秋田県鹿角市 花輪ばやし(2006年8月19日)


午前に小岩井農場を訪れ、同じ日の夜、秋田県鹿角市で開催される祭り「花輪ばやし」を観覧しました。
この祭りは、各町内ごとに、華やかに飾られた屋台に乗ってお囃子を演奏しながら、二日間にわたって街中や駅前広場を練り歩くものです。
花輪ばやしの公式サイトの解説によると、平安時代に端を発する、非常に歴史の深い祭りで、秋田県の無形民俗文化財にも指定されています。また、京都の祇園囃子、東京の神田囃子と並んで、日本三大ばやしの一つとして紹介されています。


ところで、検索サイトGoogleで「日本三大ばやし」を検索してみると、ランキング上位はほとんど花輪ばやしの記事で、下の方を見ていくと一部に千葉県の佐原囃子の記事もありました。
そこで、「日本三大囃子」で検索してみると、「日本三大」ランキングについてのサイトが上位にヒットしました。例えば、日本三大夜景は、函館、神戸、長崎、といったものを集めたサイトです。
その中に日本三大囃子もあって、いくつかを見た限りでは、祇園囃子はどこでもランクインしており「日本三大囃子」としての地位は確定的なようです。東京の神田囃子も多くでランクインしています。3つ目としては、花輪ばやし、佐原囃子、東京の葛西囃子、江戸囃子などが見られましたが、花輪ばやしはかなり健闘しているようでした。
私は花輪ばやし以外の囃子は見たことがないので公平な比較はできないと思いますが、写真等で京都や東京の囃子を確認した限りでは、夏祭りとしての性格、また、華やかさや若々しさ、楽しさの面では花輪ばやしが勝っているように思われ、「日本三大ばやし」を名乗る資格は十分にあるのではないかと感じました。
実際に見るまではお囃子というものについてのイメージが今ひとつだったのですが、実際にその場で観てみると、思わず体が上下に動くような軽やかなリズムだと分かりました。よく見ると、屋台の屋根のところの花飾りもお囃子のリズムに合わせて揺れていました。
そのお囃子について、公式サイトでは、「行進曲風で、昔、軍の士気を鼓舞するために作曲されたものでないかと言われ」と紹介されています。祭りの初めのうちはテンポがゆっくりで行進曲風にも感じられますが、祭りの盛り上がりとともに次第にアップテンポに、軽やかになっていくようです。


私が見に行ったのは一日目で、各町の屋台が御旅所に集結し、そこから駅前広場に向かってパレードを行い、そして10台の屋台がそろい踏みお囃子の共演等を行うという内容です。旅行の日程上ここまでしか観覧できなかったのですが、この日の祭りは朝まで続くとのことです。
駅前広場に行くとものすごい人で、警察が駅前通からの進入を禁止するほどでした。このため、回り道をして駅の横の方から見ましたが、やはり人がとても多い状態でした。
祭りは最高潮で、太鼓役は着物をはだけて熱く太鼓を叩き、摺り鉦(すりかね、手に持つ小さな金属の打楽器)役はますます軽やかに、踊るように鐘を鳴らしていました。
間もなく10台の屋台が全て揃って一列に並び、最後に各町の提灯持ちが大きな円陣を組んで「さんさ」(花輪の祭り独特の手打ち)が行われました(「さんさ」と聞くと、盛岡のさんさ踊りを思い出します)。


ちなみに、鹿角市には花輪ばやしの他にも花輪ねぷた青森県でなく秋田県なのに)や毛馬内の盆踊り(こちらは国の重要無形民俗文化財。)等もあり、多様な祭りの集まっている地域のようです。鹿角市秋田県の北東部、岩手と青森の県境に接していて、歴史的に独特なところがあるのでしょうか。また、「舟場町」という町名は、昔、この地が川の交易の拠点だったことを意味しているのでしょうか。そんな印象を持ちました。


花輪ばやし(公式サイト)
http://www.ink.or.jp/~omaturi/