假面特攻隊の一寸先は闇!読みにくいブログ(笑)

★★★特撮・アニメ・時代劇・サブカル思想をフォロー!(予定・汗)★★★ ~身辺雑記・小ネタ・ニュース速報の類いはありません

ザ・ウルトラマン10話「見えたぞ! まぼろしの怪獣が…」 ~超能力手品師と合体した怪獣に、ウルトラマンがミクロ化能力を披露!

ファミリー劇場『ザ★ウルトラマン』放映開始記念「全話評」連動連載開始!)
『ザ・ウルトラマン』総論 ~総括・ザ☆ウルトラマンの時代
『ザ☆ウルトラマン』最終回 #50「ウルトラの星へ!! 完結編 平和への勝利」 ~40年目の『ザ☆ウル』総括!
拙ブログ・トップページ(最新10記事)
拙ブログ・全記事見出し一覧


『ザ☆ウルトラマン』全話評 ~全記事見出し一覧


ザ・ウルトラマン』第10話「見えたぞ! まぼろしの怪獣が…」 ~超能力手品師と合体した怪獣に、ウルトラマンがミクロ化能力を披露!

テレポート怪獣ザローム登場

(作・藤川桂介 演出・古川順康 絵コンテ・鳥海永行 怪獣原案・小川富美夫)
(この回から絵コンテの表記が入る。冬木氏作曲のBGMも使用開始)
(視聴率:関東11.6% 中部11.8% 関西10.8%。
 以上、ビデオリサーチ。以下、ニールセン 関東12.7%)


(文・内山和正)
(1997年執筆)


 人気マジシャン・ジョージ佐竹は、ザローム砂漠から日本の会場へ一瞬にして移動するマジックを決行する。だがその直前、砂の中から現われた巨大な尻尾により砂中へ引き摺り込まれる。そしてそれを知らない日本の会場には佐竹のかわりに怪獣が現われた!


 主人公・ヒカリ隊員らは出動するが怪獣は既に消えており、怪獣の暴れた形跡さえなかった。目撃者の証言で作られたモンタージュから、十年前にザローム砂漠で目撃されたザロームと判るがなぜ、どうやって来たかは不明だった。そのあと海辺の村にザロームが上陸、都会へと移動して来た。科学警備隊は様々な場所に現われては消えるザロームに翻弄される。主人公・ヒカリ隊員だけが真実に気づいた。
(以上、ストーリー)



 特撮では第1期ウルトラシリーズ東映特撮にピープロ作品、アニメでも『マジンガーZ(ゼット)』(72年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20200119/p1)や『宇宙戦艦ヤマト』(74年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20101207/p1)に『銀河鉄道999(スリーナイン)』(78年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20230226/p1)など、あまたの作品を手懸けてきたベテラン・藤川桂介脚本作品。


 だいたい仕掛けに見当がつくとはいえ、マジシャンの代わりに移動して来た怪獣。それは暴れた形跡さえなく……という変事の提示が興味をひく。ウルトラマンがミクロ化してザロームの体内へ入っていったり、ザロームの体を一度分解して、佐竹を分離させたあとで再生させるといった荒技(あらわざ)を使ったり、村を進むザロームの巨大さが迫力を感じさせたり(都市部に入ってからと大きさが一致しないようなので、この当時のアニメ故のいい加減さもあるが)と見所の多い回である。


 本作の怪獣攻撃組織である科学警備隊のヒカリ隊員が佐竹の留守宅を訪ねて、夫人から話を聞くこともこの番組としては珍しい趣向だ。一般の刑事ドラマなどであれば当たり前のことであっても新鮮さを感じさせる。


 しかしその反面、ドラマ的には深みがない。説明も不充分で、ザロームは佐竹のテレポート能力を利用するために佐竹を吸収したとのことだが(そして佐竹の帰宅したい気持ちに引き摺られてしまったと思われる)、何の目的でそうしたのかは判らない。まぁ知的生命体ではない野獣の怪獣なので、本能的な直感だけで深い意味などなくてもよいのだが、それならそれでそうだと説明してほしいのだ。
 書籍を読んでみたら、人を驚かすのが好きだとのことだそうだ。単なるイタズラっ子だったのだね。作品中では悪者扱いされていたが。


