Miles Davis / Miles Davis At Fillmore

 フィルモア・イースト(ニューヨーク)におけるライヴ録音を収録した2枚組アルバム。4日間のステージから1日ずつピックアップして収録している。オリジナル LP は1970年の終わりに発表された。本作からキーボード奏者、キース・ジャレットが加入し、ツイン・キーボードの7人編成となっている。
 オリジナル盤は全4曲、レコードの1面に1曲とクレジットされ、"Wednesday Miles", "Thursday Miles", "Friday Miles", "Saturday Miles" というタイトルがつけられていた。しかし、実際は当時のレパートリーがメドレー形式で演奏されているため、同じ曲が何度も出てくる。(もっともマイルスのライヴ盤ではこれがいつものパターン。)
 キーボードだけでなくベースまでワウワウが使用されていて、全体にグニャグニャした音になっている。アイアート・モレイラが鳴らしている「クイーカ」という楽器も、グニャグニャな音だ。音質が悪いわけではないのだと思うが、なんとなくノイジーサウンドである。同じメンバーによる8月の「ワイト島フェスティヴァル」のライヴのほうがすっきりと、まとまった演奏だと思う。
 なお、本ライヴの全貌を収録したとされる4枚組 CD が本日発売された。商品が届いたら、あらためてレビューしたいと思っている。