オリジナルピアノ連弾曲「complete ring」のセルフアナリーゼ

http://soundcloud.com/kappy_chan/complete-ring
曲名「complete ring」

先日の某ライブのために書き下ろしたオリジナルピアノ連弾曲。曲名の由来はまあ数学用語です。決して指輪がうんぬんとかそういう話ではなく。最後に相応しい曲名ないかなあと思って使ってたテキストの最後の章で出た言葉を使ったという適当さ。日本語だと完備環とでも言うのでしょうか。数学的内容に興味がある人はこちらをどうぞ。Completion (ring theory)俺はもう忘れました。まあそんなことはどうでもよくて、曲の解説というか分析を。自分で作った曲だけど理論的に解釈しようと思うとまたこれはこれで難しいもので。ちなみに3人で演奏しました。それぞれのパートを低音パート、中音パート、高音パートと言う事にします。中音ってなんだ?とかそういうのは聞かないことにします。
こんな文章を読んで下さる奇特な方がいたら、ぜひ上のリンクから曲を聞きながら読んで欲しいです。

  • 前奏(0:00~)

次に繋がるAメロのバッキングフレーズ。

  • A(0:11~)

例のバッキングフレーズ(※)をなんとなく弾いてたら思い浮かんだメロディを載せる。このメロディのせいで、ポップ路線で行く方向になる。

  • A'(0:29~)

スケール感が変わってメロはほぼ同じ。#が2つ増える転調Gmaj→Amaj。だからmajorともminorともつかない変な音階に。G#locrianとでも言えばいいのかな。一般的な曲ではロクリアンはまず使われないってことを無駄に赤文字で強調しちゃう。まあ実際にはそんな考えて転調なんてしてないのでwなぜこんなトリッキーな転調になったかというと、この曲を作るとき、そもそもこのAmajスケールで作ってて、そのうちAメロのバッキングフレーズ※とこのPOPなメロディも同時期に思いついたけど調が違う。そこで無理やり両方とも曲に盛り込むために両方を混ぜたみたいなパートを作った。という経緯。つまりA'はAの別ver.という形だけど実はBに繋げるためのあいのこみたいな存在というわけ。ちなみに演奏面では、低音パートだけが食って入るのでリズムとりに苦労してた。

  • B(0:46~)

上と同様のスケールで中音パートと低音パートはE/D→C#m7というonコードだが基本はIV→III進行(IV→VIの代理?)だが、高音パートだけ一部臨時記号で#4つのEmajスケールでの和音を弾いている。後半は16分で低音パートと中音パートが動き出しキメのフレーズに向かう。

  • キメ(1:03~)

コード進行はIV→III→IV→V→VIb→VIIb(Gmaj)となる。前半はBの進行を踏襲して、後半は誰もが聞いたことあるあの進行。そしてその最後のコードが偶然にもGmajというAメロのルートに戻るのだ!これはもうAメロに戻るしかない!ということでAメロに戻る。適当な転調だと思ったら、ここで理論的に伏線が回収されるのだ(後付)リズムは変拍子でコード進行と同様に区切ったときに8分で7→5→3→4→3→5となる。「16分*6+8分*4」の7拍子フレーズはDREAMTHEATERのOctavariumからの影響です。

  • A(1:10~)

上と同様。

  • A'(1:28~)

上と同様だけど最後だけ静かに。メインメロディだけ残す感じ。

  • Cへのつなぎ(1:45~)

俺お得意の"最後1拍だけ抜かす"7拍子。寂しく1音1音が響く感じ。

  • C(2:01~)

引き続きA'と同じ調でコード進行はシンプルなIV→V→VI→Vの繰り返し。あえて全員の弾いてるフレーズのリズムに一貫性を持たせなかった。ミニマル的な雰囲気を出したかった。もうちょっとフレーズを重ねてもよかったなあと今になって思う。

  • Aへのつなぎ(2:31~)

Aメロのバッキングを予感させるフレーズ。予感というか同じ音

  • A(2:36~)

上と同様。

  • A半音上げ(2:53~)

これをやるだけで盛り上がって感動的な曲に聞こえてしまうというウル技。ちなみにライブでは他のメンバーは鍵盤楽器の半音上げは面倒な中、自力で半音上げたフレーズを弾いていたが、俺は躊躇せずキーボードのトランスポーズボタン(ワンタッチ転調ボタン)をポチッと押して演奏してひんしゅくを買うというエピソードが。

  • エンディング(3:10~)

エンディングに向かう。メインメロを1コードで。

  • キメ(最後のコードだけ違う)

半音上げのまま例のキメフレーズだが、最後のコードだけしっかりルートで終止する。IV→III→IV→V→VI(maj)。

ふう・・・。大して理論なんて考えないで作ってるのにあえて理論的に解釈するというのも曲を見つめ直すいい機会になる。と思う。


20120815
曲のリンクをSoundCloudに変更。