前沢牛弁当

kaolinite2005-05-03


お弁当です。
仙台駅で売っていた駅弁です。
前沢牛弁当」だそうです。
しかし、なぜ仙台で「前沢牛」なのかは謎です。
どこか他の駅のお弁当を売っているのでしょうか。


これは仙台駅でおなじみ「牛タン弁当」と同じく、
ひもを引っ張ると弁当箱の内部で化学反応が始まり、
お弁当が温まる仕組みになっています。
より化学的には、中の生石灰が水と反応を起こして
消石灰へと変化するわけです。


CaO+H2O→Ca(OH)2


これは発熱反応ですので、この時の反応熱によって
お弁当を暖めることができるのです。
この反応はかなり発熱量が多いので
場合によっては200℃ぐらいまで温度が上昇することもあるそうですが、
うまい具合に制御して適温が持続するようにしているようです。


さて、話を本題に戻します。
こうしてひもを引っ張ると加熱が始まります。
そっと弁当箱に手を触れると中で一気に発熱が起きているのが分かります。
反応している、という感じの音もします。
ただし、この段階ではまだ冷たくて、底だけが温まっている状態なのです。
食べ頃になるまでにはしばらく時間がかかるのです。
よく温まるまでしばらくの辛抱です。
早く楽しみたい、という気持ちは分かりますが暫くの辛抱です。
10分程度でしょうか。ある程度時間が経って
中の空気が十分に温まり、よく中が蒸れてくると
隙間から暖かい空気が漏れてきます。
隙間から出てくる暖かい空気と共に
中から香ばしいいい匂いが漂ってくるのです。
そして間もなく開封…というわけです。





結構おいしかったと思います。
ただし、当然のことながら再加熱ですから、
できたて、というのとは少し雰囲気が違うような気がします。


発熱剤の容量がお弁当全体の半分程度はありますので、
厚底靴のような上げ底になっていて、結構嵩張る割に量は少ないのです。
暖かいお弁当というのはいいものだと思いますが、
今は加熱器や保温ケースもありますし、高性能の電子レンジもありますから、
冷たいお弁当をここまでコストと手間をかけてまで暖かくする必要があるかどうかは
疑問の残るところではありますが、
毎日食べるものではありませんし、
たまにはこういう「食べる楽しみ」というのもいいかなぁという感じものでしょうか。


駅弁だから許される「贅沢な」仕組みなのかもしれません。