 ウルトラマンがザロームの体内で破壊したものも何だったのかもハッキリしない。また、ザロームが様々なところに現われるという状況もセリフで説明されて判るだけで画面を見てもよく理解できないのでイマいち楽しめない。科学警備隊のトベ隊員が妙にイラだっているあたりも、いつもの彼の性格描写的には違和感がある。


 催眠術を利用してテレポーテーションする芸で話題を集めようとした佐竹だが、コレって超能力なのであって、マジック(手品)ではないのではないか? 時代背景的に何か流行のマジックがあったのだろうか? そのような流行などなかったというのが、その時代を生きていた者の1979年当時の記憶なのだが。



◎オープニング主題歌の宇宙空間が鮮やかな色調になり、サブタイトルのBGMも変更(冬木透氏による追加BGM)。次回予告のバックが新規の図柄になったのもこの回からだ。


※:製作No.2『怪獣まぼろし作戦』


(了)
(初出・特撮同人誌『仮面特攻隊98年号』(97年12月28日発行)『ザ☆ウルトラマン』特集・合評③より分載抜粋)


[関連記事]

[関連記事] ~『ザ☆ウルトラマン』(79年)再評価・全話評!(主要記事)

『ザ☆ウルトラマン』再評価・全話評 〜序文!

d.hatena.ne.jp

『ザ☆ウルトラマン』#1「新しいヒーローの誕生!!」 ~いま観ると傑作の1話だ!? 人物・設定紹介・怪獣バトルも絶妙!

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20090505/p1(当該記事)

『ザ☆ウルトラマン』#12「怪獣とピグだけの不思議な会話」 〜怪獣レクイエム・泣かせる超名編!

d.hatena.ne.jp

『ザ☆ウルトラマン』#15「君がウルトラマンだ」 〜超人に選ばれし者の条件・ウルトラ史に残すべき超名作!

d.hatena.ne.jp

『ザ☆ウルトラマン』#19「これがウルトラの星だ!! 第1部」

d.hatena.ne.jp

『ザ☆ウルトラマン』#20「これがウルトラの星だ!! 第2部」

d.hatena.ne.jp

『ザ☆ウルトラマン』#21「これがウルトラの星だ!! 第3部」

d.hatena.ne.jp

『ザ☆ウルトラマン』#27「怪獣島浮上!!」 〜レッドキングと怪獣軍団登場

d.hatena.ne.jp

『ザ☆ウルトラマン』#28「新キャップが来た!!」

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20091108/p1

『ザ☆ウルトラマン』#31「ウルトラの女戦士」 〜ジョーの妹アミア!

d.hatena.ne.jp

『ザ☆ウルトラマン』#34「盗まれた怪獣収容星(前編)」

d.hatena.ne.jp

『ザ☆ウルトラマン』#35「盗まれた怪獣収容星(後編)」

d.hatena.ne.jp

『ザ☆ウルトラマン』#37「ウルトラの星U40の危機!! ウルトリアの謎?」

d.hatena.ne.jp

『ザ☆ウルトラマン』#38「ウルトラ大戦争!! 巨大戦闘艦ウルトリア出撃」

d.hatena.ne.jp

『ザ☆ウルトラマン』#39「ねらわれた巨大戦闘艦ウルトリア」

d.hatena.ne.jp

『ザ☆ウルトラマン』#46「よみがえれムツミ」 〜終章の序章・名作!

d.hatena.ne.jp

『ザ☆ウルトラマン』最終回 #47「ウルトラの星へ!! 第1部 女戦士の情報」

d.hatena.ne.jp

『ザ☆ウルトラマン』最終回 #48「ウルトラの星へ!! 第2部 前線基地撃滅」

d.hatena.ne.jp

『ザ☆ウルトラマン』最終回 #49「ウルトラの星へ!! 第3部 U(ウルトラ)艦隊大激戦」 ~大幅加筆!

d.hatena.ne.jp

『ザ☆ウルトラマン』最終回 #50「ウルトラの星へ!! 完結編 平和への勝利」 ~40年目の『ザ☆ウル』総括!

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20100418/p1

『ザ☆ウルトラマン』総論 ~ザ☆ウルトラマンの時代・埋もれた大スケールSF名作! 第3次怪獣ブームの猛威! 70’s末の熱い夏!

 (関東・中部・関西の全話平均・クール平均視聴率も加筆!)
d.hatena.ne.jp