『メメント』しかおもしろいのがないっすよ!ノーランさん!

休み。早起きして、朝から映画館へ。まず、『300』の原作買いました。

300(スリーハンドレッド) (Shopro world comics)

300(スリーハンドレッド) (Shopro world comics)

3000円もしたけど、やっぱり映画が素晴し過ぎたし、原作に忠実らしいから、どのくらい忠実なのか観たくてね。そして、いよいよ『プレステージ』鑑賞。クリストファー・ノーランというだけで観たが…

クソつまんねぇ!!!!!!!!激しくつまらん!マジで頭に来た!

どうした?クリストファー?一体何がしたいんだ??『フォロウィング』や『メメント』のノーランは何処へやら…確かにね『インソムニア』と『バットマン・ビギンズ』がなかなかの駄作だったからさ、嫌な予感してたのよね…

単純に『プレステージ』はオチが途中で読める。しかもそれ読めるように作られてる。劇中のセリフにこういうのがあるんすよ『手品はタネを知るとおもしろくない、誰もが逃げていく』って。ホントにそう、タネを知った途端にテンションがだだだだだ〜って落ちた。もしこれが狙いだったらすごいよね、『手品のタネなんてたいした事ないから、そんなもんに騙されちゃいかん。だからこの映画のオチもたいした事無いんだ』って監督がどっかで言ってたら、すごいよ。そう考えると、とてつもないメッセージの映画だな(笑)

まぁ、そんなどうでもいいようなオチとかを2時間以上ひっぱりやがって!なんだそれ!

話はね、マイケル・ケインの弟子として、ヒュー・ジャックマン(以下、ウルヴァリン)とクリスチャン・ベール(以下、バットマン)が居るんだけど、ウルヴァリンの奥さんが手品中に事故で死ぬんよ、んで、それがバットマンのせいと思う訳、そして、お互いにそれぞれの手品を潰し合うっていう、いわばマジシャン同士の復讐劇なんだよね。その発想は好きだし、映画も燃えるんだけど、まぁ気に入らない点もいくつかあるんだよ。

まず時間軸のズレがいらない。

最初。何が起こってるのかよくわからんかった。

これはオレが頭悪いからなのか??時間軸のズレって、ここがこうつながるんだぁ!とかさ、カットバックの延長線上みたいな使われ方するでしょ?『プレステージ』になると、そのズレとかがまったく意味をなさないんだよ。

だから物語の運び方にすごくイライラした。まぁこれは私だけかもしれないけど。主人公の立場とか、家族とか、それ一番最初に出さなきゃいけないんじゃないの?っていうヤツが後半に出て来たりしてさ。

それから主役の2人。どう考えてもミスキャストだよね。それこそ『メメント』じゃないけど、ガイピアーズとかがよかったんじゃないか?スカーレット・ヨハンソンは完璧だったな。おっぱいでかいし、エロいし、合ってたと思う。マイケル・ケインもうん、まぁいつもと変わらない感じでよかった。ただ主役の2人はないわー、うん、ないわー。。。

さらに手品のシーンがもっと撮り方なかったんかい!って感じ。

なんかさ、手品のシーンでイリュージョンとか見せられてもさ、カメラワークとCGでなんとでもなるじゃん。瞬間移動とか言われても、映画だったら、なんとか出来ちゃうんだもん。『汚れた血』でコイン動かすヤツとか『スティング』でポールニューマンがワンカットでトランプのイカサマするとか、あと『麻雀放浪記』の真田広之のつみこみの方が『すげぇ!』って思ったよ、全然ドキドキしない。

あとね、基本的にやらなきゃいけない演出をしてないんだね。お互いライバルで、ウルヴァリンは華があるけど、トリックが弱い。バットマンは華はないけど、手品は同業者が観てもタネがわからない。っていう設定なんでしょ?その設定を活かす演出をしてないんだよ。映画って要らない演出を削ぎ落としていく作業でもあるからいいんだけど、『プレステージ』だとね、バットマンがどうやって人気者になっていったかのプロセスが丸々抜けてて、

どのように華を身につけていって、ウルヴァリンをピンチに追い込んだのかが描かれてないんだよね。

そこは映画の肝でもあるだろ?ウルヴァリンが焦るんだけど、その焦りがまったく伝わらない。しかも時間軸ズレてて、グッチャグチャだから、どこをどうカットしても観れるようになってる。だから、その手法に逃げを感じた。物語の途中経過は大オチが待ってる映画にとって必要だと思うんだけど。たしかにそういう部分を描いていくと長くなっちゃうけどさ、ラストだって、わざわざ口にしなくても分かる事なんだから、そこをバッサリ切っちゃって、映像だけで見せて、短くしてさ、その途中経過くらいはしっかりと描いてほしかったなぁ。だから『ユージュアル・サスペクツ』ってすげぇんだよ、最後、30秒くらいの映像で観客に全部伝えきるでしょ?そういう根本的な所をわかってねぇんだよ、クリストファーの野郎は。

映像的にも面白味がまったくないでしょ?逆光で顔がつぶれるくらいか、クリストファーっぽい所は。あとは全然ダメ。『300』の足下にも及ばないね。まったくおもしろくない。

エメットさんは『反則だと思う』と書かれていたが、反則、反則じゃない以前に映画がまったくおもしろくない(笑)


ここから20%くらいネタバレ
映画を見た方、ネタバレOKな方は下の部分をドラッグしてください。携帯から読んでる方は一気にページを飛ばして下さい。




なんだろうなぁ、もうあのマシンが出て来た時点で、ウルヴァリンがどうなるか全部分かるし、さらにバットマンの側近みたいなヤツがどういうヤツかまったく描かれない時点でネタバレしてるんだよ。



微妙なネタバレ終わり。

クリストファー・ノーランはやっぱり一発屋だったんだな。『メメント』以外は全部ハリウッドの雇われ監督だもんね。でも『プレステージ』って自ら脚本も書いてて、さらに製作もしてるんでしょ?撮りたかった企画なんでしょ?なのにこれかよ!あー!腹立つ!『メメント』はインディーズだったよなぁ、あの頃に戻りやがれ!『メメント』ってダメだった人も多いけど、やっぱりすごかったよ。おもしろかったよ。興奮したし、あれがあったから『アレックス』だってあったんだからね、でも映画のアイデアとしては『メメント』の方が上。時間が逆行していくって映画ならではだし、実際3回くらい観たしね。復讐劇だし。ああ『メメント』を早く越えてくれ。

帰って、『300』の原作を読む。おもしろくはないけど、絵がすごい!グラフィックノベルという名前なのも理解した。すごいよ、ホントにあれはアート本だね、映画で時間かけて描いたシーンがマンガだと1ページの1コマくらいにしかなってなくて、すごくスピード感があった。それだけじゃなくて、首が飛んだり、血も吹き出したりして、かっこいい。マンガというよりは殺戮絵巻って感じか?ホントに映画版は全カットがマンガとまったく同じにしてある。『これがスパルタだ!』っつって、なんか井戸みたいなところに使者を蹴り落とすシーンがあるけど、あれもまったく一緒で、映画ではスローにする事で、マンガのワンカットをじっくり見せるような演出なんだね。だから『300』はザック・スナイダーもすごいけど、やっぱり原作者のフランク・ミラーがすごいんだよ。『シン・シティ』の原作も欲しくなったよ。これはこれでかっこいいし、マンガとは違うけど、方法論としてアリ。なんかジョジョの画集みたいな感じだったよ。ジョジョ好きな人はオススメですわ。あういぇ。