおすすめ。



今回は奥只見湖の他に、林道で峠越えも目的にしていた。
計画どおり、帝釈山峠を越える林道に向かったのだが、


栃木県側が工事中とのことで、通行止め規制が出ていた。
では田代山峠を越える林道に向かったのだが


こちらも同様に通行止めだった。

最後の望み、安ヶ森峠を越える林道 に向かった。地図では国道から分岐して2キロ程度は舗装のはずだったんだが、数100メートルでもうダートになっていたような。
鱒沢川に沿って南下する、木々のトンネルの下をくぐっていくような林道で、かなり雰囲気いいです。これで天気がよかったらさぞかし気分がいいだろうな。

 

 

路面もたいして荒れていないので、オンロードタイヤのバイクでもなんとか通れるだろう。濡れている路面は粘土質になっていて、滑るので注意が必要だけど。

途中、大きな岩が崩落して道を塞いでいるところがあった。


谷側の路肩にはガードレールも無いし、見たところちょっとギリギリな感じだ。慎重に通り抜けて行く。

 

たぶん軽自動車なら余裕、5ナンバー車は要注意、3ナンバー車以上はやめとけ、という感じではないかと思う。蛍光テープでマーキングされてたので、たぶん近いうちに撤去されると思うけど。

ガードレールなどはほとんど無い、路肩もしょっちゅう崩れている林道なので、運転は大変楽しいのだが、ペースはなかなかあがらない。どんどんと暗くなって行く。

 

 

安ヶ森峠を越えて栃木県側に入ると、路面は舗装されているのだが、街灯はまったくないので、林道と同じくらいスリリングだ。



もうすっかり暗くなってしまったので、あとはもう帰宅することにする。コースはカーナビまかせにしたんだが、県道249号の、なぜかわざわざ遠回りの湯西川温泉方面を指示される。よくわからんがまあ従ってやろう。
温泉街を過ぎると、漆黒の暗闇の山道。街灯は皆無だし、日はすっかり沈んだし、木々のトンネルに囲まれてるし、曇り時々小雨で月明かりも星明かりもないし。ためしに車のライトを消して見ると、かろうじて木々の暗闇と、かすかに青みがかった空との区別がつくくらいだ。ほんとに原始のまっくら闇。車のライトだけが頼りだ。なかなかスリリングで楽しいのだがスリリングすぎます。さっきの林道以上に気を使って運転した。



かなり腹が減ったので、「そば・うどん」などとのぼりの立てられた店に何げなく入った。メニューに「おろしそば」っていうのがあって、これはデフォルトでつゆにおろしが入っているアレだな、前どこかで食った時うまかったからこれにしよう、と頼んだ。蕎麦なのになんか妙に長時間待たされるなあと訝しんでいたのだが、出された蕎麦を見て、思わず仰天してしまった。
ああ、もう思い出しただけでうんざりして鬱になる。


ましてやもう一度見直すなんて…。蕎麦の上に、おろし、山菜、たくあんを細かく刻んだもの、挙句の果てにはポテトサラダ!!!!!!!!!が乗っているという珍蕎麦だ。
どうやったらこんなメニューを発想できるのか理解不能です!
以前、東京の中野坂上「悪魔のささやき」という珍蕎麦を食ったことがあるのだが、それは見かけは珍でも、味は比較的普通だったのだが、こちらの「おろしそば」は、味もまた、とんでもない代物だった。
言うたらこれは、おろしそばではなく「恐ろしそば」です! 改名せよ。
特にキツイ臭いの山菜とたくあんが、蕎麦の香りも味もすべてかき消してしまっている。
乗せられた具の下から、蕎麦だけをひっぱりだして、なんとか腹を満たした。近くの席のおっさんたちが大量にタバコを吸っていて、この蕎麦が届く前は腹が立っていたんだが、いまとなっては感謝だ。タバコの匂いが、この珍蕎麦の珍臭と珍味をかき消してくれる。
もう、ほうほうの態で店を出た。口直しに非常食としてキープしていたカロリーメイトを食ってなんとか少し落ち着いた。



県道249号をすぎると、普通に街灯のある山道になってほっとする。かなり緊張が続いていたので、高速に乗る前に温泉に入ることにする。
地図を見て目をつけていた、鬼怒川公園の「岩風呂」に向かった。

しかし岩風呂と言っても、せいぜい4人ほどしか入れないし、地図に書かれている「野趣」は全然感じない、ごく普通に岩で飾られた露天風呂って感じ。湯も無色無臭でどうってことなし。特にここ目当てで行くような温泉じゃ無いと思う。
珍蕎麦の味が残っていた歯を磨き、タバコの臭いの染み付いた服を着替え、タバコ臭い髪を洗えたので、随分すっきりした。

あとは日光道路>東北道>外環>首都高>中央と高速を乗り継いで普通に帰り。帰宅した時には日付が変わっていた。